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小学生の学習アプリに効果はある?向く子・紙との使い分けと続け方
「学習アプリで本当に力がつくの?」「気づいたら遊んでいた」。タブレットやスマホで学べる学習アプリは、丸つけが自動でゲーム感覚で取り組める一方で、効果がはっきり見えにくい教材でもあります。
この記事では、小学生の学習アプリの効果について、公的な調査で分かっていることと分かっていないことを分けて整理します。そのうえで、効果が出やすい使い方と出にくい使い方、紙のドリルとの使い分け、学年別の向き不向き、目の健康の目安、親が確認しておきたい記録までをまとめました。読み終えるころには、わが家でアプリをどう位置づけるかを判断できるはずです。
結論|学習アプリの効果は、アプリそのものより使い方で決まる
先に結論をまとめます。
- 効果があるかどうかは、全国規模の調査でも断定されていない: 公表されているのは、ICT機器の使い方と正答率の相関です。家庭の学習アプリが成績を上げたという因果関係までは示されていません
- 効果が出やすいのは、反復と即時の答え合わせが必要な学習: 計算や漢字の読み、英語の音など。逆に、書く・説明する学習はアプリだけでは不足しがちです
- 紙との併用が現実的: 1日の土台を紙に置き、アプリを追加分にすると、書く量と画面時間のバランスを取りやすくなります
- 親の役割は、使った時間ではなく中身を見ること: 週に1回、解き直しと紙での再現を確認すると、アプリが効いているかを家庭で判定できます
以下、それぞれの根拠と具体的なやり方を順に説明します。
学習アプリの効果について公的調査で分かっていること・分かっていないこと
学習アプリの宣伝では「効果が実証された」という言葉をよく見かけます。ただ、何を、誰を対象に、どう測ったのかによって意味は大きく変わります。ここでは、国立教育政策研究所が公表している令和7年度の全国学力・学習状況調査(小学校6年生対象)の報告書から、読み取れる範囲を確認します。
学校ではPC・タブレットを使う授業が日常になっている
児童質問では、5年生までに受けた授業でPC・タブレットなどのICT機器をどの程度使ったかを尋ねています。令和7年度の小学校の回答は次のとおりです。
| 回答 | 割合(%) |
|---|---|
| ほぼ毎日(1日に複数の授業で活用) | 24.7 |
| ほぼ毎日(1日に1回くらいの授業) | 22.2 |
| 週3回以上 | 24.9 |
| 週1回以上 | 17.9 |
| 月1回以上 | 7.1 |
| 月1回未満 | 3.1 |
ほぼ毎日と答えた児童が2つの区分を合わせて半数近くいます。多くの子どもにとって、画面で学ぶこと自体はもう特別なことではありません。家庭で学習アプリを検討するときは、学校での使用時間も合わせて考える必要があります。
ICT機器を使いこなせると答えた児童ほど、平均正答率が高い傾向
同じ報告書の「質問と学力のクロス分析」では、PC・タブレットなどのICT機器で文章を作成する(文字、コメントを書くなど)ことができると思うか、という質問と、教科の平均正答率の関係が示されています。小学校の結果は次のとおりです。
| 回答 | 国語(%) | 算数(%) | 理科(%) |
|---|---|---|---|
| とてもそう思う | 72.2 | 64.8 | 62.7 |
| そう思う | 66.9 | 57.3 | 57.0 |
| あまりそう思わない | 58.5 | 48.3 | 48.8 |
| そう思わない | 50.2 | 41.0 | 41.1 |
とてもそう思うと答えた児童は 39.6% でした。3教科とも、使いこなせると答えた児童ほど平均正答率が高い傾向が見られます。
相関と因果を分けて読む
この表を見て「タブレットを使えば成績が上がる」と読むのは早計です。報告書自身が、クロス集計は相関関係がみられるかを分析したものであり、因果関係を示したものではないと注意書きをしています。
たとえば、もともと文章を書くのが得意な子や、学習全般に慣れている子が、ICT機器でも文章を作れると答えやすい、という可能性があります。家庭の環境や学校の授業の進め方など、両方に影響する別の要因もありえます。つまり、この結果から言えるのは「ICT機器を使いこなせることと学力は一緒に動いている」ところまでです。
まだ分かっていないこと
全国規模の調査で測られているのは、主に学校の授業でのICT活用です。家庭で使う市販の学習アプリが成績にどう影響するかは、この調査では直接測られていません。また、学習アプリと一口に言っても、計算の反復に特化したもの、動画で解説するもの、学年の内容を体系的に進めるものなど中身はさまざまです。
