本ページはプロモーションが含まれています
赤本の使い方はどう進める?解き直しと出題分析の手順
志望校の赤本を買ってはみたものの、「何年分をどう解けばいいのか」「解いたあと何をすれば力になるのか」がはっきりせず、机の上で止まったままになっていませんか。点数が出てしまうぶん、悪い結果を見るのが怖くて後回しになる人も少なくありません。
赤本(教学社の大学過去問題集)は、解いた回数よりも「解いたあとに何をしたか」で使い方の差が出やすい教材です。この記事では、高校生本人が今日から動けるように、解く前の準備・1回目の解き方・解き直し・出題分析という順番で、赤本の使い方を手順の形に整理します。何年分をどのシリーズで進めるかという配分の考え方や、つまずきやすい疑問への答えもあわせてまとめました。
赤本を解く前に確認したいこと
赤本がうまく回らないときは、たいてい次の3つのどれかで止まっています。解きっぱなしで次の年度に進んでしまう(同じ形式でまた同じ失点をします)、「5年分やった」と年数の消化が目的になる(振り返りが浅いまま量だけ増えます)、点数に一喜一憂して手が止まる(初回は届かない前提で、どこで何点落としたかを見るための1回目だと考えたほうが動きやすくなります)。この記事の手順は、この3つを避けることを狙って組み立てています。
そのうえで、いきなり1年分を解き始める前に、次の3点だけ先に決めておくと、そのあとの作業が迷わず進みます。
今回の1年分で「何を知りたいか」を決める
同じ1年分でも、「出題の全体像をつかむ」ために解くのか、「時間配分を試す」ために解くのか、「仕上がりを測る」ために解くのかで、振り返り方が変わります。赤本の版元である教学社も、公式の使い方案内で「志望校の出題内容を把握して受験勉強の方向性を定める」「弱点を浮き彫りにする」「時間配分や解く順番の戦略を立てる」という段階を示しています。最初の1年分は、点数を出すことよりも出題内容の把握に寄せると、気持ちの負担も軽くなります。
本番と同じ条件を再現できるようにしておく
試験時間、解答用紙、筆記用具、机の広さ。このうち特に効くのが解答用紙です。記述量の見当がつくかどうかで、答案の書き方は大きく変わります。赤本には解答用紙が付いている巻が多く、教学社の公式サイトでも一部の大学の入試問題や解答用紙をウェブで確認できるようになっています。コピーして使えるように、解く前に準備しておきましょう。
いつの赤本を、いつから使うかを決める
新年度版の赤本は、志望校によって書店に並ぶ時期が変わります。手元の版が古い場合や、そもそも購入時期を迷っている場合は、赤本2027はいつ出る?発売時期の目安と志望校タイプ別の逆算カレンダーで発売時期の考え方を確認してください。
また「そもそも今の実力で解き始めていいのか」で迷っているなら、大学受験で過去問を始めるタイミング|到達度で見極める基準に開始時期の判断基準をまとめています。この記事では、始めたあとの中身に絞って進めます。
赤本の使い方1|1回目は本番と同じ条件で通しで解く
準備ができたら、1年分を通しで解きます。ここでの狙いは点数ではなく、本番で起きることを先に起こしておくことです。
- 時間を計る:科目ごとに、試験時間そのままで計測します。途中で止めない、調べない、というルールだけ守ります。
- 解く順番を試す:大問1から順に解くのか、得意な大問から入るのか。1回目で試して、感触をメモしておきます。
- 見直しの時間を残す:終了5〜10分前に手を止めて見直す、という運用を1回目から試すと、本番で急に導入するより安定しやすくなります。
- 時間切れの続きは色を変えて解く:時間内に解けた部分と、時間外に解いた部分を分けておくと、あとで「実力不足」と「時間不足」を切り分けられます。
終わったら、その日のうちに採点まで済ませます。記述問題は自己採点が難しいので、「模範解答に含まれている要素をいくつ書けたか」を数える形にすると、あとで比べやすくなります。答案は捨てずに残しておいてください。次の手順で使います。
赤本の使い方2|採点後の解き直しが本体
赤本の使い方でいちばん差がつくのが、この解き直しです。解く時間と同じか、それ以上の時間をかけるつもりで取り組むと、次の年度の点数が動きやすくなります。
ミスを4つに分類する
失点した問題を、次の4つに仕分けます。分類してから対処法を決めると、「とりあえず全部復習する」より短い時間で回せます。
- 知識が抜けていた:用語・公式・単語・年号など。該当箇所を教科書や参考書に戻って確認し、単語帳や暗記ノートの側に追記します。
- 知識はあったが使えなかった:解法の引き出しに結びつかなかったケース。「この条件が出てきたらこの解法」という形で、条件と手順をセットでメモします。
- 時間が足りなかった:解ければ得点できた問題。時間配分と解く順番の問題なので、次回の作戦を書き換えます。
- 読み違え・計算ミス:設問条件の見落とし、符号ミスなど。起きた状況(焦っていた、下書きが雑だった)まで書き添えると、対策が具体的になります。
当日と翌週の2回、解き直す
解き直しは1回では定着しにくいので、間隔をあけて2回入れると安定します。1回目は採点した当日に、解説を読んだうえで白紙から書き直します。解説を見ながら写すのではなく、閉じてから自力で再現するのがポイントです。2回目は1週間ほどあけて、間違えた問題だけをもう一度解きます。ここで解ければ、その問題は一度手を離して構いません。
この「解き直しノート」の作り方は、模試の復習とほとんど同じ形で運用できます。ノートの型や回し方は大学受験の模試の復習方法|通年で回す解き直しノート術で詳しく整理しているので、模試と赤本で同じノートを共有すると管理が楽になります。
「解けなかった問題」より「取りこぼした問題」を優先する
合格ラインに近づくうえで効きやすいのは、難問を解けるようにすることよりも、本来は取れたはずの問題を落とさないようにすることです。上の分類でいえば3と4にあたります。まずここを潰してから、1と2の穴埋めに進む順番にすると、限られた時間でも得点が積み上がりやすくなります。
赤本の使い方3|出題分析メモで傾向を言葉にする
年度を重ねるほど価値が出るのが、出題分析のメモです。1年分解くごとに、次の項目を1ページにまとめていきます。
- 大問構成:大問がいくつあり、それぞれ何の分野か
- 設問形式:マーク中心か記述中心か、記述なら字数や解答欄の大きさ
- 時間配分の実績と理想:実際に各大問へかけた分数と、次回の目安
- 頻出分野:複数年で繰り返し出ている分野(英語なら長文のテーマ、数学なら単元、理科なら実験考察の型など)
- 難易度の体感:手が止まった大問と、その理由
3年分ほどたまると、「この大学は毎年ここで時間を使わされる」「この分野は毎年出る」といった傾向が、自分の言葉で見えてきます。赤本の巻頭には「傾向と対策」がまとめられていますが、それを読むだけで終えるのではなく、自分が解いた実感と突き合わせると、対策の優先順位を決めやすくなります。
このメモは、直前期にそのまま使えます。試験前日に読み返す資料を、夏や秋の自分が作っておくイメージで書き足していきましょう。
何年分・どのシリーズを使う?
