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模試を受けたあと、結果に一喜一憂して、そのまま次の勉強に戻っていませんか。実は、模試は「受けたあと」にこそ最大の価値があります。受けっぱなしにするのは、伸びるチャンスを半分捨てているようなものです。
この記事では、通年で使える模試の復習サイクルを、解き直しノートの作り方とあわせて紹介します。ポイントは、成績表が返ってくる前と後で、やることを分けること。年間を通して同じやり方で回せるので、一度身につければずっと使えます。
模試は「受けっぱなし」で価値が半減
模試の結果表を見て、偏差値や判定に一喜一憂する——これだけで終わってしまう人は少なくありません。でも、判定は「今の位置」を示すだけで、それ自体は成績を上げてくれません。
成績を上げるのは、「なぜ間違えたか」を分析して、解けるようにすることです。模試の復習とは、この作業のこと。受けた直後の記憶が新しいうちに始めるほど効果的です。
成績表は1か月以上あとに返ってくる
ここで見落とされがちな事実があります。模試の成績は、受けてすぐには返ってきません。
河合塾が公表している2026年度の全統模試(高3生・高卒生対象)の年間スケジュールを見ると、公開会場受験の実施日と成績公開日は次のようになっています。
| 模試 | 実施日 | 成績公開日 |
|---|---|---|
| 第1回 全統共通テスト模試(マーク式) | 5月3日 | 5月29日 |
| 第1回 全統記述模試 | 5月10日 | 6月15日 |
| 第2回 全統共通テスト模試(マーク式) | 7月26日 | 9月7日 |
| 第2回 全統記述模試 | 8月23日 | 10月13日 |
| 第3回 全統記述模試 | 10月4日 | 11月20日 |
| 第3回 全統共通テスト模試(マーク式) | 10月18日 | 11月16日 |
| 全統プレ共通テスト(マーク式) | 11月15日 | 12月17日 |
(河合塾の公表資料より。会場により実施日が異なる場合があります)
実施から成績公開まで、短くて約4週間、長い回では7週間ほど空きます。つまり「成績表が返ってきてから復習しよう」と考えていると、1か月以上、弱点を放置することになります。しかも、そのころには問題の内容も自分の思考も忘れています。
だから復習は、返却前と返却後の2段構えにします。
| 段階 | いつ | やること |
|---|---|---|
| 返却前 | 当日〜1週間以内 | 失点の分類と解き直し(記憶が新しいうちに) |
| 返却後 | 成績表が届いたら | 設問別の正答率と、自分の得点の突き合わせ |
返却前が本体で、返却後は答え合わせ。この順番を逆にしないことが、模試を教材として使うコツです。
返却前にやること:復習サイクル4ステップ
模試を受けたら、成績表を待たずに次の4ステップで復習します。全科目に共通のサイクルなので、どの模試でも同じ手順で回せます。
| ステップ | やること | タイミング |
|---|---|---|
| ①失点を分類 | ケアレス/あと一歩/理解不足/手つかずに仕分け | 当日〜翌日 |
| ②解き直しノートに再現 | あと一歩・理解不足を自力で解ける状態に | 1週間以内 |
| ③1週間後に再テスト | 解き直した問題をもう一度解く | 1週間後 |
| ④弱点を次の勉強へ | 理解不足の単元を通常学習に組み込む | 継続 |
このサイクルの狙いは、「見直し」を「解けるようにする」まで持っていくことです。特に①の分類が起点。全部を復習しようとせず、「あと一歩」と「理解不足」に絞れば、限られた時間で最大の効果が出ます。手つかずの難問に時間をかける必要はありません。
自己採点と感触メモは当日中に済ませておくと、①が一気に楽になります。夏の模試に絞った手順は大学受験 夏休みの模試復習方法|やり直し手順とノート術にもまとめています。
科目別の復習の勘所
分類したあとの手当ては、科目によって変わります。
| 科目 | よくある失点の正体 | 手当て |
|---|---|---|
| 英語 | 語彙の抜け/時間切れ | 知らなかった語を書き出す。時間切れなら配分の見直し |
| 数学 | 方針が立たない/計算の詰め | 解答を写さず、方針だけ見て自力で最後まで解く |
| 国語 | 根拠を本文から取れていない | 選択肢ごとに「本文のどこが根拠か」を書き込む |
| 理科 | 公式・現象の理解不足 | 単元ごとに戻る。問題単位で暗記しない |
| 社会 | 単純な知識不足 | 覚え直す対象をリスト化し、通常学習に混ぜる |
共通するのは、間違いの原因を一段深く言語化することです。「英語ができなかった」では手当てになりません。第4問で語彙が3つ分からず内容が取れなかった、というところまで分解すると、次にやることが決まります。
解き直しノートの作り方
復習を効率化するのが「解き直しノート」です。全科目を1か所に集約するのがポイントです。
