中学受験の理科暗記が苦手|つまずく原因3つと分野別に変える覚え方

20260720_中学受験_理科の暗記が苦手 中学受験

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覚えることが多い理科。生物の名前、天体の動き、水溶液の性質に電気のはたらき——。「何度やっても覚えられない」「覚えたはずなのにテストで出てこない」と、理科の暗記に苦しむ子は多いものです。

理科の暗記がうまくいかない理由は、大きく2つあります。ひとつは、すべてを同じ丸暗記で乗り切ろうとしていること。もうひとつは、どこで止まっているのかを確かめないまま、覚える回数だけを増やしていることです。

この記事では、まず苦手の原因を3つに切り分け、次に生物・地学・物理・化学の分野ごとに覚え方を変える方法、自分で描く図と表の型、間違えた問題を暗記カードにする手順を順に整理します。

理科の暗記は丸暗記だと続かない

理科には、名前を覚えれば済む知識(生物の名称など)もあれば、仕組みが分からないと覚えられない内容(てこのつり合い、水溶液の変化など)もあります。全部を丸暗記で処理すると、理解が必要な単元でつまずきます。コツは、覚えるだけの分野と、理解してから覚える分野を分けること。覚えるだけの分野は触れる回数で、理解が要る分野は図とイメージで攻めます。

苦手の原因を3つに切り分ける

同じ「暗記が苦手」でも、止まっている場所は子どもによって違います。原因が違えば、最初の一手も変わります。

症状 止まっている場所 最初の一手
用語を読んでも何のことか説明できない 語の意味 用語を自分の言葉で言い換える
用語は言えるが、図を見ると答えられない 図と語のつながり 図を自分で描き、語を書き込む
家では言えるのに、問題になると出てこない 思い出す練習 隠して答える・問題の形で確かめる

語の意味が分からない

「蒸散」「中和」「でんぷん」のような用語を、音として覚えているだけの状態です。この段階で回数を重ねても、似た用語どうしが混ざっていきます。まずは教科書や塾のテキストの説明を、一文で言い換えられるかを確かめます。「蒸散=葉から水が水蒸気になって出ていくこと」のように言えれば合格です。

図と語がつながらない

用語は言えるのに、図や写真で問われると答えられない状態です。理科の問題は図とセットで出ることが多いため、ここで点を落としやすくなります。対策は、図を見て覚えるのではなく、自分で描いて語を書き込むこと。描き方の型は後の節で紹介します。

覚えても問題で出てこない

家で確認すると言えるのに、テストでは思い出せない状態です。読む・書き写すだけの復習は、「見れば分かる」状態を作るだけで、自分の頭から取り出す練習になっていません。答えを隠して言う、問題の形で聞かれる、という思い出す側の練習を増やします。

分野別・暗記法の変え方

理科の分野を、覚え方のタイプで整理すると次のようになります。

分野 タイプ 効く覚え方
生物(植物・人体・動物) 覚える知識が中心 関連づけ・仲間分け。分かれ道の図で整理する
地学(天体・気象・地層) 図とスケールが要 位置関係を図で把握。動きは自分で描いて確認
物理(力・電気・光) 理解が先 仕組みを理解してから、決まりを「なぜそうなるか」とセットで
化学(水溶液・気体・燃焼) 理解+暗記の両輪 反応の理由を理解しつつ、性質は表のマスで覚える

暗記と一括りにせず、分野ごとに手段を選ぶのがこの表の狙いです。

覚える順番は教科書の学年配列を借りる

どの単元から手をつけるか迷ったら、小学校の教科書の並びが手がかりになります。学校で扱う理科の内容は、小学校学習指導要領(平成29年告示)第2章第4節 理科に学年ごとに示されています。主な内容を分野別に並べると次のとおりです。

