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中学生の数学問題集おすすめ|つまずき別・レベル別に1冊を選ぶ方法
「数学だけがどうしても伸びない」「本人に問題集を選ばせたら、開かないまま棚に置かれている」。中学生のお子さんをお持ちの方や、自分で教材を探している中学生から、よく聞く悩みです。書店には数学の問題集が棚一面に並んでいて、表紙だけでは自分に合うかどうか判断がつきません。
数学は、ほかの教科より今どこでつまずいているかで選ぶべき1冊が変わりやすい教科です。同じ中学2年生でも、計算そのものが怪しい子と、計算はできるのに文章題で手が止まる子では、必要な問題集がまったく違います。
この記事は、人気順のランキングではありません。中学生向けの数学の問題集をつまずいている場所・学年・レベル・使う目的の4つで整理し、自分の状態から1冊を決める手順をまとめます。5教科全体のそろえ方ではなく、数学1教科にしぼってお話しします。
5教科をどう組み合わせて問題集をそろえるか、受験までの時期別の進め方を先に知りたい場合は、高校受験の問題集おすすめの選び方|教科別・レベル別・時期別のそろえ方を参考にしてください。
先に結論|つまずき×学年の早見表
迷ったら、まず次の表で今の状態に近いマスを探してください。どのマスも、最初の1冊は単元が細かく区切られた基礎の問題集から入るのが基本です。
| つまずき | 中1 | 中2 | 中3 |
|---|---|---|---|
| 計算 | 正負の数・文字式の反復ドリル | 式の計算+中1の計算に戻る | 展開・因数分解・平方根の反復ドリル |
| 文章題 | 一次方程式の立式を単元別に | 連立方程式の立式を単元別に | 二次方程式の文章題+中1・中2の立式 |
| 関数 | 比例・反比例を表・式・グラフで | 一次関数+中1の比例に戻る | y=ax²+中2の一次関数に戻る |
| 図形・証明 | 作図・空間図形の基礎 | 合同の証明を型から | 相似・円周角・三平方+中2の証明 |
表の右側ほど、前の学年に戻る指示が増えていることに気づくと思います。中学数学は積み上げの教科なので、学年が上がるほど、つまずきの原因が手前の学年にある可能性が高くなるからです。この先の見出しで、表の根拠と、各マスの具体的な選び方を順に説明します。
中学生の数学の問題集選びでつまずく3つの理由
問題集選びがうまくいかないとき、原因はだいたい次の3つのどれかです。
1. 学年だけで選んでしまう
中2だから中2用と、学年で選ぶのがいちばん多い選び方です。ところが数学は積み上げの教科で、中2でつまずく原因が中1の内容、ときには小学校の分数や割合にあることも珍しくありません。学年だけで選ぶと、原因の手前を飛ばした1冊を買ってしまいます。
2. 難易度が今の状態と合っていない
せっかく買うなら受験にも使えるものを、と考えて、いきなり入試レベルの問題集を選ぶケースです。最初の数ページで手が止まり、そのまま開かなくなってしまいます。逆に、すでに解ける計算ばかりの薄いドリルを選んでも、時間をかけたわりに手応えが残りません。
3. 冊数を増やしすぎる
不安になると教材を足したくなりますが、数学は1冊を繰り返すほうが定着しやすい教科です。何冊もあると今日はどれをやるかを決める手間が生まれ、どれも中途半端なまま終わりやすくなります。
中学数学は4領域の積み上げ|学年ごとの内容と対応表
中学校の数学で学ぶ内容は、文部科学省の学習指導要領でA 数と式、B 図形、C 関数、D データの活用の4つの領域に整理されています。学年が上がるにつれて、同じ領域の内容が少しずつ難しくなっていく構造です。
学年×領域の内容一覧
学習指導要領の本文から、学年ごとに扱う内容を領域別に並べると次のようになります。
| 学年 | 数と式 | 図形 | 関数 | データの活用 |
|---|---|---|---|---|
