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授業中は板書をきれいに写しているのに、テスト前に見返しても「で、ここは何が大事だったんだっけ?」となってしまう。そんな経験はないでしょうか。
原因はノートの字がきたないことでも、量が足りないことでもありません。ノートが「読み返す道具」になっていないことがほとんどです。
コーネル式ノートは、ページを3つに区切るだけで、ノートを「あとで自分に質問するための道具」に変えてしまう書き方です。この記事では、3分割の意味と具体的な書き方の手順、B5ノートで線を引くときのサイズの目安、教科ごとの使い分けまでを順番に説明します。
なお、ノートのまとめ方には他にもいろいろな型があります。コーネル式に限らずノート術全体を見比べたい方は、勉強ノートのまとめ方|あとで見返せる書き方と役立つ道具もあわせてご覧ください。
コーネル式ノートとは?3分割レイアウトの基本
コーネル式ノートは、アメリカのコーネル大学で学習指導にあたっていたWalter Pauk教授が考案し、著書『How to Study in College』で紹介したノートの取り方です。同大学のLearning Strategies Centerが、今も公式に手順を公開しています。
やることはとてもシンプルで、1ページを3つの領域に区切るだけです。
| 領域 | 位置 | 書くもの |
|---|---|---|
| ノート欄 | 右側の広いスペース | 授業や参考書の内容そのもの |
| キュー欄 | 左側の細い列 | あとから作る「質問」「キーワード」 |
| サマリー欄 | ページ下部の帯 | そのページを1〜3行でまとめた要約 |
コーネル大学が公開している原案では、レターサイズ(横8.5インチ)の用紙を前提に、キュー欄の幅を2.5インチ、ノート欄を6インチ、ページ下部のサマリー欄を高さ2インチとしています。
大事なのは書く順番が3つで違うという点です。ノート欄は授業中に埋めますが、キュー欄とサマリー欄は授業が終わったあとに埋めます。つまりコーネル式は、書く作業と考える作業を意図的に分ける仕組みになっているのです。
この「あとから質問を作る」というひと手間があるおかげで、ノートが読み返したときに手が止まる形になり、記憶に残りやすくなります。
コーネル式ノートの書き方5ステップ
コーネル大学が公開している手順は5つのステップに分かれています。日本の授業や自習にあてはめると、次のような流れになります。
ステップ1:記録する(授業中)
授業中に書くのはノート欄だけです。左のキュー欄と下のサマリー欄は空けたままにしておきます。文章として整える必要はなく、単語と矢印をつないだ電報のような短い書き方でかまいません。授業中にレイアウトまで気にすると手が止まってしまうので、ここは割り切ります。
ステップ2:質問を作る(授業後、できるだけ早く)
授業が終わったらノート欄を読み返し、左のキュー欄に質問の形でキーワードを書き込みます。「光合成」ではなく「光合成に必要な3つは?」というように、答えを言わせる形にするのがポイントです。
この作業は5分ほどで終わりますが、ここがコーネル式の中心です。質問を作ろうとすると、自分がどこを理解していないかが自然に浮かび上がってきます。
ステップ3:口に出して答える
右のノート欄を下敷きやプリントで隠し、左の質問だけを見て、答えを声に出して言ってみます。赤シートで単語を隠す暗記法と同じ要領ですが、隠す範囲がページの大半なので、単語ではなく「説明」を思い出す練習になります。
ステップ4:振り返る
「この事実はなぜ重要なのか」「すでに知っていることとどうつながるのか」を自分に問いかけます。ここまで来るとノートは単なる記録ではなく、考えを整理した跡になります。
ステップ5:定期的に見返す
コーネル大学の資料では、週に10分以上は過去のノート全体を見返すことがすすめられています。毎日長時間やる必要はありません。週末に10分だけ、キュー欄の質問を上から順に眺めていく、という形で十分続けやすくなります。
サマリー欄は、ステップ2の後かステップ4のタイミングで、そのページの内容を自分の言葉で1〜3行にまとめて書きます。ここが書けないページは、まだ理解が浅いページというサインになります。
B5ノートで線を引くときのサイズ目安と下準備
原案はレターサイズの用紙が前提なので、日本で一般的なB5ノート(およそ179×252mm)ではそのままの数字が使えません。比率をあてはめると、次あたりが目安になります。
- キュー欄の幅:左から5〜6cm
- サマリー欄の高さ:下から4〜5cm
- 残りがノート欄
きっちり測らなくても、左は指3本分、下は指4本分くらいの感覚で引いてしまって問題ありません。数字より、「毎ページ同じ位置に線がある」ことのほうが大切です。
下準備のコツは3つあります。
- 10ページ分まとめて線を引いておく:授業のたびに定規を出していると、それだけで面倒になって続きません
- 枠線はペン、本文はシャープペンシル:枠が消しゴムで消えないので、書き直しが気楽になります
- 上部に日付と単元名を書く欄を作る:あとで並べ替えたり探したりするときに効きます
