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TOEICで600点は超えたけれど、そこから700点の壁がなかなか越えられない——。600点台で足踏みしている人は多いものです。600点は「基礎ができてきた」証拠。あと一歩で700点に届くのに、何を強化すればいいか分からず停滞してしまいます。
600点から700点に上げるコツは、やみくもに全部やり直すことではありません。600点台の人が取りこぼしている「特定の穴」を埋めることです。
この記事では、まず公式データで600点台の位置を確認し、そのうえで埋めるべき4つの穴と、自分にその穴があるかの見分け方を紹介します。
600点台は全体のどこにいるのか
まず、自分の位置を客観的に確認しておきます。IIBC が公表している TOEIC Program の集計によると、2025年度の公開テストは次のような状況です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 公開テスト 受験者数(2025年度) | 755,473人 |
| 平均スコア(Total) | 616点 |
| 内訳 | Listening 337点/Reading 279点 |
| 社会人の平均 | 649点(Listening 353/Reading 296) |
| 学生の平均 | 592点(Listening 325/Reading 267) |
| 過去3年の平均推移 | 2023年度 612 → 2024年度 615 → 2025年度 616 |
(IIBC の公表資料より)
ここから読み取れることが2つあります。
1つ目。600点台は、公開テストの平均帯そのものです。つまり「よくある停滞ゾーン」であり、特別な行き詰まりではありません。
2つ目、そしてこちらが重要です。平均では Listening 337 に対して Reading 279 と、およそ58点の差があります。つまり全体として、リーディングのほうが取れていない。600点台で止まっている人も、多くはこの構造をそのまま持っています。「リスニングとリーディングのどちらを優先すべきか」への答えは、この数字が示しています。
600の壁は「取りこぼし」
600点台の人は、基礎はある程度できています。それでも700点に届かないのは、確実に取れるはずの問題を取りこぼしているからです。難問を解けるようになるより、「取れる問題を確実に取る」方が、この段階では効果的です。
特に、文法問題(Part5)や、リスニングの会話・説明文(Part3・4)には、対策で確実に得点を伸ばせる「伸びしろ」が眠っています。まずはそこを埋めましょう。
次に埋める4つの穴
600点台から700点を目指すなら、次の4つの穴を優先的に埋めます。
| 穴 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| ①Part5文法の精度 | 文法問題を確実に得点する | 短時間で解け、正答率も上がる |
| ②Part7の読解速度 | 長文を時間内に読み切る | 塗り絵(未回答)を減らす |
| ③頻出語彙の穴 | 600〜730レベルの語彙を固める | 読解・リスニング全体が楽に |
| ④リスニングの先読み | 設問を先に読んで待ち構える | Part3・4の正答率が上がる |
この4つの狙いは、「確実に取れる問題を増やす」ことです。ただし、4つ全部に同時に手をつけると散ります。以下の見分け方で、自分に当てはまる穴から埋めてください。
①Part5文法の精度:その穴があるかの見分け方
- Part5で迷って時間を使う問題が5問以上ある
- 解答後に解説を読むと「知っていれば即答だった」と感じる問題が多い
- Part5・6に20分以上かかっている
当てはまるなら、ここが最優先です。文法問題は「パターン」が決まっているので、頻出パターンを演習で身につければ、正答率とスピードの両方が上がります。しかもPart5を速く抜けるとPart7の持ち時間が増えるので、②の穴にも同時に効きます。
②Part7の読解速度:その穴があるかの見分け方
- 試験終了時に未回答(塗り絵)が残る
- Part7の後半(複数文書)まで到達できない
- 読み返し(戻り読み)が多い
当てはまるなら、読解の速度そのものより先に時間配分と解く順を見直すのが近道です。詳しい手当てはTOEICの長文が時間内に終わらない|Part7の時間配分と解く順にまとめています。
③頻出語彙の穴:その穴があるかの見分け方
- 長文で知らない単語が1文書に3つ以上出てくる
- リスニングで「聞こえたけれど意味が分からない」語がある
- 単語帳を1冊も最後までやり切っていない
当てはまるなら、語彙が全体の足を引っ張っています。この場合、Part別の戦略より単語の周回が先です。
④リスニングの先読み:その穴があるかの見分け方
- Part3・4で、音声が流れてから設問を読み始めている
- 音声は聞き取れているのに選択肢で迷う
- 設問を読んでいる間に次の音声が始まってしまう
当てはまるなら、設問を先に読む練習だけで正答率が変わります。前掲のとおり、平均でも Listening のほうが Reading より高いので、リスニングは比較的伸ばしやすい領域でもあります。
学習の順番と1週間の型
穴が複数見つかった場合の順番は、①→③→②→④が基本です。①は短期で効き、③は全体の底上げになり、②と④は①③の土台があってこそ効くからです。