したがって、個別のアプリの効果を判断する材料は、家庭で取る記録が中心になります。記録の取り方は、後半の「親が確認する記録」で具体的に紹介します。
学習アプリが家庭学習で役立つ場面
とはいえ、学習アプリには紙にない強みがあります。家庭学習で役立つのは、主に次の3つの場面です。
- 自動で丸つけしてくれる:保護者が横についていなくても、正誤がその場で分かります。間違いにすぐ気づけるので、誤った解き方を何度も繰り返すことを防げます。
- ゲーム感覚で飽きにくい:キャラクターやポイントで、子どもが自分から取り組みやすくなります。
- スキマ時間に取り組める:出かけた先や移動中でも、短い時間で1問ずつ進められます。
反復が必要な計算や漢字を、楽しみながらこなせるのは大きな魅力です。まずは「毎日ちょっとだけ触る」ところから始めると、抵抗感が少なくスタートできます。
効果が出やすい使い方と出にくい使い方
同じアプリでも、使い方によって得られるものは大きく変わります。家庭で見分けやすい形に整理しました。
| 観点 | 効果が出やすい使い方 | 効果が出にくい使い方 |
|---|---|---|
| 目的 | 今週は九九の7の段、のように範囲を決めて使う | 開いてから何をやるか決める |
| 間違えたとき | 解説を読み、同じ問題をもう一度解く | 次の問題へ進んで正解数だけ増やす |
| 選択問題 | 答えを選ぶ前に、紙に途中式や理由を書く | 当てずっぽうで押して正解を探す |
| ごほうび | 学習を終えた記録そのものを見せる | ミニゲームやコイン集めが目的になる |
| 時間 | 1回の区切りを決めて終える | 飽きるまで続け、終わりがあいまい |
| 親の関わり | 週に1回、中身を一緒に見る | 使った時間だけを確認する |
特に注意したいのが、選択問題の当て推量です。4択の問題なら、考えずに押しても何度か試せば正解に当たります。正解数や達成率が伸びていても、中身が伴っていない場合があります。選択問題が多いアプリでは、答える前に理由を一言だけ言わせるなど、考える手順を1つ挟むと当て推量が減ります。
ごほうびの仕組みも、使い方次第です。ポイントやミニゲームは取りかかりのきっかけとしては役立ちますが、ごほうびのために問題を急いで解くようになったら要注意です。ごほうびとやる気の関係は、小学生の勉強のやる気を出す方法で原因別に整理しています。
学習アプリだけに頼りすぎないほうがいい場面
アプリだけに任せきりにすると、つまずきやすい場面もあります。次の3つに心当たりがあれば、紙の教材との組み合わせを検討してみてください。
- 書く練習が足りなくなりがち:画面のタップ中心だと、鉛筆で文字や式を書く量が減ります。テストは紙で書くことがほとんどなので、書く練習は別で確保したいところです。
- どこまで進んだかが見えにくい:デジタルだと達成感が数字に埋もれがち。今日はここまでやった、と目で見える形が、やる気につながることがあります。
- 画面の見すぎが気になる:学校でもタブレットを使う日が多く、家でもアプリを使うと画面時間が積み上がります。紙とデジタルを行き来すると、バランスを取りやすくなります。
大切なのは、アプリを「やめる」ことではなく、足りない部分を紙の教材やグッズで補うことです。
紙のドリルとの使い分け
それぞれの得意分野を整理すると、組み合わせ方が見えてきます。
| 項目 | 学習アプリ | 紙のドリル・グッズ |
|---|---|---|
| 丸つけ | 自動でその場ですぐ | 保護者や本人が手で |
| 書く練習 | 少なめになりがち | しっかり確保できる |
| 進み具合の見える化 | 数字で管理 | ページで実感しやすい |
| 飽きにくさ | 演出で工夫されている | 道具やごほうびで工夫 |
| 画面時間 | 増えやすい | 増えない |
学習内容ごとの向き不向き
もう一歩進めて、学習内容ごとにどちらが向いているかを整理しました。家庭で割り振るときの目安にしてください。
| 学習内容 | アプリが向いている部分 | 紙が向いている部分 |
|---|---|---|
| 計算 | 九九や暗算のスピード練習、苦手な段の反復 | 筆算の位そろえ、途中式を書く練習 |
| 漢字 | 読みの確認、意味や使い方のクイズ | 書き取り、とめ・はね・はらい |
| 英語 | 音声を聞く、発音をまねる | 単語を書き写す |
| 文章題 | 解説動画で考え方を知る | 図や式を自分で書いて説明する |