ルーズリーフを使うと、あとから単元順に並べ替えたり、理解が浅いページだけ抜き出して復習したりできます。ルーズリーフでの管理のコツはルーズリーフ勉強法の始め方|整理が続く使い方と道具選びでくわしく紹介しています。
場面別の使い分け(授業・参考書・英単語・模試直し)
コーネル式は授業ノート専用の型だと思われがちですが、キュー欄に何を書くかを変えるだけで、いろいろな場面に応用できます。
授業ノート
板書と先生の口頭説明をノート欄に流し込み、休み時間か帰宅後にキュー欄を埋めます。先生が「ここテストに出るぞ」と言った箇所は、質問の形にして左に書き出しておくと、テスト前の見直しが速くなります。
参考書・問題集の読み込み
1章=1ページと決めて使います。ノート欄に要点を書き、キュー欄には「この章で新しく出てきた用語は?」といった問いを置きます。章末問題を解く前にキュー欄だけで自己テストすると、読んだつもりで終わるのを防ぎやすくなります。
英単語・古文単語
キュー欄に単語、ノート欄に意味と例文、サマリー欄にその日覚えた単語を並べて書きます。市販の単語帳と違って例文を自分で選べるので、教科書に出てきた形のまま覚えられます。
模試や定期テストの直し
これは特に相性のいい使い方かもしれません。ノート欄に正しい解法、キュー欄には「なぜ自分は間違えたのか」を質問形式で書きます。「符号を逆にしたのはなぜ?」のように書いておくと、次に同じ問題を見たときに自分のクセを思い出しやすくなります。模試の直し方全体の手順は大学受験 夏休みの模試復習方法|やり直し手順とノート術も参考になります。
コーネル式に向くノートの選び方
コーネル式は特別なノートがなくても、手持ちのノートに線を引けば今日から始められます。そのうえで、続けやすさを左右するポイントが3つあります。
1. 方眼罫だと線がまっすぐ引ける
横罫のノートでも問題はありませんが、5mm方眼だとマス目を数えるだけで毎ページ同じ位置に線が引けます。「左から10マス」と決めてしまえば定規すら不要になり、線引きの手間がぐっと減ります。
2. B5以上のサイズを選ぶ
キュー欄に5〜6cm取られるぶん、ノート欄は実質的に狭くなります。A5サイズだと書ける量が足りなくなりやすいので、B5かA4がおすすめです。
3. 差し替えたいならルーズリーフ
単元順に並べ替える、苦手なページだけ集める、といった使い方をするならルーズリーフ形式が便利です。綴じノートは時系列で残るので、授業の記録として残したい人に向いています。
まずは1冊、5mm方眼のB5ノートで試してみるのが手軽です。
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線を引くのがどうしても面倒、という場合は、コーネル式の罫線が最初から印刷されたリフィルを使う手もあります。次の商品はミニサイズのルーズリーフなので、授業ノートというよりは読書メモや持ち歩き用のメモに向いた大きさです。まず罫線の使い勝手だけ試してみたい、という段階の人向けの選択肢として考えてください。
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続かないときのつまずきとQ&A
質問欄がうまく埋まらない
よくあるつまずきです。無理に難しい問いを作ろうとせず、最初は見出しを疑問文にするだけで構いません。「江戸幕府の成立」→「江戸幕府はどうやって成立した?」で十分機能します。慣れてきたら「なぜ」「どうやって」の問いを増やしていきます。
全教科でやろうとして挫折した
コーネル式は毎回ひと手間かかるので、全教科でいきなり始めると負担が大きくなります。説明を思い出す必要がある教科(社会・理科・古文など)から1つ選んで始めるのが現実的です。計算練習が中心の教科は、模試直しのときだけ使う、といった割り切りでも効果は出やすくなります。
デジタルでもできる?
タブレットのノートアプリでも、3分割のテンプレートを作れば同じ形で運用できます。ただし手で書くほうが記憶に残りやすいという指摘もあるため、授業中だけ紙、整理はデジタル、といった組み合わせを試している人もいます。自分が続けやすいほうを選んでかまいません。
小学生でもできる?
サマリー欄まで含めた完全な形は小学生には負担が大きめです。まずは左に質問、右に答えの2分割から始めて、慣れてきたら下のまとめ欄を足す、という段階的な導入がなじみやすいでしょう。
まとめ
コーネル式ノートのポイントを整理します。
- ページをノート欄・キュー欄(左)・サマリー欄(下)の3つに分ける
- 授業中に書くのはノート欄だけ。質問とまとめは授業後に書く
- B5なら左5〜6cm・下4〜5cmが目安。線は10ページ分まとめて引いておく
- 週に10分、キュー欄の質問を見返す習慣がつくと定着しやすくなります
- 全教科ではなく、1教科・1週間から試す
きれいなノートを作ることが目的ではなく、あとで自分に質問を投げられる形にしておくことが目的です。まずは次の授業の1コマ分だけ、左に5cmの線を引いてみるところから始めてみてください。


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