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中1で英語につまずくのはどこ?家庭でできる立て直し方
小学校では英語が好きだったのに、中学に入って最初の定期テストで点が伸びなかった——。中1の英語は、そんなふうに「あれ?」となりやすい教科です。
やっかいなのは、本人も保護者の方も原因が言葉にできないまま「英語が苦手」とひとくくりにしてしまうこと。英語は積み上げの教科なので、苦手だと決めつけて放置すると、中2の文法で一気に差が広がりやすくなります。
この記事では、中1の英語でつまずきが起きやすい場所を3つに整理し、それぞれの見分け方と家庭での立て直し方をやさしく解説します。学年を問わない英語のやり直し全般については、後半で別記事に案内します。
中1の英語でつまずくのはどこ?まずは場所を特定する
最初にお伝えしたいのは、「英語が苦手」という言い方をいったんやめてみることです。苦手なのは英語全体ではなく、たいてい特定の1〜2か所だからです。場所さえ分かれば、そこだけ戻ればよくなります。
中1でつまずきが集中するのは、次の3か所です。
- be動詞と一般動詞が混ざる(文のつくりが崩れる)
- 語順が日本語のままになる(単語は知っているのに文が書けない)
- 単語の量に追いつけない(読めるけれど書けない、覚えきれない)
小学校の英語との「段差」が背景にある
なぜ中1でこれが起きるのか。背景には、小学校と中学校で英語の扱い方が変わることがあります。
文部科学省の現行の学習指導要領では、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で教科としての「外国語」が行われ、聞くこと・話すことを中心に英語に親しむ形になっています。ここで扱う語数は600〜700語程度が目安とされています。
中学校ではこれに読むこと・書くこと・文法の学習が本格的に加わり、扱う語数も小学校で学んだ語に加えて1600〜1800語程度が目安とされています。
つまり中1は、「音で楽しんでいた英語」が「書いて説明できる英語」に切り替わる学年です。段差そのものは誰にでもあるもので、お子さんの努力不足とは限りません。ここを踏まえたうえで、3つのつまずきを順に見ていきましょう。
つまずき①:be動詞と一般動詞が混ざる
中1の1学期でとくによく見かけるのがこのタイプです。ノートやテストにこんな文が並んでいたら、この段階で止まっています。
- I am play soccer.(am と play が両方入っている)
- Do you are a student?(Do と are が両方入っている)
- He don’t like natto.(doesn’t になっていない)
なぜ混ざるのか
教科書では、be動詞(am / is / are)と一般動詞(play / like / go など)を別々の単元で順番に習います。それぞれの単元の中では正解できるのに、両方が出そろった時点で「どっちを使うんだっけ」となる。単元テストは通ったのに定期テストで崩れる子は、たいていこのパターンです。
見分けの手順を1つだけ覚える
家庭で直すときは、ルールを増やさず手順を1本化するのが近道です。
- 文の中に「動作・気持ち」を表す言葉があるか?(走る・好き・持っている など)
- あるなら一般動詞の文 → 否定は don’t / doesn’t、疑問文は Do / Does で始める
- ないなら be動詞の文(〜です・〜にいる)→ 否定は not を後ろに、疑問文は Is / Are で始める
この3ステップを、教科書の例文10個で口に出して仕分けさせてみてください。仕分けだけなら5分ほどで終わりますし、どこで迷うかがその場で見えます。混乱が残っているうちは新しい単元に進むより、この1点に戻ったほうが結果的に早く追いつきやすくなります。
つまずき②:語順が日本語のままになっている
単語は覚えているのに英作文がまったく書けない、という場合は語順でつまずいています。
日本語は「私は サッカーを します」と、動作を表す言葉が最後に来ます。英語は「I play soccer.」と、だれが→どうする→なにをの順です。頭の中で日本語の文を作ってから訳そうとすると、この並べ替えが毎回必要になり、テストの時間内に処理しきれなくなります。
骨組みを先に置くクセをつける
おすすめは、日本語を訳すのではなく、英語の骨組みに当てはめる練習です。
- まず「だれが」を書く(I / She / My brother …)
- 次に「どうする」を書く(play / like / study …)
- 最後に「なにを・どこで」を足す(soccer / at school …)
疑問文・否定文で崩れる子も、この骨組みが先にあれば立て直しやすくなります。疑問文は骨組みの前に Do / Does / Is / Are が乗るだけ、否定文は「どうする」の直前に not が入るだけ、と理解できるからです。
教科書の本文を1文ずつ、「だれが/どうする/なにを」に線を引いて分ける作業を1週間続けると、並べ替え問題や英作文で手が止まりにくくなります。
つまずき③:単語の量に追いつけない
3つめは単語です。前述のとおり、中学で扱う語数は小学校のときより大きく増えるのが目安とされています。これまでは音で聞き分けられれば済んでいたものが、中学ではテストで書くことを求められるようになります。
「読めるけれど書けない」という状態は、音と綴りがつながっていないサインです。
音と綴りをセットにして覚える
単語練習でよくある失敗が、ノートに同じ単語を無言で20回書くやり方です。手は疲れますが、音と結びつかないため、テストの直前に忘れやすくなります。
家庭で試しやすいのは次の手順です。
- 声に出して読む(読めない単語は覚えられません。まず読み方を確認する)