| 作文・日記 | 題材を探す | 構成を考えて書く |
目安としては、覚える・慣れるはアプリ、書く・説明するは紙、という分け方です。アプリで覚えたものを紙で書けるか確かめる、という流れにすると、両方の良さを生かせます。
学習アプリ×紙教材で続く仕組みをつくる3ステップ
ステップ1:1日の学習を1冊のドリルで固定する
学習アプリは自由度が高いぶん、「今日は何をやる?」が毎回リセットされがちです。そこで、1日の土台になる1冊を決めておくと、生活リズムが安定します。長期休みなら、1学期分の総復習を1冊にまとめたドリルが使いやすい選択肢です。
たとえば小学1年生向けなら、国語と算数をまとめて復習できる次のようなドリルがあります。キャラクターの世界観で子どもが取り組みやすく、レビューでも高い評価を集めています。朝ごはんの前に1ページ、のように時間を決めると、習慣化しやすくなります。
まずはこの1冊を毎日の基準にして、余力がある日にアプリで発展問題や苦手分野を追加する。この順番にすると、「何もやらない日」が減っていきます。毎日机に向かう流れそのものを整えたいときは、小学生の家庭学習を習慣化する方法も参考にしてください。
ステップ2:計算の反復は、道具の力で楽しく
計算はくり返しが力になりますが、同じドリルばかりだと飽きてしまうことも。そこで、音と光で自動採点してくれる暗算トレーニングの道具を取り入れると、ゲーム感覚で反復できます。
次のソニック「ピコトレ」は、足し算・引き算・かけ算・わり算の四則計算に対応し、タイムアタック機能もついた学習アイテムです。100件を超えるレビューが集まっており、家庭学習の計算コーナーとして使いやすい商品です。スマホやタブレットを開かずに計算練習ができるので、画面時間を増やさずに反復したい家庭にも向いています。
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★4.34(レビュー141件)|エリカランド楽天市場店
スピードが上がっても、ケアレスミスが減らない場合は別の対策が必要です。ミスの種類を分けて記録する方法は、小学生の計算ミスを減らす練習で紹介しています。
ステップ3:「できた」を目で見える形に
やる気を保つコツは、頑張りをきちんと認めてあげることです。ドリルの丸つけのときに、大きな花丸を押してあげると、子どもの表情が変わります。
次のはなまるスタンプは、7cmの大きな花丸を手軽に押せるアイテム。ドリルチェックや評価印として使えて、保護者の丸つけ時間も短くなります。アプリの自動採点にはない手書き感のごほうびが、次の1ページへの意欲につながります。
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★5.0(レビュー2件)|かよのこHANKO楽天市場店
学年別の向き不向き
同じ学習アプリでも、学年によって向き不向きが変わります。
低学年(1・2年生)|アプリは短く、親がそばにいる時間に
低学年は、ひらがなや数の感覚など、手を動かして身につける内容が中心です。アプリの音声やアニメーションは入り口として役立ちますが、鉛筆を持って書く時間は紙で確保したい時期です。操作に夢中になって学習から離れやすいので、使うのは親が家にいる時間に限り、1回の区切りを短く決めておくと安心です。
中学年(3・4年生)|反復はアプリ、復習は学年に合った紙の1冊で
中学年になると、わり算や分数、漢字の数も増え、反復の量が一気に増えます。九九や漢字の読みの確認などはアプリに任せやすくなる一方、つまずいた単元を戻って復習するには、学年に合わせた紙の教材が役立ちます。たとえば小学4年生向けには、次のように複数教科をまとめて復習できるドリルがあります。
お子さんの学年に合ったものを選ぶことで、「難しすぎて手が止まる」「簡単すぎて退屈」を避けやすくなります。書店で中身を確認してから選ぶのも良い方法です。
高学年(5・6年生)|調べる・まとめる道具として使う
高学年では、文章題や資料の読み取りなど、考えて説明する力が求められます。アプリは解説動画で考え方を知る、苦手単元を自分で探して練習するなど、自分で使い方を決める道具として位置づけるのが向いています。前述の全国学力・学習状況調査で見たとおり、ICT機器を使いこなせることと学力は一緒に動く傾向があります。何をどれだけやるかを本人に決めさせ、親は週に1回、結果を一緒に確認する形に移していきましょう。
夏休みなど長期休みに使うときの注意
夏休みや冬休みは、家にいる時間が長く、アプリの使用時間が膨らみやすい時期です。アプリを使う時間帯を1日の予定の中に先に置き、それ以外の時間は開かない、と決めておくと歯止めになります。
