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TOEICでる1000問の使い方|3周の回し方とPart5の時間配分
文法を鍛えるならでる1000問がいい、と聞いて手に取ったものの、想像以上の厚みに手が止まっていませんか。あるいは一度は最後までやり切ったのに、模試を解くとPart5で同じように迷ってしまう。TOEICの文法対策でつまずく方の多くは、教材選びではなく回し方でつまずいています。
先に結論を書くと、でる1000問の使い方の基本は、本冊を章順に1周→印をつけた問題だけを時間を測って2周目→別冊でシャッフルして3周目と回し、途中で公式問題集を通しで解いて仕上がりを確かめる流れです。
この記事では、その流れを、1周ごとの解き方、Part5の時間配分から逆算した1問あたりの秒数、問題タイプ別の回し方、間違えた問題の印のつけ方と見直す間隔、公式問題集と併用する順番、目標スコア別の使い分けまで、今日から手を動かせる形に整理します。単語帳の選び方や公式問題集の巻の選び方は扱わず、それぞれの記事へご案内します。
結論:でる1000問の使い方を1枚の表で確認する
最初に全体の流れを表にまとめます。細かい手順は、このあと各行を順番に具体化していきます。
| 周回 | 使う部分 | 解く問題 | 時間の測り方 | 終わったらやること |
|---|---|---|---|---|
| 1周目 | 本冊(章の順番どおり) | 全問 | 測らない | 間違えた問題とあやしい問題に印をつける |
| 2周目 | 本冊 | 印のついた問題だけ | 1問ごとに決めた秒数を上限にする | もう一度間違えた問題に二重印をつける |
| 3周目 | 別冊 | 全問を区切って解く | Part5の1回分と同じ問題数ごとに合計時間を測る | 落ちたタイプの章の二重印を見直す |
| 仕上げ | 公式問題集 | リーディングを通しで | 本番と同じ時間 | Part5・6の誤答を本冊の章に戻す |
ポイントは、周を重ねるごとに解く問題を減らし、時間の条件を本番に近づけていくことです。全問を3回解く本ではありません。
でる1000問はどんな問題集?使い方を決める前の全体像
使い方を決める前に、この本がどういう構造をしているのかを押さえておくと迷いが減ります。
収録問題数と章立て
でる1000問(正式な書名は TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問、著者はTEX加藤氏)は、アスク出版から刊行されている文法問題集です。版元の書籍ページによると、発売は2017年6月、判型はA5判で656ページ、収録問題数は1049問です。分厚さの正体は、この問題数そのものです。
紙面は、左ページに問題、右ページに解説という見開きの構成です。解いたらすぐに右ページで根拠を確かめられるので、1問ずつ確認しながら進める使い方に向いています。
章は、品詞、動詞、前置詞か接続詞か、代名詞、前置詞、関係詞、ペア表現・語法・数・比較という出題タイプ別に並び、各章は解き方の説明、トレーニング、実戦問題の順に進みます。本冊の最後には文法模試も収録されています。章立てが出題タイプごとになっているということは、同じ種類の問題をまとめて浴びる設計だということです。
TOEIC L&Rテストのリーディングセクションは、運営するIIBCの公式ページによれば75分で100問です。内訳はPart5(短文穴埋め問題)が30問、Part6(長文穴埋め問題)が16問、Part7が1つの文書29問と複数の文書25問の計54問です(リスニングは約45分・100問、全体で約2時間・200問)。このうち文法・語彙で直接勝負するのがPart5とPart6の46問です。でる1000問は、この46問を取りこぼさないための土台をつくる本だと考えると位置づけがはっきりします。
別冊(文法問題1000本ノック!)の位置づけ
でる1000問には別冊が付いています。出版社の説明では、本冊の問題をシャッフルしてコンパクトにまとめたもので、総復習や外出先での学習に向くとされています。
本冊は章ごとにタイプが揃っているぶん、解いているうちに、この章だから品詞問題だな、と問題形式を先読みできてしまうという副作用があります。本番はもちろんタイプがバラバラで出ますから、章順で正解できることと本番で正解できることは同じではありません。別冊は、この差を埋めるために用意されたパートだと考えると使いどころが見えてきます。
つまり、本冊で型を覚え、別冊で型が使えるかを確認する。この二段構えが、でる1000問の基本的な使い方です。
なお、600点台から700点を目指す段階でこの本を使うなら、TOEIC 600点から700点に上げる方法|次に埋める4つの穴で先に自分の穴を見分けておくと、本冊のどの章から手をつけるかが決めやすくなります。
