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「勉強しなさい」と言わないと机に向かわない。言っても、しぶしぶ、上の空。小学生の子どもの勉強のやる気に、多くの親が頭を悩ませています。
やる気は生まれつきの性格ではありません。やる気が出ないときは、たいてい原因が別のところにあります。難しすぎる、意味が分からない、疲れている、比べられている、ごほうびに慣れた。原因が違えば、効く手当ても変わります。
この記事では、まずやる気が出ない原因を5つに切り分ける方法を示し、そのうえでやる気に火をつける4つの型、学年別の関わり方、ごほうびと声かけの使い方、環境の整え方まで順番に説明します。いったんついたやる気を習慣として定着させる方法は、小学生の家庭学習を習慣化する方法で扱います。この記事は着火に絞ります。
結論|小学生の勉強のやる気は原因の切り分けから始める
やる気を出させようとして最初にやりがちなのが、声かけを変えることです。しかし、原因を確かめないまま声かけだけ変えても、空回りしやすくなります。
順番はこうです。
- 原因を切り分ける(今日の様子を4つの観察軸で見る)
- 原因に合った手当てをする(難易度を下げる・意味を渡す・休ませる、など)
- 着火の型を使う(小さく始める・見える化する・選ばせる・その場で認める)
- 習慣に渡す(時間と場所を固定し、やる気に頼らない形にする)
この記事は1〜3を扱います。4は別記事の担当です。なお、ここで紹介するのはあくまで関わり方の選択肢であり、どの子にも同じ効果が出ると約束するものではありません。
小学生の勉強のやる気が出ない5つの原因
やる気が出ない状態は、ひとつの症状に見えて中身が違います。よくあるのは次の5つです。
原因1|難しすぎる(今の学力と課題のズレ)
よく見られるのがこれです。開いた瞬間に分からない問題が並んでいると、子どもはやりたくないのではなく、入れない状態になります。特に算数は積み上げ式なので、前の学年の単元でつまずいていると、今の学年の宿題が急に重くなります。
見分け方は単純で、手が止まる場所が毎回同じ単元かどうかです。国語の漢字は進むのに算数の文章題だけ止まる、という偏りがあれば、やる気ではなく難易度の問題です。
原因2|意味が分からない(何のためにやるのかが空白)
なんで勉強するのと聞かれて答えに詰まったことがある親は多いはずです。子ども側から見ると、目的の分からない作業を毎日続けている状態になります。
国立教育政策研究所の令和7年度 全国学力・学習状況調査(児童質問・全国の小学校6年生)では、将来の夢や目標を持っていますかという質問への回答は次のとおりでした。
| 回答 | 割合(パーセント) |
|---|---|
| 当てはまる | 60.7 |
| どちらかといえば、当てはまる | 22.4 |
| どちらかといえば、当てはまらない | 10.3 |
| 当てはまらない | 6.6 |
裏を返せば、2割弱は夢や目標の実感が薄い状態です。目的が空白のままだと、勉強はやらされるものに固定されます。
原因3|疲れている(睡眠・生活リズムの乱れ)
夕食後にぼんやりしている、朝起きられない、週末に昼近くまで寝ている。これらが続いているなら、やる気ではなく体力と睡眠の問題です。
厚生労働省の e-ヘルスネットでは、米国睡眠医学会の推奨睡眠時間として小学生は9時間から12時間が示されており、日本のこどもの睡眠時間は平均すると推奨時間を下回るか下限付近だと説明されています。眠気をこらえたまま授業を受けている子は、家に帰ってから集中できる余力が残っていません。
原因4|比べられている(他人との比較で自信が削れている)
兄弟や友だちと比べられ続けると、子どもはどうせ自分はできないという前提を先に持ってしまいます。この状態では、やる前から結果が見えているので動く理由がありません。
同じ調査で、自分にはよいところがあると思いますかという質問への回答は次のとおりでした。
| 回答 | 割合(パーセント) |
|---|---|
| 当てはまる | 47.4 |
| どちらかといえば、当てはまる | 39.6 |
| どちらかといえば、当てはまらない | 9.1 |
| 当てはまらない | 3.9 |
当てはまらない側に回っている児童も一定数います。自己評価が下がっているときは、課題の難易度より先に、比較をやめることが手当てになります。
原因5|ごほうびに慣れた(外発的動機づけの目減り)
