高校生がスマホをやめて勉強する方法|設定と置き場所で集中を守る

20260720_高校生_スマホをやめて勉強する方法 勉強法・学習グッズ

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勉強しようと机に向かっても、気づけばスマホを手に取っている。5分だけのつもりが1時間――高校生にとって、スマホは勉強のいちばん身近な誘惑です。分かっていても、やめられないのがつらいところです。

でも、スマホがやめられないのは、あなたの意志が弱いからではありません。スマホは、通知や次々に流れてくる動画で「もう少しだけ」と思わせる仕組みを持っています。だから、意志の力で我慢しようとするのは、そもそも分の悪い戦い。勝つコツは、意志に頼らず、触れないための仕組みを作ることです。

この記事では、なぜ勉強中にスマホを触ってしまうのかを整理したうえで、置き場所・スマホの設定・夜の使い方・崩れたときの立て直し方まで、今日から組める仕組みを順番に紹介します。勉強時間そのものの作り方は高校生が勉強時間を増やす方法で扱っているので、この記事ではスマホの誘惑をどう断つかに絞ります。

高校生のネット利用時間はどれくらいか

まず、自分だけが特別に使いすぎているわけではないことを数字で確認しておきます。こども家庭庁の令和7年度の調査では、インターネットを利用している高校生の平日1日あたりの平均利用時間(スマホ以外の機器も合算)は次のとおりです。

調査年度 高校生の平均利用時間(分) 3時間以上の割合(%) 5時間以上の割合(%)
令和5年度 374.2 81.4 54.4
令和6年度 379.4 81.9 56.8
令和7年度 404.0 86.0 63.3

令和7年度の平均はおよそ6時間44分で、5時間以上使う高校生が6割を超えています。同じ調査で高校生の利用内容を見ると、動画視聴が95.3%、コミュニケーションが92.7%、検索・調べものが90.6%と上位を占め、勉強・習い事に使っている人も67.1%います。

ここで注意したいのは、この利用時間には勉強のための利用も含まれていることです。また、利用時間が長い人ほど成績が低いといったデータがあったとしても、それは相関であって、スマホが原因で成績が下がったと断定できるものではありません。もともと勉強が苦手で気晴らしが増えている、睡眠が削られている、といった別の要因も重なります。だからこの記事では、スマホを悪者と決めつけるのではなく、勉強する時間帯にだけ手が届かない状態を作ることを目標にします。

なぜ勉強中にスマホを触ってしまうのか

仕組みを作る前に、手が伸びる理由を3つに分けておきます。理由が分かれば、どの仕組みを当てればいいかが決まります。

触ってしまう理由 よくある場面 効く仕組み
通知が鳴る・光る LINEやSNSの通知で集中が途切れる 通知オフ・集中モード
習慣で手が伸びる 問題に詰まった瞬間、無意識にロックを解除 物理的距離・ロック容器
手元にあって気になる 机の上に置いてあるだけで意識が向く 別室に置く・親に預ける

通知は外から集中を切る引き金です。1回の通知を確認するだけのつもりでも、そのままSNSや動画に流れてしまうことが多いはずです。習慣は内側の引き金で、問題が難しくなったときや、ひと区切りついたときに、考える前に指が動きます。そして、手元にあること自体が気になりの元になります。画面が伏せてあっても、何か来ているかもと意識の一部がスマホに向き続けます。

3つとも意志で抑えようとすると消耗します。通知は設定で、習慣と手元の問題は置き場所で、それぞれ意志を使わずに断つのが近道です。

スマホを断つ5つの仕組み

次の5つを組み合わせると、スマホに邪魔されずに勉強できます。以降の節で、それぞれの具体的なやり方を説明します。

仕組み やること 狙い
①物理的距離 別の部屋・箱に入れて手の届かない場所へ 取りに行くひと手間が抑止になる
②通知オフ 勉強中は通知・音を切る 気を散らす引き金を消す
③時間制限・ロック タイマー式ロックや端末の制限機能を使う 触れない状態を先に決めておく
④代替行動 手持ち無沙汰を埋める別の行動を用意 つい触るを別の行動に置き換える
⑤ご褒美化 勉強後にスマホを解禁する 我慢でなく後の楽しみに変える

いちばん効きやすいのは①の物理的距離です。②の通知オフも、設定しておけば毎回の判断が要らなくなります。④の代替行動は、詰まったときに手を動かす先を決めておくことです。たとえば、分からない問題に印をつけて次へ進む、ノートに疑問を書き出す、水を飲みに立つ、など。スマホに伸びていた手を、勉強の流れを止めない行動に振り替えるのがポイントです。