解答用紙と音声は版元のページから入手できる
アスク出版の書籍ページでは、学習者用の補助素材として解答用紙(A4判とB5判)と、音声データのダウンロードが案内されています。
解答用紙は、周回するときに便利です。1周目から本に答えを書き込んでしまうと、2周目以降は前の答えが目に入り、根拠ではなく記憶で正解してしまいます。答えは解答用紙に書き、本には印と一行メモだけを残す、と分けておくと、何周しても初見に近い状態で解けます。
音声データは、本を開けない通勤中などの時間に復習を回す手段になります。どの音声がどこに対応しているかは版元のページで確認してから、学習計画に組み込むとよいでしょう。
でる1000問の使い方の基本|1問あたりの解く姿勢
周回計画の前に、1問の解き方を先に決めておきます。ここが緩いまま量をこなすと、周回数だけが増えて点が動きにくくなります。
なんとなく正解を潰す
文法問題集を回しても伸びない方に共通するのが、正解できたかどうかだけで丸つけをしている状態です。四択なので、根拠があいまいでも当たることがあります。当たった問題は復習の対象から外れ、あいまいなまま次の問題へ進んでしまいます。
これを防ぐには、丸つけの基準を二段階にします。
- 正解したか
- なぜその選択肢なのかを、解く前に言葉で説明できたか
2が言えなかった問題は、正解していても、あやしい、の印をつけて復習対象に残します。印は本にそのまま書き込んでかまいません。この一手間を入れるだけで、2周目に見直す問題の質がはっきり変わってきます。
選択肢を見る前に空所の前後を見る
Part5の問題は、選択肢の並びを見た瞬間に何を問われているかが分かるタイプが多くあります。たとえば選択肢が同じ単語の名詞形・動詞形・形容詞形・副詞形で並んでいれば、意味ではなく空所に入る品詞が問われています。
このタイプでは、文全体を訳そうとせずに、空所の直前と直後だけを見て、ここは主語がないから名詞、動詞を修飾するから副詞、と判断できる問題が少なくありません。でる1000問の品詞の章は、この判断を繰り返し練習するための章です。
一方、選択肢に意味の違う単語が並んでいれば語彙問題、時制や態が並んでいれば動詞問題です。選択肢の並び方で解き方を切り替えるという発想を、1周目のうちから体に入れておくことをおすすめします。
1周目は時間より根拠を優先する
1周目は根拠を言葉にすることが目的なので、時間は測らずに丁寧に解いて構いません。段階を分けずに最初から速度を追うと、根拠があいまいなまま手癖で解く習慣がついてしまい、かえって遠回りになりやすくなります。時間を意識するのは2周目からで、その秒数は次の章で決めます。
Part5の時間配分から逆算する|でる1000問で練習する秒数
2周目以降の秒数は、なんとなく決めるより、本番のリーディング75分の中でPart5に何分使うかから逆算するほうがぶれません。Part7の54問を読む時間を残すには、Part5とPart6をどこまで短くできるかが鍵になるからです。
Part5に使う時間ごとに、1問あたりの秒数を割り算すると次のようになります。
| Part5に使う時間(分) | Part5の問題数(問) | 1問あたり(秒) | Part6とPart7に残る時間(分) |
|---|---|---|---|
| 8 | 30 | 16 | 67 |
| 10 | 30 | 20 | 65 |
| 12 | 30 | 24 | 63 |
| 15 | 30 | 30 | 60 |
この表はIIBCが公表している形式(リーディング75分・Part5は30問)から機械的に計算したもので、どの行が正解というものではありません。読む速さや目標スコアによって、合う行は変わります。リーディング全体を何分ずつに分けるかは、TOEICリーディングで時間足りない人へ|75分の配分と解く順の決め方で目標スコア別に整理しているので、そちらで自分の行を決めてから、でる1000問の練習に落とし込んでください。
行を決めたら、でる1000問では次のように使います。
- 1周目: 時間は測らない。根拠を言えるかどうかだけを見る
- 2周目: 決めた秒数を1問ごとの上限にする。超えた問題は正解していても時間超過の印をつける
- 3周目: 別冊をPart5の1回分と同じ30問ずつに区切り、30問の合計時間を測る。決めた分数に収まったか、収まらなかったときはどのタイプで時間を使ったかを記録する
1問ごとの秒数を守る練習と、30問をまとめて決めた時間で解き切る練習は別物です。2周目で前者、3周目で後者を練習すると、本番のPart5を一定のペースで進める感覚がつかみやすくなります。
でる1000問の周回のしかた|3周で仕上げる進め方
ここからが周回の本題です。1049問という分量を、どう分けて回すかを決めます。以下は目安なので、ご自身の学習時間に合わせて調整してください。
