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JASSOの奨学金にはどんな種類がある?給付・第一種・第二種の違いと選び方
「奨学金を使いたいけれど、種類が多くてどれを選べばいいのかわからない」「第一種と第二種は何が違うの?」——大学や専門学校への進学を考え始めると、多くの家庭がぶつかる疑問です。
先に結論を書きます。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、もらう(給付型)/無利子で借りる(第一種)/有利子で借りる(第二種)の3つ。検討する順番もこのとおりです。この記事では3つの違いを表で整理したうえで、とくに迷いやすい第一種と第二種の違いを掘り下げ、家庭での決め方までまとめます。
金額の細かい条件は世帯収入・進学先・入学年度で変わるため、ここでは制度の性質と選び方に絞ります。数値は2026年8月29日にJASSO公式サイトで確認したものです。
3種類の違いを一覧で整理
| 種類 | 返還 | 利子 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| 給付奨学金 | 返還不要 | ― | 要件を満たせば「もらえる」支援。授業料等減免とセットで申し込む |
| 第一種奨学金 | 返還が必要 | 無利子 | 無利子で「借りる」。成績・家計の基準がある |
| 第二種奨学金 | 返還が必要 | 有利子 | 利子つきで「借りる」。第一種より利用しやすい |
ポイントは、給付型は返さなくてよい一方で、貸与型(第一種・第二種)は必ず返す義務があるということ。貸与型は「奨学金」という名前ですが、性質としては教育のための借入です。ここを最初に正しく理解しておくことが、あとで困らないための第一歩になります。
第一種と第二種の違いをもう一段くわしく
同じ「借りる」でも、条件はかなり違います。迷いやすいのはここなので、並べて比較します。
| 第一種奨学金 | 第二種奨学金 | |
|---|---|---|
| 利子 | 無利子(返還額=借りた額) | 有利子。在学中は無利子で、貸与終了後に利子がつく |
| 利率 | ― | 年3.0%が上限。貸与終了月に決定 |
| 利率の方式 | ― | 申込時に利率固定方式(返還終了まで同じ)か利率見直し方式(おおむね5年ごとに見直し)を選ぶ |
| 基準 | 成績・家計とも基準が厳しめ | 第一種よりゆるやか。利用しやすい |
| 月額(大学・短大・専修学校専門課程) | 入学年度・通学形態などで定められた選択肢から選ぶ | 2万円〜12万円を1万円刻み(私立大学の医・歯学課程は+4万円、薬・獣医学課程は+2万円の増額あり) |
| 給付型との併用 | 併用すると第一種の月額上限が制限される | ― |
覚えておきたいのは次の2点です。
1. 第二種は「在学中は無利子」。利子が発生するのは貸与が終わってからで、そのときの利率が貸与終了月に決まります。上限は年3.0%で、一般的な民間ローンと比べれば低めに抑えられています。とはいえ借入であることに変わりはなく、借りた額に利子が上乗せされて返済総額が増える点は必ず押さえてください。
2. 給付型と第一種を併用すると、第一種の月額上限は制限されます。「給付ももらって第一種も満額」とはなりません。合計でいくら受け取れるかを、申込前に確認しておく必要があります。
給付奨学金:返さなくてよい「もらえる」支援
給付奨学金は、原則として返す必要のない奨学金です。JASSOでは、返還を要しない給付型奨学金と、授業料・入学金の免除または減額を組み合わせて、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の負担を軽くする制度として案内されています。
要件のポイントは2つあります。
- 家計基準:世帯収入の基準を満たしていることが前提です。加えて、2025年度からは多子世帯を対象に所得制限なく授業料等減免が行われる支援が始まっています
- 学力基準:JASSOは「成績だけで判断せず、しっかりとした『学ぶ意欲』があれば支援を受けることができる」と説明しています
返す必要がないぶん家計基準は貸与型より厳しめですが、まずは「わが家は対象になるか」を確認するのが最初の一手です。JASSO公式サイトのシミュレーションで早めに調べておきましょう。世帯の子どもの人数によって扱いが変わるため、多子世帯にあたる場合はとくに確認をおすすめします。
第一種奨学金:無利子で「借りる」タイプ
第一種奨学金は、利子がつかない貸与型です。借りた金額をそのまま返す形で、在学中も卒業後も利子は上乗せされません。貸与型の中では負担が軽く、希望者の多いタイプです。
ただし無利子であるぶん、成績や家計についての基準があり、誰でも希望どおりに借りられるわけではありません。毎月の貸与額は、進学先(大学・短大・専門学校など)や、自宅から通うか一人暮らしかによって定められた選択肢から選びます。月額の選択肢は入学年度によって異なるため、最新の金額は必ずJASSO公式で確認してください。
第二種奨学金:有利子で「借りる」タイプ
第二種奨学金は、利子がつく貸与型です。第一種より基準がゆるやかで、より多くの人が利用できます。大学・短大・専修学校(専門課程)の月額は2万円から12万円までを1万円刻みで選ぶ形で、私立大学の医・歯学課程は+4万円、薬・獣医学課程は+2万円の増額も用意されています。
利率は貸与終了月に決まり、上限は年3.0%。申込時に利率固定方式(貸与終了時に決まった利率が返還完了まで適用)と利率見直し方式(おおむね5年ごとに見直し)のどちらかを選びます。将来の金利がどう動くかは誰にも分からないので、返済計画を固定したいなら固定方式、金利が下がる局面に賭けるなら見直し方式、という整理になります。
「借りる」タイプは返済義務があることを忘れない
第一種・第二種のような貸与型は、卒業後に長い年月をかけて返していくことになります。「奨学金」という言葉の響きからもらえるお金と勘違いしてしまう人もいますが、実際には本人が背負う借入です。返還が滞ると延滞扱いになったり、連帯保証人・保証機関に影響が及んだりすることもあります。