- 左ページに問題:間違えた問題をコピーして貼るか書き写す
- 右ページに「なぜ間違えたか」+正しい解き方:原因と解法をセットで
- 再テストの日付と結果をメモ:③の再テストの進捗を記録
このノートは、全科目・全模試で使いまわすのがコツ。1冊にまとめておけば、直前期に「自分の弱点だけが詰まった最強の教材」になります。
ただし、全部をノートにする必要はありません。作るのは次の3条件を満たす問題だけで十分です。
- もう一度出たら取りたい問題(合否に絡む得点帯にある)
- 自力で解ける見込みがある問題(手つかずの難問は対象外)
- 原因が言語化できた問題(「なんとなく間違えた」はまだノートにしない)
きれいなノートを作ること自体には価値がありません。時間をかけるのは、書き写しではなく再テストのほうです。
ドット罫のノートなら、図やグラフも書きやすく、科目を問わず使いやすいです。行の高さは、数式やグラフを大きく書きたい人ほど広めが向きます。
細かい字で書く人や、文字量の多い科目が中心の人は、行幅の狭いタイプのほうが1ページに収まります。
年間スケジュールから、力を入れる回を決める
模試は年に何度もあります。全部を同じ濃度で復習しようとすると続きません。前掲のスケジュールを見ながら、力を入れる回を先に決めておきます。
- 春〜初夏の回:範囲が狭く、基礎の抜けが見つけやすい。復習の優先度は高い
- 夏の回:範囲が広がり、失点も増える。分類だけ丁寧にやり、手当ては絞る
- 秋の記述模試:志望校の形式に近い回は、時間配分の検証も兼ねて厚く復習する
- 直前期のプレ模試:新しい弱点を掘るより、本番の時間配分と持ち物の確認に使う
共通テストは令和9年1月16日・17日に実施されます。直前期の模試は、この本番から逆算したリハーサルと位置づけると、復習の目的がはっきりします。過去問との使い分けは大学受験で過去問を始めるタイミング|到達度で見極める基準も参考にしてください。
筆者の判断基準
模試の復習で筆者が最初に見るのは、「自己採点と感触メモを当日中に取っているか」です。
ここを取っていない人は、成績表が返ってきた時点で「なぜ間違えたか」を思い出せません。1か月以上経っているので当然です。逆にメモがあれば、返却後の設問別データと突き合わせるだけで、手当ての優先順位が決まります。
もうひとつの基準は、ノートの冊数ではなく再テストの回数です。復習ノートが分厚い人ほど成績が良いわけではありません。同じ問題を1週間後にもう一度解いたかどうかで差がつきます。書き写しに時間を使いすぎている場合は、コピーを貼る方式に切り替えるようおすすめしています。
判定については、返却後に見る順番を決めておくのが有効だと考えています。まず設問別の正答率、次に自分の得点、最後に判定。この順で見ると、判定に引きずられずに中身を読めます。
よくある質問
復習にどれくらい時間をかけるべきですか?
全部を完璧に復習しようとすると終わりません。「あと一歩」と「理解不足」に絞れば、模試1回分でも数時間で回せます。手つかずの難問は割り切りましょう。期限の目安は、遅くとも1週間以内。成績表を待つ必要はありません。
判定が悪くて落ち込みます。
判定は「今の位置」であって合否の予言ではありません。特に受験学年の後半は伸びます。判定より「失点の中身が改善しているか」を見ましょう。返却後は、設問別の正答率と自分の得点を突き合わせて、多くの人が取れている問題を落としていないかから確認すると、次の一手が見つかります。
解き直しノートを作る時間がありません。
全問をノートにする必要はありません。前述の3条件(もう一度出たら取りたい/自力で解ける見込みがある/原因が言語化できた)を満たす問題だけを集めれば十分です。数を絞ることが続けるコツです。
まとめ:受けたあとに、解けるまで持っていく
大学受験の模試は、受けっぱなしにせず復習で回収することで最大の教材になります。
成績表が返るのは実施から1か月以上あと。だから復習は返却前(分類と解き直し)と返却後(設問別データとの突き合わせ)の2段構えにします。失点を分類し、あと一歩と理解不足を解き直しノートに再現し、1週間後に再テストする。科目ごとの勘所を押さえ、年間スケジュールを見て力を入れる回を決める。このサイクルを回せば、模試のたびに弱点が減っていきます。
参照した公式情報(取得日 2026-08-30)
- 河合塾 2026年度全統模試 年間スケジュール【高3生・高卒生対象】(実施日と成績公開日): https://www.kawai-juku.ac.jp/zento/pdf/schedule-2026.pdf
- 独立行政法人 大学入試センター 令和9年度試験(大学入学共通テストの実施期日): https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r9/


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