1周目|章ごとに解いて解説を読み込む
1周目の目的は、出題タイプごとの解き方の型を覚えることです。章の頭から順に解き、間違えた問題とあやしい問題に印をつけ、右ページの解説を読み込みます。
分量の目安は1日30〜50問。1日30問なら1か月強、50問なら3週間ほどで1周できる計算です。まとまった時間が取れない日は、章の途中で切っても問題ありません。ただし章をまたいで日をあけすぎないようにすると、タイプごとの共通点に気づきやすくなります。
解説を読んで納得した内容は、本の余白に自分の言葉で一行だけ書き添えておくと、2周目の見直しが速くなります。書き写すのではなく、自分の言葉に置き換えるのがコツです。
2周目|印をつけた問題だけを時間を測って解き直す
2周目は全問を解き直しません。1周目で印をつけた問題だけに絞ります。ここで初めてストップウォッチを使い、前の章で決めた秒数を上限に処理します。
2周目で再び間違えた問題は、印を二重にします。この二重印の問題こそが、あなたの弱点そのものです。二重印が特定の章に集中していれば、その文法項目は問題集を離れて文法書で確認し直したほうが早いこともあります。
全問ではなく印のついた問題だけに絞るので、2周目は1周目よりずっと短い期間で終わります。1〜2週間で回せる方が多いはずです。
3周目|別冊でシャッフルして総仕上げ
3周目は別冊に移ります。章順の予測が効かない状態で、30問ずつ区切って時間を測りながら解き、本番に近い条件で確認します。
ここで正答率が本冊より落ちるのは自然なことです。落ち込む必要はなく、どのタイプで落ちたかを記録することが目的です。落ちたタイプが分かったら、本冊の該当章の二重印だけを見直します。この往復は、周回の中でも弱点に直結しやすい復習です。
本冊に収録されている文法模試も、別冊と同じく時間を測って解く教材として使えます。別冊で時間内に解き切れるようになってから取り組むと、仕上がりの確認になります。
何日で1周する?分量の決め方
周回計画は、何日で終えるかから逆算するとうまくいきます。試験日までの残り日数を確認し、1周目に半分、2周目と3周目に残り半分を割り当てるのが分かりやすい配分です。受験する回の日程は、TOEIC公開テスト2026の日程は?申込締切と対策の始め方で確認できます。
たとえば試験まで2か月なら、1周目に約5週間、2周目に2週間、3周目に1週間といった具合です。試験までの全体的なスケジュールの立て方は、TOEIC 1ヶ月の勉強スケジュールでも整理していますので、あわせてご覧ください。
大切なのは、1周目で力尽きない分量にすることです。1日100問といった無理な設定にすると、数日で崩れて再開のハードルが上がってしまいます。
問題タイプ別の回し方|章ごとに見る場所を変える
でる1000問の章は出題タイプ別に並んでいるので、章ごとに最初に見る場所と、印をつける基準を変えると周回の効率が上がります。
| 章(出題タイプ) | 最初に見る場所 | 印をつける基準 | 2周目以降の回し方 |
|---|---|---|---|
| 品詞 | 空所の直前と直後の語 | 空所に入る品詞を言えずに正解した | 全文を訳さず、前後の語だけで答える |
| 動詞 | 主語の単数・複数、時を表す語、目的語の有無 | 時制・態・数のどれで決まるかを言えない | 決め手になった語に線を引いてから選ぶ |
| 前置詞か接続詞か | 空所の後ろが名詞のまとまりか、主語と動詞のある節か | 後ろの形を確かめずに意味で選んだ | 後ろの形を先に判定し、意味は最後に確認する |
| 代名詞と関係詞 | 指している名詞と、空所が文の中で果たす役割 | 何を指すかを言えない | 指している名詞に丸をつけてから選ぶ |
| 前置詞 | 前後の名詞や動詞との組み合わせ | 組み合わせで覚えていない | 組み合わせごと書き出して覚える |
| ペア表現・語法・数・比較 | 文中の相方の語(both、either、than など) | 相方の語を見つけられなかった | 相方の語を先に探してから選択肢を見る |
表の右2列は、1周目の丸つけと2周目の解き直しにそのまま使えます。たとえば品詞の章では、正解していても品詞を言えなかった問題に印をつけ、2周目は前後の語だけで答えられるかを確認します。
章によって二重印の数に差が出たら、その差がそのまま次にやるべきことの順番です。品詞と動詞の章に二重印が多い場合は文法の土台、前置詞か接続詞かや関係詞の章に多い場合は文の構造の読み取り、前置詞やペア表現の章に多い場合は組み合わせの暗記量、というふうに原因の種類が分かれます。
なお、Part5には品詞や文法だけでなく語彙問題も混ざります。語彙問題の取りこぼしは、でる1000問ではなく単語帳の側で対策するほうが効率的です。どの単語帳を選び、どう回すかはTOEIC単語帳のおすすめはどれ?スコア帯別の比較と選び方・回し方で整理しています。