1週間の型にすると、こうなります。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 平日(30分〜1時間) | 単語(③)+Part5演習(①)を交互に |
| 週末のどちらか(2時間) | 本番形式で1セット解く(②④の状況確認を兼ねる) |
| 週末のもう1日(1時間) | 解いた回の復習。間違いを4つの穴のどれかに分類する |
間違いを4つの穴に分類する——この作業が、次の週にやることを決めてくれます。分類できない間違いが多いときは、まだ③の語彙が足りていないことが多いです。
まず文法の精度から
600点台の人がいちばん伸ばしやすいのが、Part5の文法です。文法問題は知識で確実に解けるうえ、速く解けるようになればPart7に回す時間も増えます。
そして、リスニングを底上げするには、実際に英語を使う経験も効きます。オンライン英会話で英語を口に出すと、耳が英語の音に慣れ、リスニングの伸びを後押しします。インプット中心の学習に、アウトプットを少し足すイメージです。資料請求は無料なので、選択肢として見ておくとよいでしょう。
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教材は「演習」と「確認」で役割を分ける
600点台で教材を増やしすぎると、どれも中途半端になります。役割を2つに絞るのがおすすめです。
ひとつは演習。Part5の文法を固めるなら、頻出パターンを網羅した問題集を1冊やり込むのが効率的です。次の問題集は、TOEICの文法問題を大量に演習でき、600点台からの底上げに定番の一冊です。
もうひとつは確認。到達度を測るのは本番形式の公式問題集の役割です。演習用の問題集で穴を埋め、月に1回ほど公式問題集で測る、という分担にすると、教材を増やさずに進捗が見えます。
版の違いや冊数の考え方はTOEIC公式問題集の最新版はどれ?番号の違いと選び方で整理しています。
筆者の判断基準
600点台の相談で筆者が最初に見るのは、リスニングとリーディングのスコア差です。
公式データでも平均は Listening 337・Reading 279 と、リーディングのほうが低く出ます。自分の差がこれより大きいなら、リーディング側(①②③)に寄せるのが素直です。逆にリスニングのほうが低い珍しいケースなら、④を先に手当てします。全体スコアではなく内訳を見る——ここが最初の分岐です。
もうひとつの基準は、Part5にかけている時間です。20分以上かかっているなら、読解力の問題ではなく文法の精度の問題として扱います。この場合、Part7の対策をしても効果が薄く、先に①を埋めるほうが早く700点に届きます。
なお、必要な学習時間を数字で断定するのは避けています。公的に確認できる根拠がなく、人によって前提が違いすぎるためです。代わりに「4つの穴のうちいくつ残っているか」を進捗の指標にすることをおすすめしています。
よくある質問
リスニングとリーディング、どちらを優先すべきですか?
まず自分の内訳を確認してください。公式データでも公開テストの平均は Listening 337・Reading 279 とリーディングのほうが低く、600点台でも同じ構造になっていることが多いです。差が大きいならリーディング側(文法・語彙・読解速度)から固めると効果が出やすくなります。
公式問題集だけで700点行けますか?
公式問題集は形式慣れと到達度の確認に必須ですが、それだけでは穴が埋まりません。文法や語彙の穴を埋める専用の演習を並行すると、700点への到達が早まります。役割を「演習」と「確認」に分けて考えてください。
どれくらいで700点に届きますか?
必要な期間は現在の内訳と学習量によって大きく変わるため、数字で断定はできません。目安にするなら期間ではなく、4つの穴のうちいくつが埋まったかで測るのがおすすめです。取れる問題の取りこぼしを減らすことが、いちばんの近道です。
まとめ:取れる問題を確実に取る
TOEIC600点から700点に上げるには、難問を追うより、取れる問題を確実に取ることが近道です。
公式データでも公開テストの平均は616点(Listening 337/Reading 279)。600点台は平均帯であり、リーディング側に伸びしろが残っているのが全体傾向です。Part5文法の精度、Part7の読解速度、頻出語彙、リスニングの先読み——この4つの穴について自分に当てはまるかを見分けたうえで、①→③→②→④の順に埋める。取りこぼしが減れば、スコアは着実に700点へ近づきます。
参照した公式情報(取得日 2026-08-30)
- IIBC TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026(2025年度 受験者数と平均スコア): https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/program-data-analysis-2026.pdf
- IIBC 公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧(TOEIC Listening & Reading Test 公式データ): https://www.iibc-global.org/toeic/official_data.html


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