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大学の面接で聞かれる質問は?5つの型と深掘り質問の予測手順
総合型選抜の書類を出し終えて、次は面接。何を聞かれるのか分からないまま、質問例をまとめたページをいくつも開いては閉じている——10月のこの時期、そんな状態になっている高校生は少なくありません。保護者の方も、どこまで手を出していいのか迷うところだと思います。
質問例のリストは、たしかに役に立ちます。ただ、リストをいくら眺めても不安が減らないのには理由があります。大学の面接で実際に聞かれるのは、一般的な質問例ではなく、あなたが提出した書類に書いてあることだからです。志望理由書・活動報告書・学修計画書に書いた一文が、そのまま質問の材料になります。
この記事では、よくある質問を5つの型に整理したうえで、提出済みの書類から「自分が聞かれる質問」を導き出す手順を組み立てます。あわせて、2027年度入試(2026年度実施)から総合型選抜・学校推薦型選抜の面接の扱いが変わったこと、面接の形式ごとに準備をどう変えるか、減点されやすい答え方とその直し方まで、公式資料で確認できた範囲で順に整理しました。
2027年度入試から、総合型・学校推薦型の面接は「必ず行う」ものになりました
まず、今年の受験生にとって前提が変わった点から確認します。文部科学省が令和8年5月27日付け8文科高第318号で通知した令和9年度大学入学者選抜実施要項(2027年度入試の実施要項)には、総合型選抜について次の記述があります。
入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する総合型選抜の趣旨に鑑み、志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う。
学校推薦型選抜についても、同じ要項の中でほぼ同一の文言が置かれています。つまり、2027年度入試では総合型選抜・学校推薦型選抜のどちらでも、面接による評価を行うことが原則になりました。
この一文から読み取っておきたいことが3つあります。
1つめは、要項のいう面接の範囲が広いこと。 括弧の中に、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問が例示されています。受験生が想像する「部屋に入って質問に答える」形式だけを指しているわけではありません。志望校の要項に面接という語が見当たらなくても、プレゼンテーションや口頭試問という名前で同じ役割の選考が置かれていることがあります。
2つめは、オンラインによる実施が明記されていること。 会場に行く形式だけが前提ではないため、募集要項で実施方法を確認する必要があります。
3つめは、例外と経過措置があること。 学校推薦型選抜については、ただし書きで次のように定められています。
ただし、高等学校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができる。
いわゆる指定校推薦のように、高校と大学の連携があり、合格したら入学することを確約して受ける形のものは、大学の判断で面接を課さないこともある、という書き方です。さらに要項の備考には、令和8年度に既に実施されていた選抜区分のうち令和9年度入試から面接を導入することが難しいものについては、遅くとも令和11年度大学入学者選抜までに面接を導入する、という経過措置が置かれています。
まとめると、過年度の募集要項を見て「この方式は面接がない」と判断するのは、今年は危険です。志望校の2027年度入試の募集要項を、必ず最新版で確認してください。選抜区分ごとの日程の考え方は総合型選抜の日程はいつ?2027年度入試の出願・選考スケジュールにまとめています。
もうひとつ、質問の中身に直結する規定があります。同じ要項は総合型選抜について、志願者本人が記載する資料——活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書など——を必ず評価に活用する、と定めています。面接官の手元には、あなたが書いた書類があるということです。質問がそこから出てくるのは、偶然ではなく制度上の必然です。