| 中1 | 正の数と負の数、文字を用いた式、一元一次方程式 | 平面図形(作図・移動)、空間図形 | 比例、反比例 | ヒストグラム・相対度数、多数回の試行による確率 |
| 中2 | 文字を用いた式、連立二元一次方程式 | 平行線と角の性質、図形の合同と証明 | 一次関数 | 四分位範囲・箱ひげ図、場合の数を基にした確率 |
| 中3 | 平方根、展開と因数分解、二次方程式 | 相似、円周角と中心角、三平方の定理 | 関数 y=ax² | 標本調査 |
なお、四分位範囲と箱ひげ図は平成29年の改訂で中学2年に加わった内容です(出典:文部科学省 平成29年改訂の小・中学校学習指導要領に関するQ&A(算数,数学に関すること))。保護者の方がご自身の中学時代の記憶で判断すると、範囲がずれていることがあります。
学年ごとの数学の授業時数も、学校教育法施行規則の別表で標準が決まっています。
| 学年 | 数学の年間授業時数(単位時間) |
|---|---|
| 中1 | 140 |
| 中2 | 105 |
| 中3 | 140 |
1単位時間は50分です。表のとおり、中2は中1・中3より数学の授業時数が少ない学年です。そのうえ中2には連立方程式・一次関数・証明という、次の学年の土台になる単元が集まっています。授業だけで定着しきらないまま中3に進みやすい学年なので、問題集で補う意味が大きいと考えられます。
この表を横に見ると、つまずきの連鎖も見えてきます。中1の文字式があいまいなまま中2の連立方程式に入ればつまずきますし、中1の比例・反比例が身についていないと中2の一次関数、中3の y=ax² まで引きずります。図形も、中2の証明の書き方でつまずいたまま中3の相似に進むと、記述問題がまるごと空欄になりがちです。
全国調査で見る、つまずきやすい領域
どの領域でつまずく生徒が多いのかは、全国学力・学習状況調査の結果からも読み取れます。令和8年度の調査では、中学3年生を対象に数学が実施され、全国(国公私立)の平均正答率は57.4%(16問中の平均正答数9.2問)でした。領域別に見ると次のとおりです。
| 学習指導要領の領域 | 対象問題数(問) | 平均正答率(%) |
|---|---|---|
| 数と式 | 5 | 68.1 |
| 図形 | 4 | 49.2 |
| 関数 | 3 | 55.3 |
| データの活用 | 4 | 53.8 |
問題の形式別では、記述式の4問の平均正答率が39.6%で、短答式(9問・64.6%)や選択式(3問・59.6%)を下回っています。
領域ごとの問題数は3〜5問と少なく、年度によって出題内容も変わるため、この数字だけで領域の難しさを決めつけることはできません。それでも、計算中心の数と式に比べて、図形や関数、説明を書かせる問題で点が落ちやすいという傾向は、問題集を選ぶときの目安になります。計算ドリルだけで終わらせず、図形・関数・記述に手当てできる1冊を早めに用意しておく理由はここにあります。
つまずき4分類の見分け方|計算・文章題・関数・図形
同じ数学が苦手でも、原因の場所によって合う問題集はまったく違います。直近の定期テストや模試の答案を広げ、×がついた問題を次の4つに分けてみてください。
計算でつまずいている
見分けるサイン:途中式で符号を落とす、分数や負の数の処理でミスが出る、時間がかかりすぎて最後まで解けない。
このタイプは、説明を読むより同じ形の計算を繰り返す量が効きます。1回分が短く、反復を前提に作られた計算ドリルが向いています。小学校の分数・小数まで戻ってやり直すことをためらわないでください。
計算は、理解というより手の慣れの領域です。分かっているのにミスするという場合も、多くは反復量の不足で説明がつきます。1日1ページでも毎日続けるほうが、週末にまとめて解くより定着しやすくなります。
文章題でつまずいている
見分けるサイン:計算問題は解けるのに、文章になると式が立てられない。答えを見れば分かるが、何をxとおくかが自分では決められない。