物理的に離す方法

置き場所は、効き目の強い順に次の4つがあります。自分の家の事情に合わせて選んでください。

  • 別室に置く:勉強する部屋とは別の部屋で充電する。取りに行くには立ち上がって移動する必要があり、そのひと手間が、やっぱりいいかという気持ちを生みます。リビングの決まった場所を充電スペースにすると、家族にも分かりやすくなります。
  • 親に預ける:自分で決めた時間だけ、家族に預ける方法です。取り上げられるのではなく、自分から預けて、終わったら返してもらうという形にすると、揉めごとになりにくくなります。
  • タイマー式のロック容器に入れる:決めた時間が経つまで開かない容器にスマホを入れる方法です。家族に頼まなくても自分だけで完結し、開けたくなっても開かないので、意志を使わずに済みます。
  • スマホを置いて外で勉強する:自習室や図書館に行くとき、スマホをかばんの奥にしまうか、家に置いていく。周りが勉強している環境は、それだけで手が伸びにくくなります。

場面ごとの組み合わせの目安は次のとおりです。

勉強する場所 置き場所 設定
自室 別室で充電、またはロック容器 集中モードをオン
リビング 家族に預ける 通知オフ
自習室・図書館 かばんの奥、または家に置く 機内モード
就寝前 寝室の外で充電 おやすみ時間の設定

ロック容器を使う場合は、まず短い時間から始めるのがコツです。いきなり長時間ロックすると、連絡が気になって続かなくなります。勉強1コマ分から始めて、慣れたら延ばしていきましょう。容器の種類や選び方はタイムロッキングコンテナの選び方で詳しく比較しています。

スマホの設定でできること

置き場所と合わせて、スマホそのものの設定も変えておくと、手元に戻ったときにも誘惑が小さくなります。ここではメーカーの公式ヘルプに書かれている手順だけを紹介します(画面の名称は機種やOSのバージョンで異なる場合があります)。

iPhoneの集中モード

Appleの公式サポートによると、集中モードは通知を一時的にオフにしたり、特定の通知だけを許可したりできる機能です。

  1. 設定アプリを開く
  2. 集中モードをタップし、仕事やパーソナルなどの集中モードを選ぶ(勉強用にカスタムの集中モードを作ることもできます)
  3. 連絡先とアプリで、勉強中も通知を許可する相手とアプリを選ぶ(家族だけ許可する、など)
  4. スケジュールを追加で、勉強する時間帯に自動でオンになるよう設定する

ポイントは4のスケジュールです。毎回オンにするのを忘れても、決めた時間になれば自動で切り替わるので、判断そのものを減らせます。

Androidのフォーカスモードとアプリタイマー

Androidでは、Digital Wellbeingの機能を使います。Android ヘルプに書かれている手順は次のとおりです。

  • フォーカスモード:設定アプリ → Digital Wellbeing → フォーカスモードで、一時停止するアプリを選ぶ。オンの間はそのアプリを使えず、通知も届きません。スケジュールの設定で自動オンにもできます。
  • アプリタイマー:設定アプリ → Digital Wellbeing → アプリタイマーで、アプリごとに1日の利用時間を決める。上限に達するとアプリが終了し、アイコンがグレー表示になります。
  • おやすみ時間モード:夜の決まった時間に通知を止めたり、画面を暗くしたりできます。

なお、iPhoneのスクリーンタイムは、ファミリー共有を使うと保護者が利用時間の上限やスケジュールを管理することもできます。自分だけでは続かないときは、家族と相談して設定してもらう選択肢もあります。

設定より先にやること

どの設定も、解除しようと思えば解除できるという弱点があります。設定は②の通知対策として使い、本当に手が伸びてしまうときは①の物理的距離と組み合わせてください。設定は補助、置き場所が本体、と考えるとうまくいきます。

勉強にスマホを使う場合の線引き

スマホは勉強にも役立つ道具です。調べものや学習アプリ、英語のリスニングなど、使いたい場面もあるはずです。完全に断つのではなく、使う時間と断つ時間を分けるのが現実的です。線引きは次の3つを決めておくと迷いません。

  • 何に使うかを先に決める:辞書で引ける単語は紙の辞書や参考書で済ませ、スマホはリスニング音源の再生など用途を1つに絞る。
  • 使う時間を区切る:調べものは勉強の区切りでまとめて行う。分からないことが出たら、その場で検索せずにメモしておき、休憩前にまとめて調べる。
  • 勉強用の画面を分ける:ホーム画面の1ページ目を勉強に使うアプリだけにし、SNSや動画アプリはフォルダの奥に移す。集中モードとロック画面・ホーム画面を連動させる設定を使う方法もあります。

学習アプリを使うときも同じです。開いたアプリ以外に移らないことをルールにして、終わったらまた置き場所に戻しましょう。

睡眠と夜のスマホ

勉強中のスマホ対策と同じくらい大事なのが、夜のスマホです。厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することが推奨されています。そのうえで、デジタル機器は寝室に持ち込まず、電源を切って別の部屋に置くこと、寝そべりながらの使用は画面が近くなり寝つきや睡眠の質の悪化につながることが示されています。