面接の質問は5つの型に分けられます
質問例を何十個も暗記しようとすると、本番で少し言い回しが変わっただけで固まります。数を覚えるのではなく、質問がどの型かを判別できる状態を目指すほうが、崩れにくくなります。
よく紹介される質問を整理すると、次の5つの型に収まります。
| 型 | 代表的な質問 | 評価されている観点 | 答えの材料がある場所 |
|---|---|---|---|
| A 志望理由の深掘り | なぜ本学か/なぜこの学部・学科か/入学後に挑戦したいこと | 志望する学問分野への意欲・適性 | 志望理由書・学修計画書 |
| B 活動の再現性 | 高校生活で力を入れたこと/困難をどう乗り越えたか/探究活動の中身と自分の役割 | 主体性、多様な人と協働する態度、思考の過程 | 活動報告書・調査書・探究のレポート |
| C 学問理解と口頭試問 | 学部で扱う分野をどう理解しているか/関連する時事/最近読んだ本 | 知識・技能、思考力・判断力・表現力 | 教科書、新聞、志望分野の入門書 |
| D 将来像との接続 | 卒業後の進路/将来の目標/学びをどう生かすか | 目的意識の具体性 | 学修計画書 |
| E 確認系・逆質問 | 併願の有無/オープンキャンパスの印象/通学方法/最後に質問はありますか | 入学の意思と大学との相性 | 募集要項、大学サイト、自分の受験計画 |
型を意識する利点は2つあります。
利点1は、準備の置き場所が決まること。 型Aの答えを探すのに新聞を読んでも見つかりません。型Aは志望理由書、型Bは活動報告書、型Cは書籍と教科書、型Dは学修計画書、型Eは募集要項。答えの材料は型ごとに保管場所が違うと考えると、準備の順番が決まります。
利点2は、本番で言い回しが変わっても対応できること。 たとえば、大学での学びをどう社会で生かすかという質問と、卒業後に何をしたいかという質問は、言葉は違いますがどちらも型Dです。型が同じなら、同じ素材から答えを組み立てられます。
どの型が厚くなるかは選抜区分で変わります
総合型選抜は、志願者本人が書いた資料を必ず評価に活用すると要項が定めているため、型Aと型Bが厚くなりやすい構成です。一方、学校推薦型選抜は調査書を主な資料としつつ評価する方式なので、高校での学習や活動全体に話が及びやすくなります。
また、要項は総合型選抜・学校推薦型選抜のいずれについても、出願書類だけでなく、教科・科目に係る個別テスト、共通テスト、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験等のうち少なくとも一つを必ず活用し、その旨を募集要項に記述する、と定めています。面接の中で教科の理解を確かめる口頭試問を置く大学があるのは、この規定と無関係ではありません。志望校の要項で、面接のほかに何が課されているかを見ておくと、型Cにどれだけ時間を割くべきかの見当がつきます。
提出した志望理由書から深掘り質問を予測する4ステップ
ここからが、この記事の中心です。質問例の一覧ではなく、自分の書類から自分の想定問答をつくる手順を示します。手元に、提出した志望理由書・活動報告書・学修計画書のコピーを用意してください。控えを取っていない場合は、下書きや提出前のデータで代用します。
ステップ1|志望理由書の文に、1から番号を振る
段落ではなく、句点で区切った一文ごとに番号を振ります。志望理由書が十数文なら、番号は十数個になります。この作業の目的は、書類を読み物から質問の材料の一覧に変えることです。読み返すだけだと全体の印象しか残りませんが、番号を振ると一文ずつが独立した検討対象になります。
ステップ2|各文に3方向の問いを当てる
番号を振った文それぞれに、次の3方向の問いを機械的に当てます。
- なぜ?(動機・理由をさかのぼる方向)
- 具体的には?(事実・場面・数字におろす方向)
- 大学ではどうする?(入学後につなげる方向)
一文あたり3問なので、十数文の志望理由書からは、それだけで数十問が出てきます。ここで大事なのは、答えられそうかどうかを判断せずに、まず全部書き出すことです。答えにくい問いこそ、本番で聞かれたときに困る問いです。