「何年分やればいいか」に決まった正解はありません。赤本に収録されている年数は大学・学部によって違いますし、志望順位や残り時間によっても妥当な量は変わります。目安としては、第一志望は手に入る範囲でできるだけ多く、併願校は直近の数年分で形式に慣れる、という配分から考えると組み立てやすくなります。
シリーズの役割分担も知っておくと選びやすくなります。教学社の大学別の赤本は「試験を丸ごと・全教科」掲載する構成で、本番の再現に向いています。一方、同じ教学社の「難関校過去問シリーズ」は、科目別・出題形式別に問題を並べたもので、公式サイトでは10〜25年分を掲載すると案内されています(2027年度受験用は東京大学・京都大学が25年分、他大学は15〜20年分と記載)。特定の分野を集中的に演習したいときや、演習量を増やしたいときに向いた構成です。
順番としては、まず大学別の赤本で全体像と時間配分をつかみ、弱点がはっきりしてから分野別の演習に移る流れが取り組みやすいでしょう。最初から分野別に入ると、本番の形式に慣れる機会が後ろにずれてしまいます。
共通テスト対策との配分も悩みどころです。2027年度(令和9年度)の大学入学共通テストは、大学入試センターの発表で本試験が2027年1月16日(土)・17日(日)と示されています。二次試験・私大入試との距離を逆算しながら、共通テストの比重が高い志望校なら共通テスト形式の演習を先に厚くする、といった調整が必要です。共通テストの過去問をどう進めるかは共通テスト過去問は夏休みから始めるべき?後悔しない使い方にまとめています。
赤本の使い方でよくある疑問
模試の復習と赤本の解き直し、どちらを優先しますか
時期によります。返却直後の模試は記憶が新しく、復習の効率が高い時期なので優先度が上がります。一方で、志望校の形式に特化した対策は赤本でしか進められません。模試は返却から1週間以内に片付け、それ以外の期間を赤本に充てるという住み分けにすると、どちらも止まりにくくなります。
赤本の解答と学校の先生の解答が違うときはどうしますか
過去問の解答例は、大学が公式に発表していない場合、出版社が作成したものです。特に記述・論述では複数の書き方があり得るため、模範解答と自分の答案が違っていても、直ちに誤りとは限りません。判断に迷う答案は、学校や塾の先生に見てもらうのが確実です。採点基準そのものが気になる場合は、大学が解答例や出題意図を公開していないか、志望校の公式サイトを確認してみてください。
2周目を解く意味はありますか
答えを覚えてしまうため、2周目は得点を測る用途には向きません。ただし、解法の再現ができるか、時間内に処理できるかを確認する用途では役立ちます。特に、1周目で「時間が足りなかった」に分類した問題は、2周目で時間内に解けるかを試す価値があります。
何点取れていれば合格に近いと言えますか
赤本には合格最低点が掲載されていることが多く、目安として使えます。ただし、年度による難易度の差や、共通テストとの配点比率、得点調整の有無によって見え方が変わるため、1回の点数で判断せず、複数年度の推移で見るほうが実態に近づきます。低い点数が出た年度は、上の4分類でどこに失点が偏っているかを確認してください。
まとめ
赤本の使い方は、次の3ステップに整理できます。
- 1回目は本番と同じ条件で通しで解く(時間・解答用紙・解く順番を再現する)
- 採点後の解き直しを本体にする(ミスを4分類し、当日と翌週の2回で潰す)
- 出題分析メモを1年分ごとに残す(大問構成・時間配分・頻出分野を自分の言葉で書く)
年数を増やすことより、1年分ごとの振り返りを丁寧にするほうが、次の1年分の点数につながりやすくなります。まずは手元にある1年分で、解答用紙を用意するところから始めてみてください。
【参考にした公式情報】
– 教学社「赤本の使い方」 https://akahon.net/public/featured/howto/
– 教学社「難関校過去問シリーズ」 https://akahon.net/public/featured/nankan/
– 大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト」 https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r9/index.html


コメント