共働きで日中は学童に通っている、というご家庭では、帰宅後の限られた時間で学習をどう組み込むかが課題になります。その場合は夏休みの学童で勉強が進まない子へ、家庭でできる習慣づくりと教材選びで、生活時間に無理なく差し込む工夫を紹介しています。長期休みの宿題や復習の総量から1日の予定を組む方法は、小学生の夏休みの勉強計画の立て方にまとめています。
スクリーンタイムと目の健康|文部科学省の目安
学習アプリを家で使う時間は、学校の授業でタブレットを使う時間に上乗せされます。文部科学省は、1人1台端末の時代に向けて、保護者向けのリーフレットで家庭で気をつけてほしいことを示しています。
| 項目 | 文部科学省の保護者向けリーフレットの目安 |
|---|---|
| 目と画面の距離 | 30cm以上離して使う。そのために良い姿勢を保ち、机と椅子の高さを合わせる |
| 休憩 | 30分に1回は、20秒以上画面から目を離して遠くを見る |
| 画面の明るさ | 部屋の明るさに合わせて調整する。夜は昼間の教室より明るさを下げる |
| 寝る前 | 少なくとも寝る1時間前からは、デジタル機器の利用を控える |
| 学校の端末 | 学習に関係ない目的では使わない |
リーフレットは、1日に何時間までなら良いという線は一概には言えない、という立場です。そのうえで、デジタル機器の時間が長くなりすぎると、人との関わりや体験活動の時間が減ってしまうことに触れ、使い方を家庭で話し合うよう勧めています。時間の上限を決めるより、使う時間帯と区切りを家庭で決めるのが現実的です。
区切りを守るには、タイマーを使うのが手軽です。スマホのタイマーを使うか、専用のタイマーを使うかの判断軸は、学習タイマーはアプリと専用機どっち?で比較しています。
無料アプリと有料教材の選び分け
学習アプリには、無料で使えるものと、月額などで費用がかかる通信教育型のものがあります。価格の比較より先に、次の観点で家庭の目的に合うかを確認すると選びやすくなります。
| 観点 | 無料アプリで足りやすいケース | 有料教材を検討したいケース |
|---|---|---|
| 目的 | 計算や漢字など、特定の単元の反復 | 学年の内容を体系的に進めたい |
| 範囲 | 苦手な単元が1つか2つに絞れている | 何が苦手か分からない、複数教科にわたる |
| 広告 | 広告が出ても気にならない年齢 | 広告のない環境で使わせたい |
| 記録 | 正解数が見られれば十分 | 保護者向けの学習記録や報告が欲しい |
| 相談 | 親が教えられる | 質問できる仕組みや解説動画が欲しい |
有料教材を検討するときは、無料体験やお試し期間で、子どもが自分から開くかどうかを確かめてから決めると失敗が減ります。塾が作った通信教育では、たとえば次のデキタスのように無料体験を用意しているものがあります。
小中生向け通信教育【デキタス】
親が確認する記録
学習アプリが効いているかどうかは、全国調査では分かりません。判断材料になるのは家庭の記録です。毎日細かくつける必要はなく、週に1回、5分ほどで次の欄を埋めるだけで十分です。
| 欄 | 書くこと | 見るポイント |
|---|---|---|
| 取り組んだ範囲 | 単元名(例:わり算のひっ算) | 目的どおりの範囲を使っているか |
| 正解数と問題数 | アプリの記録から写す | 数が増えているか、同じ問題ばかりでないか |
| 解き直し | 間違えた問題をもう一度解いたか | 間違いを放置していないか |
| 紙での再現 | アプリで解いた問題を2問、紙に書いて解く | アプリの外でもできるか |
| 使った時間帯 | 夕食前、寝る前など | 寝る1時間前に使っていないか |
中でも大切なのが、紙での再現です。アプリで正解した問題と同じ種類の問題を、週に2問だけ紙に書いて解かせます。紙でも解けていれば、アプリで身についた力はテストでも使える可能性が高いと考えられます。紙で解けなければ、当て推量や操作への慣れで正解していた可能性があります。その場合は、ステップ1の紙のドリルに戻り、同じ単元を書いて練習する時間を増やしましょう。
記録は子どもを評価するためではなく、アプリの使い方を調整するためのものです。数字が伸びていない週があっても責めず、「来週はどの単元をやる?」と次の範囲を一緒に決める場にしてください。
筆者の判断基準
この記事で紹介した方法は、次の5つの基準で選びました。
- 公的な資料で裏づけが取れるか: 学習効果や健康面の記述は、国の機関が公開している資料に当たれること。相関しか示されていないものを、効果があると言い換えないこと