ここは、いきなり文章題を大量に解いても改善しにくく、何をxとおくかの型を単元別に確認し直すほうが早く進みます。単元が細かく区切られた基礎の問題集で、該当単元だけを抜き出してやり直すのが現実的です。
学年が上がっても同じシリーズで揃えられると、説明の書き方や記号の使い方が一貫するため、切り替えのストレスが減ります。
関数でつまずいている
見分けるサイン:式は覚えているのにグラフが書けない、グラフから式を読み取れない、変化の割合や傾きの意味を説明できない。
関数は、グラフと式と表の3つを行き来する単元です。式だけ、グラフだけを別々に練習していると、いつまでもつながりません。1つの問題で表・式・グラフの3つをそろえて書き出す習慣をつけると、中3の y=ax² まで見通しがよくなります。解説にグラフの図が多く載っている問題集を選ぶと、この往復がしやすくなります。
図形・証明でつまずいている
見分けるサイン:角度の計算はできるのに証明が白紙になる、仮定と結論を取り違える、根拠になる合同条件が書けない。
証明は、内容を理解していても書き方の作法を知らないと点になりません。仮定と結論を書き分ける、根拠となる条件を省かずに書く、といった型を、解答例を写すところから始めるのが近道です。解答の書き方まで省略せずに載っている問題集を選んでください。
データの活用も見落とさない
ヒストグラムや箱ひげ図、確率は、計算量が少ないぶん後回しにされがちな領域です。ところが先ほどの全国調査では、データの活用の平均正答率も数と式を下回っていました。用語の意味と、グラフから何が読み取れるかを言葉で説明する練習は、教科書準拠の問題集でまとめて扱える場合が多いので、定期テストの範囲に入ったタイミングで押さえておきましょう。
つまずいたときの戻り先|前学年の単元対応表
つまずきの分類ができたら、次はどこまで戻るかです。学習指導要領の内容を学年順に並べると、戻り先の候補は次のように整理できます。
| 今つまずいている単元 | 戻り先の候補 |
|---|---|
| 正の数と負の数(中1) | 小学校の分数・小数の計算 |
| 文字を用いた式(中1) | 小学校の割合・速さ、中1の正負の数 |
| 連立方程式(中2) | 中1の一元一次方程式・文字式 |
| 一次関数(中2) | 中1の比例・反比例 |
| 図形の合同と証明(中2) | 中2の平行線と角、中1の作図 |
| 確率(中2) | 中1の多数回の試行による確率 |
| 二次方程式(中3) | 中3の展開と因数分解、中1の一元一次方程式 |
| 関数 y=ax²(中3) | 中2の一次関数、中1の比例 |
| 相似・三平方の定理(中3) | 中2の合同と証明、中3の平方根 |
戻るときは、前の学年の問題集を最初から全部やり直す必要はありません。戻り先の単元だけを解き、7〜8割解けたら今の学年に戻るくらいの区切りで十分です。学年別に分冊されている基礎の問題集なら、必要な単元だけを抜き出しやすくなります。
中2の子が中1の巻から入り直すのは遠回りに見えますが、土台が抜けたまま先へ進むと同じところで何度もつまずくため、結果的に早く進むことが多いです。苦手単元の潰し方は、まとまった時間が取れる長期休みが狙い目です。学年ごとの具体的な進め方は、中2の夏休みで苦手を克服する勉強法でも紹介しています。
レベル別3段階の選び方|教科書基礎・標準・応用入試
つまずきの場所と戻り先が決まったら、次はレベルです。中学生向けの数学の問題集は、大きく3段階に分けられます。数学そのものに強い苦手意識がある場合は、その手前に入門の段階を置きます。
| 段階 | 向いている状態の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 入門 | 数学と聞くだけで手が止まる | マンガや図解が中心で、読み物として進められる |
| ① 教科書基礎 | 授業についていけていない | 1単元が見開き程度に細かく区切られている |
| ② 標準 | 授業は分かるがテストで落とす | 教科書レベルの演習量を積める |