シールやおやつでうまくいっていたのに、最近は効かない。これはごほうびが悪いのではなく、ごほうびの基準が上がってしまった状態です。外から与える動機づけは、繰り返すほど同じ量では効かなくなります。ここで量を増やすと、さらに効かなくなる方向へ進みます。
5分でできる原因の切り分けチェック
原因を当てずっぽうで決めないために、次の4つの観察軸で今日の様子を見てください。宿題を1回見るだけで判定できます。
| 観察軸 | 見るところ |
|---|---|
| 手が止まる場所 | 特定の教科・単元で止まるか、どの教科でも止まるか |
| 所要時間 | いつもより長いか、開くまでが長いか、開いてからが長いか |
| 表情と体 | いらだちか、眠そうか、無表情か |
| 週内の偏り | 特定の曜日だけ崩れるか、毎日同じか |
観察結果と原因の対応は次のとおりです。
| 観察された様子 | 可能性の高い原因 | 最初の手当て |
|---|---|---|
| 特定の単元だけ手が止まる | 難しすぎる | 1学年前の同じ単元に戻す。今日の量を半分にする |
| どの教科でも開くまでが長い | 意味が分からない | 今日やる1問が何の役に立つかを一緒に言葉にする |
| 眠そう・夕方以降だけ崩れる | 疲れている | 就寝と起床の時刻を先に整える。勉強は朝に寄せる |
| 始める前に自分を否定する言葉が出る | 比べられている | 比較をやめ、前回の本人と比べる形に切り替える |
| ごほうびの話ばかりする | ごほうびに慣れた | 結果ではなく取り組みに対してだけ渡す形に変える |
1つに絞れないときは、疲れているを先に手当てしてください。睡眠不足は他の4つの原因を全部悪化させるので、最初に外しておくと判定が楽になります。
小学生の勉強のやる気に火をつける4つの型
原因の手当てが済んだら、動き出しの仕掛けを作ります。次の4つは、どれもその日から試せる着火の型です。
| 型 | やること | なぜ効くか |
|---|---|---|
| ①スモールゴール | 1ページだけ、1問だけと小さく始める | ハードルが低いと動き出せる |
| ②可視化 | できたことをシールや記録で見せる | 積み上がりが目に見えると続く |
| ③選択権を渡す | どっちからやるかを本人に選ばせる | 自分で決めるとやらされ感が消える |
| ④成功体験 | できた瞬間をその場で言葉にする | できたの実感がやる気を生む |
この4つの型の狙いは、やる気が出てから動くのではなく、動いたらやる気が出る順番を作ることです。人は、やる気が湧くのを待っていると動けません。小さく動き出せる仕掛け(①)と、動いたら認められる仕掛け(④)をセットにすると、やる気は後からついてきます。
型を使う順番と、1週間の回し方
4つを一度に入れると親の負担が大きく、続きません。おすすめは次の順です。
- 1日目から2日目: ①スモールゴールだけ。量を減らし、始められた事実を作る
- 3日目から4日目: ①に③選択権を足す。順番か場所のどちらかを選ばせる
- 5日目から7日目: ④成功体験を毎回入れる。終わった直後に、できた部分を具体的に言う
- 翌週から: ②可視化を足す。1週間分の記録を本人に見せる
②可視化を最後に回すのは、記録するものが無い段階で表を作っても、空欄がプレッシャーになるだけだからです。
学年別|小学生の勉強のやる気を出す関わり方
同じやる気を出す方法でも、低学年と高学年では効く関わり方が変わります。
低学年(1・2年生)|一緒にいる時間が動機になる
この時期は、勉強の中身よりも親がそばにいるかどうかが動く理由になります。隣で家事をしながらでも構わないので、同じ空間にいる形を作ってください。
- 量は終わりが見えるところまで。終わりが見えないと着手できません
- 丸つけはその場で。時間が空くと、できた実感が薄れます
- 音読や計算カードなど、声と体を使う課題から始めると入りやすくなります
中学年(3・4年生)|自分で決める範囲を渡す
学習内容が抽象的になり、得意と苦手の差が見えてくる時期です。ここで比較にさらされると、原因4に一気に傾きます。
- 順番・場所・時間帯のうち、1つは本人に決めさせる
- 苦手教科は、量ではなく1問あたりの難易度を下げる
- 図や実物に落として考える課題を混ぜ、抽象的な内容と現実をつなぐ
高学年(5・6年生)|目的と自己決定を扱う