ステップ3|数字・固有名詞・断定語に印をつける
書き出した文のうち、次の3種類が入っている箇所には、追加で印をつけます。
- 数字(人数、回数、期間、順位など)……根拠と算出方法を聞かれやすい
- 固有名詞(大学名、学部名、教員名、書名、団体名、地域名)……どこまで知っているかを確かめられやすい
- 断定語(いちばん、最も、すべて、必ず、一貫して)……例外はないのかと問い返されやすい
この3種類は、面接官から見ると確認したくなる目印です。書類に書いた以上、その根拠を口頭で説明できる状態にしておく必要があります。逆に言えば、印をつけた箇所を押さえておけば、深掘りの多くは予測の範囲内に収まります。
ステップ4|出てきた質問を5つの型に仕分け、空いた型を埋める
ステップ2と3で出した質問を、先ほどの5類型に振り分けます。ここで偏りが見えます。志望理由書から作った質問は型AとDに集まりやすく、型B(活動の再現性)と型C(学問理解)が薄くなりがちです。薄い型は、活動報告書と学修計画書に対して同じ手順を繰り返して埋めます。型Eは書類からは出てこないので、募集要項と大学サイトを見ながら別に用意します。
手順の実演:1文からどこまで質問が出るか
たとえば、志望理由書にこう書いたとします。
高校2年の探究活動で地域の商店街の空き店舗を調べ、貴学の地域政策の授業で学びを深めたいと考えました。
この一文だけでも、手順に沿うと次のような質問が出ます。
- なぜ空き店舗を調べようと思ったのですか(型A)
- 具体的にどのような方法で調べましたか(型B)
- 何件くらいを対象にしましたか(型B・数字の確認)
- 調べて分かったことを一つ挙げてください(型B)
- 調査の中で、うまくいかなかったことは何ですか(型B)
- その経験から、あなたは何を判断しましたか(型B)
- 地域政策という分野をどう理解していますか(型C)
- 空き店舗の問題は、どの分野の課題だと考えますか(型C)
- 本学の地域政策の授業のどこに関心がありますか(型A・固有名詞の確認)
- 他大学にも似た授業がありますが、なぜ本学ですか(型A)
- 大学で学んだことを、卒業後にどう生かしますか(型D)
- 探究活動は今も続けていますか(型B・型E)
一文から十問以上が出ました。志望理由書が十数文あるなら、自分専用の想定問答集が百問規模でつくれるということです。市販の質問例集と違うのは、全部が自分の書類に紐づいているため、答えの材料が必ず手元にあることです。
出した質問に「素材」を3つずつ用意する
質問リストができたら、答えの文章を書くのではなく、素材を3つずつ添えます。素材とは、(1)事実(いつ・どこで・何をしたか)、(2)数字や固有名詞、(3)そこから自分が何を判断したか、の3点です。文章として完成させないのは、丸暗記を避けるためです。素材が3つあれば、質問の言い回しが変わっても、その場で組み替えて話せます。
志望理由書そのものの組み立てを見直したい場合は、志望理由書の書き方がわかる本の選び方も参考にしてください。
面接の形式で準備は変わります(個人・集団・オンライン・プレゼン)
同じ面接という言葉でも、形式が違えば練習すべきことが変わります。要項が面接の例として挙げているディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問、そしてオンライン実施を踏まえ、形式別に整理します。
| 形式 | 進行の特徴 | 準備で変える点 |
|---|---|---|
| 個人面接 | 受験者1名に対して面接担当者が複数。一つの話題を続けて掘られる | 1つの話題に素材を3層(事実・根拠・判断)まで用意する |
| 集団面接 | 複数の受験者が同席し、持ち時間が分割される | 1問を短くまとめる練習。他の受験者の答えと重なったときの言い換え |
| グループディスカッション | 議論での役割・貢献が見られる | 結論を急がず、論点を整理して言葉にする練習 |
| プレゼンテーション | 時間と資料の指定がある。発表後の質疑が本番 | 時間内に収める通し練習と、想定質問への返し |
| 口頭試問 | 教科・学問分野の理解を口頭で確認される | 教科書レベルの内容を、自分の言葉で説明し直す |