分野 第3学年 第4学年 第5学年 第6学年
生物 身の回りの生物 人の体のつくりと運動、季節と生物 植物の発芽、成長、結実、動物の誕生 人の体のつくりと働き、植物の養分と水の通り道、生物と環境
地学 太陽と地面の様子 天気の様子、月と星 流れる水の働きと土地の変化、天気の変化 土地のつくりと変化、月と太陽
物理 風とゴムの力の働き、光と音の性質、磁石の性質、電気の通り道 電流の働き 振り子の運動、電流がつくる磁力 てこの規則性、電気の利用
化学 物と重さ 空気と水の性質、金属、水、空気と温度 物の溶け方 燃焼の仕組み、水溶液の性質

中学受験塾の進度はこの順番どおりではありませんが、どの単元がどの単元の土台になっているかを見る地図として使えます。たとえば月と太陽で崩れているなら、その手前の月と星に戻る。水溶液の性質があいまいなら、物の溶け方から確かめ直す。苦手な単元の一つ前の学年に戻ると、覚える量を増やさずに理解の穴を埋められることがあります。

自分で描く図と表の型

図や表は、完成品を眺めるより白紙から自分で描くほうが、どこが分かっていないかがはっきりします。単元ごとに描き方の型を決めておくと、毎回迷わずに済みます。

月の満ち欠け|太陽・地球・月を上から描く

月は自分では光らず、太陽の光を反射して光っています。太陽・地球・月の位置関係によって、地球から見える光った部分が変わるのが満ち欠けの仕組みです(国立天文台暦計算室 暦Wiki 月の満ち欠け)。

描き方は次の3段階です。

  1. 紙の端に太陽の向きを矢印で描き、中央に地球、そのまわりに月を8か所描く
  2. 8か所すべての月で、太陽側の半分を塗る(どの位置でも塗る側は同じ)
  3. 地球から見たとき、塗った部分がどう見えるかを、それぞれの月の外側に小さく描く

太陽と同じ方向にある月が新月、反対側にある月が満月になることが、図の上で読み取れます。上弦と下弦の向きで迷う子ほど、この図を描き直す価値があります。

植物の分類|二択の分かれ道で描く

植物の仲間分けは、名前を並べて覚えるより、質問の分かれ道として描くと整理しやすくなります。

  • 種子をつくるか、つくらないか(つくらない=シダ植物・コケ植物など)
  • 種子をつくる植物のうち、子葉が1枚か2枚か(1枚=単子葉類、2枚=双子葉類)
  • 双子葉類のうち、花びらがくっついているか、離れているか(くっつく=合弁花、離れる=離弁花)

分かれ道の先に、イネ・トウモロコシ(単子葉類)、アサガオ・タンポポ(合弁花)、アブラナ・サクラ(離弁花)のように代表例を書き込みます。新しい植物が出てきたら、どの分かれ道で分かれるかを言えるかで確認します。

水溶液|性質を表のマスで覚える

水溶液は、一つずつ文章で覚えると混ざりやすい単元です。性質を表のマスに入れて、行と列で比べながら覚えます。

水溶液 性質 溶けているもの におい 水を蒸発させると
塩酸 酸性 気体 ある 何も残らない
炭酸水 酸性 気体 ない 何も残らない
食塩水 中性 固体 ない 白い固体が残る
石灰水 アルカリ性 固体 ない 白い固体が残る
アンモニア水 アルカリ性 気体 ある 何も残らない

表にすると、気体が溶けている水溶液は蒸発させると何も残らないといった、列どうしの関係が見えてきます。覚えるのは個々の答えではなく、この関係です。

描いた図は白紙から再現して確かめる

描いた図や表は、翌日に白紙から再現できるかで確かめます。手が止まった部分が、その子の弱点です。保護者は答えを教えるより、「ここは何が入る?」と聞き役に回るほうが、思い出す練習になります。