| ③ 応用・入試 | 標準問題で失点しなくなった | 応用・記述・単元をまたぐ問題が中心 |
判定のしかたは、今の学年の問題集の基本問題を1ページ解いてみることです。半分以上が解けないなら①、基本は解けるが練習問題で止まるなら②、練習問題まで安定して解けるなら③が目安になります。書店で中を確かめられるなら、最初の1ページで6〜7割解けるものを選ぶと、続けやすさと手応えの釣り合いが取れます。
入門は、問題を解くことより、用語と考え方のイメージをつかむことが目的です。文字が詰まった問題集を前に固まってしまうお子さんには、まずこのタイプでハードルを下げると、机に向かう回数が増えやすくなります。
このタイプは演習量が少ないので、読み終えたら①の演習型へつなぐという使い方が前提です。これ1冊で定期テストの点を作るのは難しいと考えておきましょう。
①教科書基礎は、多くの中学生にとって最初の1冊になりやすい段階です。説明を読んで、その場で数問解いて次へ進む形式が中心で、1回分が短いぶん、今日はここまでの区切りがつけやすく、学習習慣そのものを立て直したいときにも向いています。
②標準は、教科書の例題レベルは解けるのに、テストになると練習問題や応用で点を落とす段階です。1単元あたりの問題数が多く、基本・練習・発展のように段階が分かれている問題集を選ぶと、どこで止まっているかが分かりやすくなります。
③応用・入試は、標準的な問題で失点しなくなってから手を出す段階です。方程式と関数、関数と図形のように、単元をまたいだ問題に慣れることが目的になります。順番を飛ばして買っても消化できないので、②まで固まってからで十分間に合います。
教科書準拠と非準拠の違いと使い分け
問題集を選ぶときに、もう一つ迷いやすいのが教科書準拠かどうかです。
| 種類 | 作り | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 教科書準拠 | 教科書会社ごとに単元の順番・例題の流れに合わせて作られている | 授業の予習・復習、定期テスト |
| 非準拠(学年別・単元別) | 学習指導要領の内容を出版社独自の順番で並べている | 苦手単元のやり直し、学年をまたぐ復習 |
| 非準拠(3年間・入試向け) | 中学3年分をまとめて、入試の出題に合わせて構成している | 総復習、受験対策 |
教科書準拠の問題集は、学校の授業とページの流れが一致するので、授業の翌日にその範囲を解くという使い方がしやすいのが利点です。購入するときは、お子さんの学校で使っている教科書会社を確認してから選んでください。教科書の表紙や裏表紙に出版社名が書かれています。
一方、つまずきを前の学年までさかのぼって直したいときは、非準拠の学年別・単元別の問題集のほうが使いやすくなります。教科書会社に関係なく、単元名から必要なページを探せるからです。定期テストは準拠、やり直しは非準拠と役割で分けると、2冊が重なりません。
定期テスト用と受験用を分ける基準
同じ数学の問題集でも、定期テスト用と受験用では求められるものが違います。
定期テスト用は、範囲が決まっていて、教科書の問題や配列に沿って出されることが多いテストに備えるものです。教科書準拠の問題集を軸に、テスト2週間前から範囲の問題を2周する、という運用がしやすくなります。
受験用は、3年分のすべての単元から、単元をまたいだ形で出題される入試に備えるものです。例えば東京都立高校の令和9年度の学力検査では、数学の検査時間は50分、各教科の満点は100点と定められています。限られた時間で3年分の内容を処理する力が要るため、中1・中2の総復習で穴を埋めたうえで、③の応用・入試レベルへ移る順番になります。
| 項目 | 定期テスト用 | 受験用 |
|---|---|---|
| 出題範囲 | 直近の授業範囲 | 中学3年分 |
| 軸にする問題集 | 教科書準拠 | 3年間の総復習→入試向け |
| 切り替えの目安 | 定期テストで平均点前後を安定させたい時期 | 学年の内容を一通り終えた時期 |