| オンライン | 通信環境・映り方・間の取り方が加わる | 接続確認、カメラの高さ、話し始めの合図 |
公式の募集要項では、こう書かれています
形式は大学によって本当に違います。2027年度入試の公式ページから3例を挙げます。
東京未来大学は、2027年度の総合型選抜について、出願時に提出した書類の内容をもとに面接を実施すると明記しています。集団面接は受験者3〜5名に対して面接担当者2名、個人面接は受験者1名に対して面接担当者2名という人数まで公表されています。同大学は選抜の趣旨として、質問や他者の発言を的確に捉え理解する力、自分の考えをまとめ適切に他者に伝える力、自らの課題や困難を乗り越えた経験の有無や程度を評価するとしています。他者の発言を理解する力が評価対象に入っている点は、集団面接の準備の方向を決めるうえで参考になります。
武蔵野大学は、2027(令和9)年度入試の総合型選抜Ⅰ期(面接型)について、選抜方法に面接・口頭試験(20分程度)と記載しています。さらに、データサイエンス学科(通信制)はオンラインで面接・口頭試問を実施すること、アントレプレナーシップ学科は2次選考でグループディスカッションを実施することが、同じページに注記されています。同じ大学の同じ選抜でも、学科によって形式が違うという実例です。
横浜市立大学は、国際教養学部・国際商学部・理学部・データサイエンス学部の総合型選抜について、1次の書類選考合格者には2次選考として書類内容に即したプレゼンテーションを課し、総合判定すると案内しています。ここでも、提出した書類が選考の土台になるという構造は同じです。
3例に共通するのは、募集要項を読めば形式・人数・所要時間まで分かる場合があるということです。形式が分からないまま一般的な練習を重ねるより、まず要項を読むほうが効率的です。
オンライン実施のときに知っておきたいこと
要項は、ICTを活用したオンラインによる試験を実施する場合の配慮についても定めています。通信環境の不具合が生じて試験の続行が困難になった場合には当日の時間を繰り下げるなどの方法をとること、入学志願者が通信環境を整えることができない場合には大学でのオンライン受験も可能とすること、といった内容です。
つまり、不具合が起きたときの取り扱いは大学側が用意しているという前提で臨んで構いません。通信が切れた瞬間に不合格が決まるわけではないので、慌てずに募集要項に書かれた連絡先へ連絡できるよう、当日は電話番号を手元に置いておきましょう。
減点されやすい回答の型と、その直し方
答えの中身で評価を落としやすい型は、だいたい決まっています。7つ挙げ、それぞれ「なぜ評価されにくいか」と「どう直すか」をセットで整理します。
失敗1|模範回答をそのまま再生する
インターネットで見つけた回答例を覚えて話すと、深掘りの2問目で崩れます。自分の経験に紐づいていない文章は、なぜ・具体的には、と重ねられたときに続きが出てこないからです。
直し方:文章ではなく素材で覚えます。前の章の素材3つの形にしておけば、その場で組み立てられます。
失敗2|志望理由が学部の紹介になっている
貴学には充実したカリキュラムがあり、という書き出しで始まる答えは、大学案内に書いてあることの言い換えです。面接官は自分の大学の情報を当然知っているので、受験生の話としては情報量がほとんど残りません。
直し方:主語を大学から自分に戻します。大学の何がどうであるかではなく、自分が何をしてきて、その続きをなぜここでやりたいのかの順に組み替えます。
失敗3|活動の話が結果だけで終わる
大会で入賞した、生徒会長を務めた、といった結果だけを述べると、型B(活動の再現性)の評価材料になりません。要項が評価対象に挙げているのは、知識・技能に加えて思考力・判断力・表現力等、そして主体性を持ち多様な人々と協働しつつ学習する態度です。結果そのものではなく、そこに至る判断と協働の過程が見られています。
直し方:結果を言ったあとに、判断した場面を一つ足します。何が問題で、どの選択肢があり、なぜその選択をしたのか。この一往復があるだけで、話の性質が変わります。
失敗4|アドミッション・ポリシーの言葉をそのまま繰り返す