高学年は、納得できない指示に強く反発します。同じ調査では、5年生までに受けた授業で課題の解決に向けて自分で考え自分から取り組んでいましたかという質問に、当てはまると答えた小学校6年生が29.1、どちらかといえば当てはまるが51.2でした(単位はパーセント)。自分で進める力は育ちつつあるので、親は管理役から相談役に移るほうが噛み合います。
- 学習計画は本人に立てさせ、親は無理がないかだけ確認する
- なぜやるのかを説明できる材料を渡す(進路・興味・将来の選択肢)
- 口出しは1日1回までと決め、残りは待つ
学年別の学習時間の目安をどう見るか
参考として、全国の小学校6年生の平日(月曜日から金曜日)の学校外学習時間の分布を挙げます。学習塾や家庭教師、インターネットを使って学ぶ時間を含む数値です。
| 平日の学校外学習時間 | 割合(パーセント) |
|---|---|
| 3時間以上 | 12.4 |
| 2時間以上3時間より少ない | 12.9 |
| 1時間以上2時間より少ない | 29.0 |
| 30分以上1時間より少ない | 27.3 |
| 30分より少ない | 12.8 |
| 全くしない | 5.6 |
最も多いのは1時間以上2時間より少ない層ですが、これは6年生の値であり、低学年の目安ではありません。分布を見る目的は、自分の子が平均から外れているかを気にするためではなく、今の量が本人にとって重すぎないかを判断するためです。時間を先に決めて量を後から詰め込むと、原因1に戻ります。
ごほうびと声かけ|外発的動機づけから内発的動機づけへ
ごほうびそのものは悪者ではありません。問題は、渡し方と、その後の橋渡しです。
ごほうびの3つの落とし穴
- 結果に対して渡す: 点数に対して渡すと、点が取れない日に動けなくなります
- 量を増やして解決しようとする: 効かなくなった分だけ増やすと、次はもっと必要になります
- 取り上げを罰として使う: ごほうびが人質になると、勉強そのものが嫌な記憶とつながります
橋渡しの4ステップ
外から与える動機づけを、本人の中の動機づけに寄せていく手順です。
- 取り組みに対して渡す: 点数ではなく、机に向かえた事実に対して渡す
- 言葉に置き換える: 物からシールへ、シールから言葉へ、段階的に軽くする
- 本人に評価させる: 今日はどこがうまくいったかを本人に言わせる
- 選択の幅を広げる: 何をどこまでやるかを本人が決める範囲を増やす
東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同研究による子どもの生活と学びに関する親子調査2021の関連プレスリリースでは、3年間で勉強する気持ちがわかない子が半数以上になり学習意欲は低下傾向にあること、学習方法の理解や授業の楽しさが意欲向上のカギであることが示されています。調査対象は小学4年生から高校3年生なので小学校低学年にそのまま当てはまるわけではありませんが、やり方が分かっていることが意欲につながるという論点は、ごほうびより先に扱う価値があります。
声かけの言い換え表
同じ目的を保ったまま、やる気を削らない言い方に置き換えられます。
| 削れやすい言い方 | 置き換え | 目的は同じ |
|---|---|---|
| 早くやりなさい | どれから始める | 着手をうながす |
| なんでできないの | どこまで分かった | つまずきを特定する |
| あの子はできてるよ | 前より速くなったね | 基準を示す |
| ちゃんと集中して | あと何問で休憩にする | 集中を持たせる |
| まだ終わらないの | 残りはどれくらい | 進捗を確認する |
やる気の着火には、できたを積みやすい教材も役立ちます。ゲーム感覚で問題に取り組め、正解するとポイントがたまるようなICT教材は、もう1問やりたいという気持ちを引き出しやすい設計になっています。資料請求は無料なので、選択肢として見ておくとよいでしょう。
小中生向け通信教育【デキタス】
勉強を始めるまでの摩擦を減らす環境設計
やる気を増やすより、始めるまでの手間を減らすほうが早い場面は多くあります。
場所|移動と準備を短くする
リビング学習が向く子と、個室が向く子がいます。判断軸は好みではなく、教材を出すまでに何アクション必要かです。教材が別の部屋の引き出しの奥にあるなら、それだけで着手が遅れます。よく使う教材は勉強する場所の手の届く範囲に置いてください。
座る場所の高さが合っていないと、姿勢が崩れて集中が続きません。椅子や机の具体的な選び方は小学生の勉強椅子おすすめ|身長別の座面高と失敗しない選び方にまとめています。