分ける基準は、定期テストの点が安定しているかどうかです。定期テストで半分以上を落としているうちは、受験用の問題集を足しても消化しきれません。まず定期テスト用の1冊で授業の範囲を固め、点が安定してから受験用に切り替えるほうが、結果的に受験準備も進みます。
中1・中2の段階で総復習を挟んでおくと、あとで戻る量が減ります。具体的な組み立て方は、高校受験は中1の夏から|夏休みの復習問題集の選び方と1日の量を参考にしてください。受験学年の時間の使い方については、高校受験 中3の夏休み勉強スケジュールの立て方と続けるコツもあわせてご覧ください。
1冊目と2冊目の判断|買い足し・買い替えのサイン
1冊目を買ったあと、次の1冊を足すか、別の1冊に替えるかで迷う場面があります。判断の目安は次のとおりです。
買い足してよいサイン
- 1冊目を2周し、印のついた問題がほとんど残っていない
- 定期テストで1冊目の範囲から出た問題を落とさなくなった
- 1冊目では扱っていない目的(受験用など)が新しく出てきた
買い替えを考えるサイン
- 解説を読んでも理解できない問題が、1ページに半分以上ある
- 1回分が長すぎて、毎回最後まで終わらない
- 2週間以上、一度も開いていない
買い替えのサインが出たときは、問題集の質よりレベルや分量が合っていないことが原因である場合が多いです。同じシリーズのひとつ下のレベルに替えるか、1回分の範囲を半分に区切って使い直してみてください。2冊目を足すのは、1冊目の役割を果たし終えてからで間に合います。
数学の問題集を選ぶときのチェックポイント
書店で実物を手に取れるなら、次の点を確認してみてください。ネットで買う場合も、目次やサンプルページが公開されていれば同じ観点で見られます。
解説が答えだけで終わっていないか。数学の問題集で大きく差が出るのがここです。独学で使うなら、途中式が省略されていない、なぜその式を立てるのかまで書かれているものを選びましょう。
1回分の分量が短く区切られているか。見開き1ページ、10分程度で終わる区切りがあると、続けやすくなります。
解答が別冊になっているか。本冊と解答を並べて確認できるかどうかで、丸つけの手間がかなり違います。
解き直しができる作りか。書き込み式は取り組みやすい反面、2周目がやりにくくなります。繰り返す前提なら、ノートに解く運用にするか、書き込み式を2冊使う方法もあります。
版が新しいか。学習指導要領の改訂後に出た版かどうかを、奥付や商品ページで確認しておくと安心です。中古を選ぶ場合はとくに注意してください。
英単語帳を選ぶときも、収録語数と今の学力の距離や、版の新しさといった観点で見ていくと選びやすくなります。英単語帳の選び方は、中学生の英単語帳おすすめ|定期テスト・高校受験・英検別の選び方で整理しています。英語も積み上げの教科で、中1でのつまずきをそのままにすると中2の文法で差が広がりやすくなります。英語のつまずく場所の見分け方は、中1で英語につまずくのはどこ?家庭でできる立て直し方でまとめています。
解き直しの回し方|印3段階と間隔
問題集は、買った時点では何も変わりません。1冊を仕上げる回し方の目安を挙げておきます。
1周目は印をつけながら解く。解けた問題に○、迷って解けた問題に△、解けなかった問題に×の3段階で印をつけます。この仕分けが、2周目以降の時間を大きく節約してくれます。
2周目は△と×だけを解く。全問やり直す必要はありません。1周目から数日あけて解き直すと、解き方を覚えているだけなのか、本当に身についたのかを見分けやすくなります。
3周目は2周目でも×だった問題だけ。1〜2週間あけて解きます。ここでまだ解けない問題は、ノートに集めます。数学の場合、書き写すのは問題と模範解答ではなく、どこで詰まったかと、その一手を思いつくための手がかりにすると、見返したときに役立ちます。
1日の分量の逆算表
1日の量は、仕上げたい日から逆算すると決めやすくなります。目安として、期間の前半で1周目を終え、後半を2周目・3周目に充てる配分で計算すると次のようになります。