貴学のアドミッション・ポリシーにある主体性を持った人材に合致すると考えます、という答えは、ポリシーを読んだことは伝わりますが、それ以上の情報がありません。
直し方:ポリシーの語を引用するのではなく、ポリシーに対応する自分の行動を1つ挙げる形にします。言葉を返すのではなく、事実で応じます。
失敗5|逆質問が調べれば分かることになっている
最後に質問はありますかと聞かれて、学部の定員や時間割の質問をしてしまうと、募集要項を読んでいないことが伝わります。
直し方:逆質問は、自分が入学後にやろうとしていることの確認にします。たとえば、自分の関心分野を扱うゼミに何年次から参加できるか、といった聞き方です。何も浮かばなければ無理に質問せず、感謝を述べて終えても差し支えありません。
失敗6|分からないときに沈黙してしまう
想定外の質問で固まり、無言の時間が続くと、評価の材料そのものがなくなります。
直し方:その場で言える型を1つ決めておきます。少し考える時間をいただけますか、と断る。あるいは、正確には分かりませんが、と前置きしてから自分の考えを述べる。沈黙を避ける文型を持っておくこと自体が準備です。
失敗7|併願の状況を隠す、事実と違うことを言う
併願しているかを聞かれて、していないと答えたものの、話の流れで矛盾が出る——という崩れ方があります。併願そのものは制度上認められている行為なので、隠す必要はありません。
直し方:事実を述べたうえで、この大学を志望する理由を続ける構成にします。なお、学校推薦型選抜のうち合格した際に入学することを確約して受験する形式では、併願の扱いが募集要項で定められています。自分の受験区分でどう決まっているかを先に確認しておきましょう。
なお、緊張で体調が崩れる、眠れないといった状態が続く場合は、一人で抱えずに学校の先生や医療機関へ相談してください。
答えの組み立ては3層+3つの長さで用意します
答え方の型は、次の3層で固定できます。
- 結論(一文で答える)
- 根拠(いつ・どこで・何をしたかの事実と、数字や固有名詞)
- 接続(それが大学での学びとどうつながるか)
この順番にしておくと、途中で時間が足りなくなっても、いちばん伝えたい部分は先に出ています。逆に、背景から話し始めて結論が最後に来る組み立ては、時間が切られたときに何も伝わりません。
3つの長さを用意しておく
同じ内容を、おおよそ30秒・60秒・90秒の3つの長さで話せるようにしておきます。集団面接で時間が分割されるときは短い版、個人面接で掘り下げられるときは長い版、と切り替えます。長さを変える練習は、原稿を書き直すのではなく、3層のうちどこを厚くするかを決めるだけで足ります。
- 30秒版:結論+根拠を一つ
- 60秒版:結論+根拠二つ+接続
- 90秒版:結論+根拠二つ+接続+今後の計画
声に出して録る
黙読だけで準備を終えると、本番で語尾が伸びたり、同じ接続詞を繰り返したりします。録音して聞き返すと、自分では気づかない癖が分かります。聞き返すときは内容ではなく、速さ・間・語尾の3点だけを見ると短時間で終わります。
想定問答を紙に書き出しながら進めたい場合は、面接対策を1冊にまとめた本を軸にすると、型の確認と書き込みを同じ場所で行えます。
残り日数別・10月からの練習メニュー
面接までの残り日数によって、やるべきことの優先順位は変わります。4区分で整理します。
残り21日以上ある場合
- 提出書類のコピーを用意し、4ステップで質問リストをつくる(この段階で百問規模になります)
- 質問を5類型に仕分け、薄い型を活動報告書・学修計画書から補う
- 質問ごとに素材を3つ書き出す(答えの文章は書かない)
- 週に2回、声に出して通しで答える
この時期は、素材を増やすことに時間を使います。話し方の練習は後半で足りますが、素材づくりは直前には間に合いません。
残り14日前後
- 5類型の空欄を埋め切る
- 志望校の募集要項を読み直し、形式(個人・集団・プレゼン・口頭試問・オンライン)を確定する
- 形式に合わせた通し練習に切り替える。集団面接なら短い版、プレゼンなら時間を計る
- 学校の先生に依頼して、第三者から質問してもらう機会を1回つくる
残り7日前後
- 型ごとに代表質問を4問ずつ、計20問を通しで答える