- 家庭で判定できるか: アプリが効いているかを、親が週5分程度の記録で確かめられること
- 書く力を削らないか: アプリを使うことで、鉛筆で書く練習が不足しないこと
- 画面時間を増やしすぎないか: 学校での使用時間も含めて、目の健康と睡眠に配慮できること
- 子どもが自分で使い方を決められるか: 学年が上がるにつれて、使う範囲と時間を本人が決める形に移せること
逆に、この記事で採らなかったのは、アプリの達成率や使用時間だけで成果を判断する方法、ごほうびのゲームを主な動機にする方法です。短期的には取り組み量が増えることがありますが、基準2と基準3に反します。
よくある質問
学習アプリだけで成績は上がりますか
学習アプリだけで成績が上がるかどうかは、全国規模の調査でも示されていません。公表されているのは、ICT機器を使いこなせる児童ほど平均正答率が高いという相関です。計算や漢字の読みなど反復で伸びる部分はアプリに任せ、書く練習や説明する練習は紙で補う形が、現時点では無理のない選択です。
1日に何分くらい使わせればいいですか
文部科学省の保護者向けリーフレットは、何時間までなら良いと一概には言えない、としています。そのうえで、30分に1回は画面から目を離して遠くを見る、寝る1時間前からは使わない、という目安を示しています。学校でもタブレットを使っているので、家では短い区切りを決め、終わったら閉じる習慣をつけるのが現実的です。
学習アプリと紙のドリル、どちらから始めるべき?
どちらでも構いませんが、続けやすさを重視するなら、1日の土台を紙のドリル1冊に決め、アプリを追加分として使う流れがおすすめです。生活リズムが安定しやすく、書く練習も確保できます。
途中で嫌がるようになったら?
量を減らす、ごほうびのスタンプを取り入れる、道具でゲーム感覚を足すなど、ハードルを下げる工夫が有効です。やらせるより、できたら認めることを意識すると続きやすくなります。
学校で配られたタブレットで学習アプリを使ってもいいですか
学校で配られた端末の使い方は、学校ごとにルールが決められています。文部科学省のリーフレットでも、学校の端末は学習に関係ない目的では使わないよう求めています。家庭で市販のアプリを入れてよいかどうかは、学校のルールを確認してください。
参照した公式情報(取得日)
本文中の数値と記述は、次の公開資料に当たって確認しました。いずれも取得日は2026年9月28日です。
- 国立教育政策研究所 令和7年度 全国学力・学習状況調査 報告書 質問調査 — 調査の概要(クロス集計の留意事項)、質問の経年変化(小学校 質問28)、質問と学力のクロス分析(小学校 質問29-1)。対象は小学校6年生
- 文部科学省 端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮等に関する啓発リーフレットについて — 保護者用リーフレット、ご家庭で気をつけていただきたいこと
- 文部科学省 児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック — 審議会の参考資料として掲載されているもの。長時間の利用後に目を休ませること、就寝前の利用を控えること
比べ方の注意
1つ目は小学校6年生を対象とした全国調査の結果で、学校の授業でのICT活用と学力の相関を示したものです。家庭で使う市販の学習アプリの効果を測ったものではありません。2つ目と3つ目は、端末を使うときの健康面の配慮をまとめた資料で、学習効果を示すものではありません。本文では、それぞれの対象と性格を添えて紹介しています。
まとめ
小学生の学習アプリは、効果がある・ないで二択にするより、どう使えば効くかで考えるのが現実的です。
- 公的調査で分かっているのは相関まで: ICT機器を使いこなせる児童ほど正答率が高い傾向はあるが、因果関係は示されていない
- 覚える・慣れるはアプリ、書く・説明するは紙: 1日の土台を紙の1冊に置き、アプリを追加分にする
- 学年で位置づけを変える: 低学年は短く親のそばで、中学年は反復担当、高学年は本人が使い方を決める道具に
- 目の健康の目安を守る: 30cm以上離す、30分に1回は遠くを見る、寝る1時間前は使わない
- 週に1回、紙での再現を確かめる: アプリの外でも解けるかが、効いているかどうかの判定材料になる
まずは今週、アプリで取り組んだ単元から2問だけ紙に書いて解いてもらうところから始めてみてはいかがでしょうか。


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