同じガイドでは、就寝時刻の先延ばしを防ぐ工夫として、家庭での電子機器の使用に関するルールづくりが有効な場合があるとされています。また、良質な睡眠を適切な時間とることで集中力が増し、学習した内容も定着しやすくなると説明されています。夜にスマホで削った睡眠は、翌日の勉強の質にも響くということです。

夜のルールは、次のように決めると続けやすくなります。

  • 寝る時刻から逆算して、スマホを置く時刻を決める(起きる時刻から必要な睡眠時間を引く)
  • 充電場所をリビングなど寝室の外に固定する
  • 目覚ましはスマホ以外の時計に切り替える
  • おやすみ時間の設定や、集中モードの睡眠をスケジュールでオンにする

目覚ましをスマホにしていると、寝室に持ち込む理由が残ります。寝室に持ち込む理由を1つずつ消していくと、夜のスマホは自然に減っていきます。なお、スマホを置いても眠れない日が続く、日中の強い眠気が取れないといった場合は、生活習慣の工夫だけで抱え込まず、学校の保健室や医療機関に相談してください。

スマホを完全に敵にしない

⑤のように、勉強が終わったらスマホを解禁するご褒美にすれば、我慢ではなく前向きな動機になります。たとえば問題集を2ページ終えたら15分使う、のように量で区切って解禁すると、時間だけで区切るより勉強の中身が伴います。敵にして戦うより、味方につけつつ距離をコントロールする発想が長続きします。

うまくいかなかったときの立て直し方

仕組みを作っても、崩れる日はあります。大事なのは、崩れたこと自体を責めるのではなく、どこで崩れたかを見て仕組みを1つ足すことです。よくある崩れ方と次の一手をまとめます。

崩れ方 起きていること 次の一手
設定を自分で解除してしまう 解除までの手間が小さすぎる 物理的距離を足す(別室・ロック容器)
勉強中は守れるが夜に長く使う 夜のルールが無い 寝室の外で充電、目覚ましを別の時計に
休憩のつもりが戻れない 休憩の終わりが決まっていない 休憩前にタイマーをセットしてから触る
親に預けると揉める 取り上げられる形になっている 預ける時間と返す時間を自分で決めて伝える
数日続いたあとに元に戻る 最初の設定が厳しすぎる ロック時間を短くして、確実に守れる長さからやり直す

休憩中のタイマーは、アプリより専用機のほうがスマホを手に取るきっかけを作らずに済みます。タイマーの選び方は学習タイマーはアプリと専用機どっち?で整理しています。スマホを離しても集中が続かない場合は、勉強の区切り方や環境に原因があることもあるので、受験生の集中力が続かないときもあわせて確認してみてください。

筆者の判断基準

この記事で仕組みを並べるときに使った基準を開示します。

  • 意志を使う回数が少ないものを優先する。物理的距離とスケジュール設定は、一度決めれば毎回の判断が要らないため、上位に置きました。
  • 解除の手間が大きいものを本体にする。スマホの設定は自分で解除できるため補助の位置づけにし、置き場所やロック容器を本体にしています。
  • 公式に確認できる手順だけを書く。スマホの設定はAppleとGoogleの公式ヘルプに書かれている手順に限り、公的データはこども家庭庁と厚生労働省の公開資料から確認できた数値だけを載せています。
  • スマホを完全には否定しない。調査でも高校生の多くが勉強や調べものにネットを使っているため、使う時間と断つ時間を分ける線引きを示しました。

よくある質問

勉強中に調べものでスマホが必要なときは?

調べもの用と誘惑用を分けるのが理想です。辞書や参考書で済むものは紙で調べ、どうしてもスマホが必要なときは、疑問をメモしておいて勉強の区切りでまとめて調べましょう。使うときは集中モードをオンにしたまま、調べ終わったらまた置き場所に戻します。

親に取り上げられるのは嫌です。どうすればいい?

自分で預ける仕組みにするのがポイントです。預ける時間と返してもらう時間を自分で決めて伝える、あるいはタイマー式のロック容器で自分で管理すれば、取り上げられる感覚なく距離を置けます。家族には、何のために預けるのかを先に話しておくと協力してもらいやすくなります。

通知が気になって集中できません。

勉強中は通知をオフにするか、iPhoneなら集中モード、Androidならフォーカスモードを使いましょう。スケジュールで自動オンにしておけば、毎回設定する必要もありません。通知はまとめて後で確認するほうが、結局は効率的です。

まとめ:我慢でなく触れない仕組みを作る

高校生がスマホをやめて勉強するコツは、意志で我慢することではなく、触れない仕組みを作ることです。通知は設定で止め、習慣と手元の誘惑は置き場所で断つ。夜は寝室の外で充電し、崩れたら責めずに仕組みを1つ足す。そして完全に断つのではなく、勉強後のご褒美として使う時間を分けておく。意志力に頼らない仕組みさえ作れば、スマホに邪魔されずに集中できるようになります。

参照した公式情報(取得日)

本記事のデータと設定手順は、以下の一次情報で確認しています(取得日はいずれも2026年9月28日)。

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