- 当日の動線(集合時刻、試験場、所要時間、持参物)を紙に書き出す
- オンライン実施なら、当日と同じ機器・同じ場所で接続を確認する
- 答えの言い回しを増やすのはここで止め、既にある素材の確認に切り替える
前日・当日
- 提出書類を読み返す(面接官が見ているのはこれです)
- 話す速度を落とす意識だけ持つ。内容の追加はしない
- 遅刻・不具合が起きたときの連絡先を控える
- 睡眠を優先する
直前チェックリスト
- [ ] 提出した書類のコピーを読み返した
- [ ] 志望理由を30秒版で言える
- [ ] 高校での活動を、判断の場面まで含めて話せる
- [ ] 志望分野について、自分の言葉で説明できる
- [ ] 卒業後の方向を一文で言える
- [ ] 併願を聞かれたときの答えを決めてある
- [ ] 逆質問を1つ用意した(不要なら述べない判断もしてある)
- [ ] 分からないときの前置きの文型を決めてある
- [ ] 面接の形式・所要時間を募集要項で確認した
- [ ] 集合時刻・試験場・持参物を確認した
小論文が併せて課される選抜区分では、面接の準備と素材が共通します。書く側の準備は大学受験の小論文対策はいつから?進め方と練習の手順にまとめています。
面接前に募集要項で確認する6項目
面接対策の情報を集める前に、志望校の募集要項で次の6項目を確認してください。ここが決まらないと、練習の形が決まりません。
- 面接の形式(個人/集団/グループディスカッション/プレゼンテーション/口頭試問)
- 所要時間(1人あたりの時間、プレゼンの持ち時間)
- オンライン実施の有無と、必要な機器・通信環境の条件
- 持参物(受験票、筆記用具、提出書類の控え、資料の要否)
- 集合時刻と試験場(学部ごとに会場が違うことがあります)
- 合格発表日と、その後の手続きの期限
日程の前提も押さえておきましょう。実施要項によると、2027年度入試の総合型選抜は入学願書の受付が令和8年9月1日以降、その判定結果の発表は令和8年11月1日以降と定められています。学校推薦型選抜は入学願書の受付が令和8年11月1日以降、判定結果の発表は令和8年12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前まで(共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)とされています。
つまり10月上旬は、総合型選抜の面接が実施される時期であると同時に、学校推薦型選抜の校内選考と出願準備が動く時期です。学校推薦型選抜の日程の考え方は学校推薦型選抜の日程はいつ?2027年度入試の流れで確認できます。
また、要項は面接による評価を行う際に、入学志願者の障害等の特性に配慮することも定めています。体調や特性の面で配慮が必要な場合は、直前ではなく早めに大学の入試担当窓口へ相談してください。
面接で大学の印象を聞かれることに備えて、オープンキャンパスで見た内容を思い出しておくのも有効です。何を見ておくべきかは大学のオープンキャンパスで確認することリストにまとめています。
筆者の判断基準
面接準備の情報は大量にあります。何を先に見るかの優先順位を、編集上の判断として3点示します。
1. 質問例集より先に、志望校の募集要項を読む。 形式・時間・オンラインの有無が分かるまで、練習の形が決まりません。東京未来大学のように面接担当者の人数まで公表している例も、武蔵野大学のように学科ごとに形式が違う例もあります。一般論の記事を10本読むより、志望校の要項1本を読むほうが得られる情報は多くなります。
2. 模範回答を集めるより、自分の書類を読み返す。 要項が志願者本人の記載する資料を必ず評価に活用すると定めている以上、面接官の手元にあるのはあなたの書類です。深掘り質問の出所が決まっているなら、そこから逆算するのが最短です。
3. 面接の有無を過年度の情報で判断しない。 2027年度入試から総合型選抜・学校推薦型選抜では面接による評価を行うことが原則になり、導入が難しい選抜区分にも令和11年度大学入学者選抜までという期限が置かれました。前年までの受験情報をもとに面接なしと考えていると、準備が遅れます。