| 総ページ数(ページ) | 仕上げまでの日数(日) | 1周目に使う日数(日) | 1周目の1日の量(ページ) |
|---|---|---|---|
| 80 | 60 | 30 | 3 |
| 120 | 60 | 30 | 4 |
| 120 | 90 | 45 | 3 |
| 160 | 90 | 45 | 4 |
ページ数は割り切れない場合に切り上げています。2周目以降は印のついた問題だけなので、1日の量は1周目より軽くなります。少し物足りないと感じるくらいから始めるのが続けるコツです。学習計画そのものの立て方に迷っている場合は、高校受験の夏休みは何から始める?後悔しない学習計画の立て方が参考になります。
保護者が見るポイント
問題集を買ったあと、保護者の方がすべての問題を確認する必要はありません。次の3点を見るだけで、うまく回っているかどうかが分かります。
- 印がついているか:○△×の印がなく、丸つけだけで終わっているなら、2周目の対象が決まっていません
- 途中式が書かれているか:答えだけが並んでいる場合、どこで間違えたかを本人も確かめられません
- ×の問題に戻った跡があるか:解き直しの日付や、2回目の答えが書き込まれていれば、回し方が機能しています
声をかけるときは、何ページ進んだかより、どの問題が解けるようになったかを聞くほうが、本人が手応えを言葉にしやすくなります。
筆者の判断基準
数学の問題集を1冊に絞るとき、筆者は次の順番で判断することをおすすめしています。
- 答案の×がどの領域に集まっているかを先に確かめる(計算・文章題・関数・図形)
- その単元の戻り先の学年まで下りたうえで、最初の1ページで6〜7割解けるレベルを選ぶ
- 定期テストが近いなら教科書準拠、やり直しが目的なら非準拠の学年別・単元別にする
- 2周できる分量かを確かめる。仕上げたい日までに2周できないなら、もっと薄い1冊にする
知名度や人気順で選んだ1冊より、この4つに当てはまる1冊のほうが、最後まで使い切れる可能性が高いと考えています。
よくある質問
数学の問題集は何冊そろえればいいですか?
同時に進めるのは1冊で十分です。基礎の1冊をやり切ってから、必要に応じて標準・応用を足していく形が無理のない進め方です。冊数を増やすより、1冊を3周するほうが結果につながりやすくなります。
前の学年までさかのぼるべきでしょうか?
計算や文字式の段階で怪しさを感じるなら、さかのぼったほうが結果的に早く進みます。戻り先の単元対応表を参考に、1つ前の学年の該当単元だけをピンポイントで戻る形でも構いません。
学校の教科書ワークだけでは足りませんか?
定期テストの点を維持するだけなら、教科書ワークを繰り返すだけでも成立します。ただし、苦手単元をさかのぼって埋めたい場合や、入試レベルの問題に慣れたい場合は、目的に合った別の1冊が必要になります。
まとめ
中学生の数学の問題集は、学年や知名度で選ぶより、つまずいている場所・戻り先の学年・レベル・使う目的で絞り込むと決めやすくなります。
- つまずきは計算・文章題・関数・図形の4つに分け、答案の×で確かめる
- 学年が上がるほど、原因は前の学年にあることが多い。戻り先の単元だけをやり直す
- 最初の1ページで6〜7割解けるレベルを選び、定期テストは準拠、やり直しは非準拠で分ける
- 1冊を○△×の印で3周し、仕上げたい日から1日の量を逆算する
まずは基礎の単元別の問題集を1冊決めて、3周する。その1冊を仕上げた実感が、次の1冊を選ぶときの判断基準にもなっていきます。
数学の手応えは、教材をそろえた日ではなく、同じ問題を解き直せた日から変わっていきます。少ない量からで構わないので、今日の1ページを始めてみてはいかがでしょうか。
参照した公式情報(取得日)
以下は2026年10月9日に確認した情報です。


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