だからこそ、借りる前に「いくら借りると、卒業後に毎月いくら・何年返すことになるのか」をイメージしておくことが大切です。JASSO公式サイトには返還シミュレーションが用意されているので、金額を決める前に一度試算しておきましょう。
上の本は、ファイナンシャル・プランナーが奨学金を「借りる前」の視点から解説した新書です。同じ額を借りても返し方で負担が変わることや、進学前に準備しておくべきことが整理されており、はじめて検討する保護者・高校生が全体像をつかむのに向いています。掲載内容は発行時点のものなので、金額や基準はJASSO公式とあわせて確認してください。
申込みには「予約採用」と「在学採用」がある
奨学金の申込みには、進学前に高校を通じて申し込む予約採用と、進学後に進学先を通じて申し込む在学採用があります。予約採用は進学前に採用の見込みが立つため、進学先を決める判断材料になります。
申込みのスケジュールや必要書類は年度ごとに決まっており、校内の締切は高校ごとに異なります。時期と手順は奨学金の予約採用はいつ申し込む?高校3年からの流れにまとめているので、申込の前にご確認ください。
種類の選び方:迷ったときの3ステップ
どの種類を選べばよいか迷ったら、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- まず給付型の対象かを確認する:返さなくてよい支援なので、対象になるなら最優先。多子世帯は所得制限なしの減免に該当する可能性もあります
- 足りない分を第一種(無利子)で検討する:貸与型の中では利子がなく負担が軽い。ただし給付型と併用する場合は月額上限が制限されます
- それでも不足する場合に第二種(有利子)を上乗せする:利用しやすいが、利子と返済総額に注意する
条件を満たせば第一種と第二種を組み合わせて借りる(併用)こともできます。大切なのは、「もらえるもの」「無利子で借りるもの」「有利子で借りるもの」を切り分け、借りる分はできるだけ必要最小限にすることです。
奨学金以外の公的支援もあわせて見ておきたい方は教育費の補助金にはどんな制度がある?、高校段階の授業料については高校無償化(就学支援金)の対象と申請の流れもご覧ください。
こちらは奨学金アドバイザーによるガイドで、申込みから返還までのよくある疑問をQ&A形式で解説しています。「もらう」「借りる」の両面を場面ごとに確認したい家庭に向いた一冊です。
筆者の判断基準
この記事を書いている立場から、家庭で決めるときの考え方を3つ挙げます。
1つ目は、金額から決めないこと。「月いくら借りられるか」から入ると、上限に近い額を選びがちです。先に「卒業後の返還を含めて、わが家はいくらまでなら背負えるか」の線を引き、その範囲で種類と月額を決める順番のほうが安全だと考えます。
2つ目は、第二種を「悪いもの」と決めつけないこと。在学中は無利子で、利率の上限も年3.0%です。第一種の基準に届かないからと進学自体をあきらめるより、必要最小限の第二種で進学して、在学中から返還を意識するほうが選択肢は広がります。
3つ目は、利率方式の選択を「なんとなく」で決めないこと。固定方式と見直し方式は、どちらが得かを事前に言い切れません。返済額を確定させて家計を組みたいなら固定方式、というように、得か損かではなく「自分が管理しやすいか」で選ぶのが現実的です。
よくある質問
Q. 第一種と第二種の一番の違いは何ですか?
利子の有無です。第一種は無利子、第二種は有利子です。第二種は在学中は利子がかからず、返還時の利率には年3.0%の上限が定められています。第一種のほうが負担は軽い一方、成績・家計の基準は厳しめです。
Q. 給付型と貸与型は同時に使えますか?
要件を満たせば組み合わせて利用できる場合があります。ただし、給付奨学金と併せて第一種奨学金の貸与を受ける場合は、第一種で借りられる月額の上限が制限されます。合計でいくら受け取れるかを、申込前にJASSO公式サイトや在学校で確認してください。
Q. 正確な金額や基準はどこで確認できますか?
日本学生支援機構の公式サイトで確認できます。月額の選択肢、家計基準、返還シミュレーションが用意されています。月額は入学年度によって異なるため、必ず自分が入学する年度のページを見てください。
参照した公式情報(取得日 2026年8月29日)
- 日本学生支援機構 奨学金の制度(給付・貸与):https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/index.html
- JASSO 給付奨学金(返済不要):https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/kyufu/index.html
- JASSO 第一種奨学金の貸与月額:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/taiyo/taiyo_1shu/kingaku/index.html
- JASSO 第二種奨学金の貸与月額:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/taiyo/taiyo_2shu/kingaku.html
- JASSO 第二種奨学金の利子・利率の算定方法:https://www.jasso.go.jp/shogakukin/about/taiyo/taiyo_2shu/riritsu_santei.html
制度内容・金額・基準は変更されることがあります。最新の正確な情報は、必ずJASSO公式サイトでご確認ください。
まとめ
JASSOの奨学金は、返さなくてよい給付型、無利子で借りる第一種、有利子で借りる第二種の3つが基本です。まず給付型の対象かを確認し、足りない分を無利子の第一種、さらに不足する場合に第二種——この順番で考えると、負担を抑えながら必要な資金を準備できます。
第一種と第二種の違いは利子です。第二種は在学中こそ無利子ですが、貸与終了後は上限年3.0%の利率がつきます。また、給付型と第一種を併用する場合は第一種の月額上限が制限される点も見落とさないでください。
貸与型は名前こそ奨学金ですが、返済義務のある借入です。借りる前に返還後の負担までイメージし、必要な金額を見きわめることが何より大切です。


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