時間|やる気の高い時間帯に寄せる
疲れている時間に難しい課題を置くと、原因3と原因1が同時に来ます。難しい課題は朝か帰宅直後、簡単な課題は夜に振り分けると、同じ量でも負担が変わります。
道具|終わりを見せる
タイマーは、終わりを見せる道具として使えます。時間で区切ると、残り時間が見えるぶん着手しやすくなります。専用機とアプリの違いは学習タイマーはアプリと専用機どっち?判断軸7つと場所・学年別の選び方で比較しています。
小腹がすいた状態も集中を削ります。何をどのタイミングで出すかは勉強中のおやつの選び方|集中力の観点で決める種類・量・タイミングを参考にしてください。
最初の1問|必ず解ける問題を置く
宿題の1問目が難しいと、そこで止まります。前日にできた問題を1問だけ最初に置くと、開いてから手が動くまでの時間が短くなります。復習にもなるので、二重に効きます。
親がやりがちな逆効果の関わり方
よかれと思ってやっていることが、やる気を削っている場合があります。
比較|他人を基準にする
兄弟や友だちを引き合いに出すと、劣等感だけが残ります。基準にするなら、前回の本人です。
叱責|できていない部分から話す
できていない部分から入ると、子どもは防御に回ります。先にできた部分を具体的に言い、そのあとで次の1つだけを伝えるほうが届きます。
監視|隣で全部を見る
低学年には同席が効きますが、高学年で全問を見張ると、自分で決める余地が無くなります。高学年は、終わったあとに見る形に切り替えてください。
過干渉|先回りして段取りする
親が全部の段取りを決めると、本人は指示待ちになります。決める権限を1つ渡すだけでも、やらされ感は下がります。
習い事・ゲーム・睡眠との時間配分
やる気の話は、1日の時間配分の話でもあります。
睡眠|先に確保する
厚生労働省の e-ヘルスネットでは、こどもの4人から5人に1人が睡眠不足や夜型生活による起床困難、日中の眠気などの睡眠習慣の問題、あるいは何らかの睡眠障害を抱えていることが指摘されています。また、平日に比べて週末に3時間以上遅くまで寝ている場合は睡眠不足があると考えてよいとされています。
同じ資料では、早寝から始めるのではなく早起きから始めることがすすめられています。朝に明るい光を浴びてから約14時間後に眠気が訪れる仕組みがあるため、起きる時刻を先に固定するほうが、寝る時刻を動かしやすくなります。1か月以上続く強い眠気やいびきなどの症状があるときは、かかりつけの小児科医に相談してください。
ゲーム|取り上げではなく順番で扱う
ゲームを取り上げると、勉強がゲームを奪う存在になります。勉強のあとにゲームという順番を固定するほうが、衝突が減ります。時間で区切るより、区切りの良いところまでという合意のほうが守られやすい場合もあります。
習い事|週の総量を見る
習い事が週4日以上あると、家庭学習に回せる時間は実質的に限られます。やる気が出ないのではなく、時間が無いだけということもあります。曜日ごとに使える時間を書き出し、空いていない日は量を減らすと決めておくと、できなかった日の自己否定を防げます。
活字に触れる時間を作りたい場合は、勉強の代わりに読書を置く日を作る方法もあります。本の選び方は小学生の読書におすすめの本|学年別の選び方と続きが読みたくなるシリーズにまとめています。
やる気が戻らないときの相談先
家庭でできる手当てを一通り試しても変化がないときは、抱え込まずに相談してください。
担任の先生
学校での様子は家庭からは見えません。授業中の集中、友だち関係、特定教科のつまずきなど、家庭と違う情報が得られます。連絡帳や個人面談で、家庭での様子を具体的に伝えると話が早く進みます。
スクールカウンセラー
多くの小学校にはスクールカウンセラーが配置されており、保護者も相談できます。学習意欲の低下の背景に、友人関係や不安が関わっている場合に有効です。申し込み方法は学校によって違うので、担任か学校の窓口に確認してください。
教育支援センターや自治体の相談窓口
登校しぶりを伴う場合は、自治体の教育支援センターや教育相談窓口が使えます。医療的な相談が必要な場合は、かかりつけの小児科が入り口になります。
筆者の判断基準
この記事で紹介する方法は、次の5つの基準で選びました。
- 原因に対応しているか: やる気という言葉でひとくくりにせず、原因ごとに手当てを分けられること
- 今日から試せるか: 道具の購入や制度の利用を前提にしないこと
- 親の負担が増えすぎないか: 毎日続ける前提で、1日5分程度で運用できること