間違えた問題から暗記カードを作る手順

カードは教科書の内容を全部写すより、間違えた問題から作るほうが、苦手に直接効く1枚になります。

  1. 間違えた問題に、原因の記号をつける。語の意味なら「語」、図とのつながりなら「図」、思い出せなかったなら「出」と書く
  2. 原因ごとにカードの形を変える。語は表に用語、裏に一文の言い換え。図は表に図の一部を隠した写し、裏に答え。出は表に問題の問い方をそのまま、裏に答え
  3. 翌日、数日後、週末と間をあけて確かめる。一度言えても、すぐには抜かない
  4. 続けて言えたら抜き、言えなかったら元の図や表に戻る。カードで言えないものは、カードではなく理解の側に穴があります

カードの書き方や回し方そのものは、暗記カードの作り方|覚えやすい書き方と回し方のコツで詳しく整理しています。

スキマ時間で反復する仕組み

覚える系の知識は、短い時間に何度も触れるほど定着しやすくなります。天体や星座のように位置関係で覚えるものは、壁に貼った図で毎日目に入るようにすると、無理なく反復できます。次のお風呂ポスターは、天体の図を浴室で眺められるタイプです。

眺めるだけでは見れば分かる状態で止まりやすいため、白紙からの再現やカードと組み合わせて使います。浴室に貼る単元の選び方や、1回の時間の使い方は、中学受験の理科・社会をお風呂で暗記する|向く単元と1回5分の型で詳しくまとめています。

理解が要る単元は手を借りる

物理や化学のように理解してから覚える分野は、家庭だけで教えるのが難しいこともあります。仕組みがあいまいなまま暗記に走ると、問い方を少し変えられただけで解けなくなります。オンライン家庭教師なら、苦手な単元をピンポイントで相談できます。資料請求は無料なので、必要な単元だけ手を借りる選択肢として見ておくとよいでしょう。

計算の練習量や、家庭で使う問題集の選び方は、中学受験の理科、問題集の選び方|4分野と学年でしぼる1冊の決め方を参考にしてください。

筆者の判断基準

理科の暗記で手当てを選ぶとき、筆者は次の順番で考えます。

  • 回数を増やす前に、原因を見る。語の意味・図とのつながり・思い出す練習のどこで止まっているかで、やることが変わるため
  • 天体と水溶液は、言葉より先に図と表を描く。位置関係や性質の比較は、文章で覚えるほど混ざりやすいため
  • 間違いは、捨てずにカードにする。正解した問題より、間違えた問題のほうがその子の弱点を正確に示すため
  • 計算や仕組みの理解は、暗記の工夫で埋めない。分からない単元は、手前の学年に戻るか、人に教わる時間をとる

よくある質問

語呂合わせはやった方がいいですか

覚えるだけの知識(順番や記号など)には役立ちます。ただし、理解が必要な単元を語呂だけで乗り切ろうとすると、問い方が変わったときに対応できなくなります。語呂は、意味を説明できるようになった後の確認用として使うのが無難です。

覚えてもすぐ忘れます

一度で覚えようとせず、間をあけて何度も思い出すのがコツです。読み返すだけでなく、答えを隠して言う練習を入れましょう。それでも同じ所で忘れる場合は、語の意味か図とのつながりに穴がないかを確かめます。

理科全般が苦手で何から手をつければいいか分かりません

まず覚えるだけの分野(生物・地学の用語)から始めると、成果が見えやすく自信につながります。理解が要る物理・化学は、その後で単元ごとに取り組みましょう。社会の暗記も同時に進まない場合は、中学受験の社会が覚えられない|原因の切り分けと分野別の覚え方で原因の切り分け方を確認できます。

参照した公式情報(取得日)

まとめ:原因を見て、分野で覚え方を変える

中学受験で理科の暗記が苦手なときは、すべてを丸暗記でこなそうとしないこと。まず語の意味・図とのつながり・思い出す練習のどこで止まっているかを切り分け、そのうえで生物は分かれ道、地学は位置関係の図、物理・化学は理解を先にと、分野で手段を変えるのが近道です。間違えた問題はカードにして間をあけて確かめ、理解が要る単元は手を借りる。この使い分けで、理科の暗記はぐっと進めやすくなります。

スキマ反復に使えるお風呂ポスター

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