この3点は合否を保証するものではありません。限られた時間をどこに置くかを決めるための、優先順位の考え方です。
よくある質問
Q. 模範回答を丸暗記するのは避けたほうがいいですか?
暗記そのものが問題なのではなく、暗記した文章しか持っていない状態が崩れやすいという問題です。面接は一問一答で終わらず、同じ話題を続けて掘られます。暗記した一文を言い終えた後に続きが出てこないと、そこで止まってしまいます。文章ではなく、事実・数字や固有名詞・自分の判断という3つの素材で覚えておくと、質問の言い回しが変わっても組み立て直せます。
Q. 答えに詰まってしまったときはどうすればいいですか?
無言で固まるより、その場で使える文型を持っておくほうが安全です。少し考える時間をいただけますか、と断ってから考える。あるいは、正確には把握していませんが、と前置きしてから自分の考えを述べる。どちらも事前に決めておけば、本番で判断する必要がなくなります。分からないことを分からないと述べるのは、事実と違うことを述べるよりも整合的な対応です。
Q. 併願していることを聞かれたら、正直に答えていいですか?
併願の有無は面接で扱われる代表的な確認事項の一つで、質問例として挙げている大学向けの解説も多くあります。事実を述べたうえで、その大学を志望する理由を続ける形にすると、話が矛盾しません。ただし、学校推薦型選抜のうち合格した際に入学することを確約して受験する形式では、併願の扱いが募集要項で定められています。自分の受験区分のルールを募集要項で確認したうえで答えてください。
参照した公式情報(2026年9月24日取得)
いずれも2026年9月24日に取得し、2027年度入試(令和9年度大学入学者選抜)に関する記述を確認しました。制度・日程・選抜方法は変更されることがあるため、出願・受験の際は必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。
- 文部科学省 令和9年度大学入学者選抜実施要項(令和8年5月27日付け8文科高第318号 文部科学省高等教育局長通知。総合型選抜・学校推薦型選抜における面接による評価、非公募型のただし書き、オンライン試験実施時の配慮、出願受付と合格発表の時期、備考の経過措置)
- 文部科学省 大学入学者選抜関連情報(実施要項の所在と関連通知の一覧)
- 東京未来大学 総合型選抜(2027年度総合型選抜の集団面接・個人面接の実施人数、評価の観点)
- 武蔵野大学 総合型選抜Ⅰ期(面接型)(2027(令和9)年度入試の面接・口頭試験の時間、通信制学科のオンライン実施、グループディスカッションの実施学科)
- 横浜市立大学 総合型選抜(2027年度総合型選抜の2次選考で課されるプレゼンテーション)
まとめ:質問例を覚えるのではなく、自分の書類から逆算する
大学の面接で聞かれる質問は、5つの型——志望理由の深掘り、活動の再現性、学問理解と口頭試問、将来像との接続、確認系と逆質問——に整理できます。型が分かれば、答えの材料をどこから持ってくるかも決まります。
そのうえで、提出した志望理由書に番号を振り、各文に「なぜ」「具体的には」「大学ではどうする」の3方向を当て、数字・固有名詞・断定語に印をつけ、出てきた質問を5類型に仕分ける。この4ステップで、自分専用の想定問答が百問規模でつくれます。答えは文章ではなく素材3つで持ち、結論・根拠・接続の3層、30秒・60秒・90秒の3つの長さで用意しておきます。
そして、2027年度入試からは総合型選抜・学校推薦型選抜で面接による評価を行うことが原則になりました。面接にはプレゼンテーションや口頭試問、オンライン実施も含まれます。まず志望校の募集要項で形式を確認するところから、準備を始めてください。


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