- 公的な資料で裏づけが取れるか: 生活リズムや学習時間の記述は、官公庁や研究機関の公開資料に当たれること
- 子どもの自己決定を減らさないか: 短期的に動かせても、決める権限を奪う方法は採らないこと
逆に、この記事で採らなかったのは、点数に連動したごほうび、他の子との比較を動機にする方法、罰による管理です。短期的に動く場面はありますが、原因4と原因5を強めるため、基準2と基準5に反します。
やる気の仕組みを知る一冊
子どものやる気を引き出したいなら、やる気そのものの仕組みを知っておくと、日々の関わりがぶれません。次の本は、やる気を科学的に分析し、小学生が勉強にハマる仕掛けを具体的に紹介しています。
よくある質問
ごほうびで釣るのは良くないですか
小さなごほうびは、動き出しのきっかけとしては使えます。ただし点数ではなく、取り組んだことに対して用意すると、結果に一喜一憂しにくくなります。慣れてきたら、物から言葉へ段階的に軽くしてください。
好きな教科しかやりません
まずは好きな教科で着火の型を体験させ、成功体験を積ませます。自信がついてから、苦手な教科に少しずつ広げるほうがうまくいきます。苦手教科は量ではなく、1問あたりの難易度を下げるのが先です。
やる気が続きません
やる気には波があるのが普通です。着火の型で火をつけたら、次は習慣化で続く仕組みを作ります。やる気だけに頼らず、時間と場所を固定して仕組みで支えてください。
何分やらせればいいですか
学年や課題によって変わるため、一律の正解はありません。判断の順番としては、時間を決めてから量を詰めるのではなく、今日終えられる量を先に決め、かかった時間を記録するほうが崩れにくくなります。
勉強しなさいと言わないほうがいいですか
言わないことが目的ではありません。指示の回数を減らし、そのぶん選ばせる回数を増やすと、同じ量でも反発が減ります。1日1回までと決めておくと運用しやすくなります。
反抗期に入って何を言っても聞きません
高学年で反発が強いときは、内容ではなく関わりの形を変えてください。管理役から相談役に移り、計画は本人に立てさせ、親は無理がないかだけ確認する形に切り替えます。それでも状況が変わらないときは、担任やスクールカウンセラーへの相談を検討してください。
参照した公式情報(取得日)
本文中の数値と記述は、次の公開資料に当たって確認しました。いずれも取得日は2026年9月18日です。
- 国立教育政策研究所 令和7年度 全国学力・学習状況調査 調査結果資料(小学校) — 回答結果集計(児童質問・全国−児童 国公私立)。集計対象は小学校6年生、児童数949,570人、学校数18,490校
- 厚生労働省 e-ヘルスネット こどもの睡眠 — 最終更新は2025年6月1日
- 東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所共同研究 子どもの生活と学びに関する親子調査2021 — 調査時期は2021年7月から9月、子ども14,642名・保護者20,471名
比べ方の注意
3つの資料は、対象も設計も異なります。1つ目は小学校6年生を対象とした全数調査、3つ目は小学4年生から高校3年生のモニター世帯を追うパネル調査、2つ目に出てくる推奨睡眠時間は米国睡眠医学会が示した推奨値です。年度も区分も違うため、数値を横並びにして比較することはできません。本文では、それぞれの対象と年度を添えて紹介しています。
まとめ:原因を切り分けてから、動いたらやる気が出る順番を作る
小学生の勉強のやる気は、性格ではなく原因と仕掛けで変わります。手順をもう一度整理します。
- 原因を切り分ける: 難しすぎる・意味が分からない・疲れている・比べられている・ごほうびに慣れた、の5つ。迷ったら疲れているから手当てする
- 着火の型を使う: スモールゴール、可視化、選択権、成功体験。1つずつ足していく
- 学年で関わりを変える: 低学年は一緒にいる、中学年は決める範囲を渡す、高学年は相談役に回る
- 摩擦を減らす: 場所・時間・道具・最初の1問を整え、始めるまでの手間を短くする
- 時間配分を見る: 睡眠を先に確保し、ゲームは順番で扱い、習い事の総量を確認する
それでも変化がないときは、担任やスクールカウンセラーに相談してください。やる気に火がついたら、次は小学生の家庭学習を習慣化する方法で、続く仕組みに渡す段階です。


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