- 音節で区切って書く(Wed-nes-day のようにかたまりで発音しながら書く)
- 意味を日本語で言えるか確認する(英語→日本語、日本語→英語の両方向で)
- 翌日にもう一度確認する(1回で覚えきろうとしない)
書く回数を減らしてでも、声に出す・翌日に戻るの2つを入れたほうが、記憶に残りやすくなります。1日あたり5〜10語で十分です。範囲を広げるより、同じ範囲を数日かけて何度も触るほうが定着しやすくなります。
家庭でできる立て直し3ステップ
つまずきの場所が見えたら、あとは順番どおりに戻すだけです。
ステップ1:どこで止まっているかを特定する
1学期の教科書とテストを机に出し、バツがついた問題を種類で分けます。「be動詞と一般動詞の混同」「語順」「単語のつづり」のどれに当てはまるかを分類するだけで構いません。全部やり直そうとしないことが大切です。
分けてみると、多くの場合は1〜2種類に集中しています。それが戻るべき地点です。
ステップ2:つまずいた単元まで戻ってやり直す
戻る教材は、教科書と同じ順番で、1回分が短く区切られているものが向いています。中1範囲だけを扱った参考書なら、必要な単元だけをピンポイントで開けます。
説明の量が多いと感じる場合は、さらにやさしい段階から積み直せるタイプもあります。文法用語が出てくると手が止まってしまう子や、小学校の英語からの段差を強く感じている子には、こちらのほうが進めやすいことがあります。
どちらを選ぶ場合も、最初の1冊は薄いものを選び、最後まで終わらせることを優先してください。分厚い参考書を途中でやめるより、薄い1冊をやりきったほうが自信につながります。
ステップ3:毎日10〜15分で回す
戻ってやり直したあとは、忘れないように短時間の演習を毎日はさみます。まとまった時間を取ろうとすると部活動で続かないので、1回分が短いドリルのほうが現実的です。
進め方の目安は、平日は10〜15分の復習、休日に1週間分の見直しです。カレンダーに丸をつけるだけでも、続いている実感が出て手が動きやすくなります。
学年を問わない英語のやり直し全般(どこまで戻るか、夏休みにどう配分するか)は、中学生の夏休みに英語をやり直す方法でまとめています。あわせて読んでみてください。
保護者はどう関われる?
中1の英語は、保護者の方が関わりやすい数少ないタイミングでもあります。ただし、教えようとすると多くの場合うまくいきません。
教えるより「相手役」になる
自分が習った文法用語で説明すると、今の教科書の教え方とずれて、かえって混乱させてしまうことがあります。おすすめは次の役回りです。
- 音読の聞き役:教科書を1ページ読んでもらい、最後まで聞く(発音の指摘はしない)
- 丸つけ役:答え合わせを一緒にやり、バツの種類を分ける手伝いをする
- 時間の管理役:「何時から10分だけ」を決める
比べない・振り返らせない
「小学校のときはできたのに」「お姉ちゃんは…」という比較は、英語そのものへの抵抗感につながりやすいので避けたいところです。中1の段差は誰にでもあるものだと伝えるほうが、机に向かいやすくなります。
塾に行くか、家庭で見るか
判断の目安は、つまずきが1〜2か所に絞れているかどうかです。絞れているなら家庭の教材で戻せることが多く、教科書の内容そのものが全体的に分からない状態であれば、人に説明してもらえる環境を検討する価値があります。
中1のうちに何をどこまでやるかは、高校受験は中1の夏から|夏休みの復習問題集の選び方と進め方も参考になります。
よくある質問
2学期からでも間に合いますか?
中1の範囲は、戻る量が中2・中3に比べて少なくて済みます。be動詞と一般動詞、語順の2点に絞れば、短期間でも形になりやすい時期です。むしろ、学年が上がるほど戻る量が増えるので、気づいた時点で手をつけるほうが負担は軽くなります。
小学校の英語まで戻ったほうがいいですか?
多くの場合、その必要はありません。小学校では聞く・話すが中心なので、中1でつまずいているのは「書く・文法」の部分であることがほとんどです。教科書の中1の最初の単元まで戻れば十分なことが多いです。ただし、アルファベットの大文字・小文字が正確に書けない場合は、そこだけ先に整えておくと後が楽になります。
単語は書けないとだめですか?
定期テストでは書く力が問われるため、書けるようにしておくほうが点数にはつながります。ただし順番があり、読める→意味が分かる→書けるの順で進めるのが効率的です。読めない単語をいきなり書く練習から始めると、時間がかかりやすくなります。
このまま中2になるとどうなりますか?
中2では過去形・未来表現・比較などが加わり、文の形がさらに増えます。中1のbe動詞と一般動詞の区別があいまいなままだと、新しい単元でも同じ混乱が繰り返されやすくなります。学年が変わる前に整理しておくのが安心です。中2で苦手を立て直す進め方は、中2の夏休みで苦手を克服するには?高校受験に向けた勉強法でも触れています。
まとめ
中1の英語のつまずきは、次の3か所に集中します。
- be動詞と一般動詞の混同 … 動作があるかで仕分ける手順を1本化する
- 語順 … 「だれが→どうする→なにを」の骨組みに当てはめる練習をする
- 単語の量 … 音と綴りをセットにし、少量を翌日にもう一度確認する
やることは、①どこで止まっているかを特定する、②その単元まで戻ってやり直す、③毎日10〜15分で回す、の3ステップだけです。教材は薄いものを1冊やりきることを優先し、保護者の方は教える役ではなく聞き役・丸つけ役に回ると続きやすくなります。
英語は積み上げの教科ですが、裏を返せば戻れば追いつける教科でもあります。中1の今なら戻る距離が短くて済みます。まずは1学期のテストを机に出すところから始めてみてください。


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