間違えた問題の印のつけ方と見直す間隔
印は、何を意味するかを最初に決めておかないと、2周目に見返したときに区別がつかなくなります。おすすめは次の5種類です。
| 印 | 意味 | 2周目での扱い |
|---|---|---|
| ○ | 根拠を言えて正解した | 解かない |
| △ | 正解したが根拠があいまい | 解き直す |
| × | 不正解 | 解き直す |
| ×× | 2周目でも不正解 | 3周目の前と試験の直前にもう一度解く |
| T | 決めた秒数を超えた | 秒数を意識して解き直す |
印をつけるだけでは、見直しを後回しにしているうちに試験日が来てしまいます。見直すタイミングを、あらかじめ予定に組み込んでおきます。
- 1周目の学習を始めるとき、前日に×をつけた問題だけを解説を見ずに解き直す
- 1つの章を終えたら、その章の×と△を通しで解き直してから次の章に進む
- 2周目では、すべての△・×・Tを、決めた秒数を上限に解き直す
- 3周目に入る前と試験の直前に、××の問題だけを解き直す
翌日、章の終わり、周の終わり、試験前という4つの区切りで同じ問題に戻る形にしておくと、間違えた問題が印をつけたまま放置されにくくなります。2周目以降は、答えの記号ではなく選んだ根拠を口に出してから解答用紙に書くようにすると、答えの位置を覚えてしまって正解する状態も防げます。
公式問題集と併用する順番
でる1000問で覚えた型が本番形式で通用するかは、試験と同じ形式の公式問題集で確認するのが確実です。でる1000問の周回のどこに公式問題集を挟むかを決めておくと、両方の使い方がはっきりします。
- でる1000問を始める前か1周目の途中で、公式問題集のテストを1回分、本番と同じ時間で解き、Part5の正答数とかかった時間を記録して現在地にする
- でる1000問の1周目を最後まで終える
- 2周目を終えたところで、公式問題集の別の1回分を通しで解く
- Part5とPart6で間違えた問題を、でる1000問のどの章のタイプかに分類し、その章の二重印を見直す
- 別冊での3周目に進み、Part5の30問を決めた時間で解き切れるかを確かめる
手順4の分類をすると、公式問題集の誤答が品詞の章に集中している、前置詞か接続詞かの判定で迷っている、といった傾向が見えてきます。でる1000問は章が出題タイプ別に分かれているので、この分類をそのまま見直す場所の指定に使えるのが、併用するときの利点です。
公式問題集は巻数が更新されていくシリーズです。どの巻から使うか、古い巻でもよいかは、TOEIC公式問題集の最新版はどれ?13巻までの違いと古い巻の選び方で整理しています。
目標スコア別の使い方
同じでる1000問でも、目標スコアによって使う範囲と力を入れるところは変わります。次の表は区切りの目安で、いまのスコアと試験までの日数に合わせて調整してください。
| 目標スコア(点) | 使う範囲 | 周回の重点 | 先に固めたいこと |
|---|---|---|---|
| 600 | 品詞と動詞の章を優先し、残りの章は2周目以降に回す | 1周目を最後まで終えること | 品詞や時制などの基本用語の意味 |
| 730 | 本冊の全章と別冊 | 2周目の秒数の管理 | 前置詞か接続詞か、関係詞の判定 |
| 860 | 本冊は二重印の問題が中心、別冊と文法模試を主に使う | 3周目の30問ごとの時間 | ペア表現・語法・比較の取りこぼし |
600点を目標にする段階では、1049問すべてを同じ重みで回そうとすると、1周目の途中で止まりやすくなります。出題の型がはっきりしている品詞と動詞の章を先に終え、ほかの章は2周目以降に回すと、まず1冊を通した感覚をつかめます。本の厚さそのものが負担なら、後で紹介する薄めの問題集から入る選択肢もあります。
730点を目標にする段階では、本冊の全章と別冊を3周の流れどおりに回すのが基本です。この段階で差がつきやすいのは、根拠は分かるのに時間がかかる問題なので、2周目のT印を減らすことを意識します。
860点を目標にする段階では、すでに多くの問題を根拠つきで正解できるはずです。本冊は二重印の問題に絞り、時間の大半を別冊と文法模試を時間内に解き切る練習に使うと、残った取りこぼしが見えやすくなります。700点から800点へ上げる段階の全体像は、TOEIC 700点から800点に上げる方法|精度と速度を極めるもあわせてご覧ください。
やってはいけないでる1000問の使い方
ここまでの手順の裏返しになりますが、周回が空回りしやすい使い方を整理しておきます。
- 毎周すべての問題を解き直す: 2周目以降も全問を解くと、すでに根拠を言える問題に時間を使ってしまいます。解き直すのは印のついた問題だけです
- ずっと時間を測らない: 本冊で正解できても、時間をかければ解けるだけの状態では本番のPart5で間に合いません。2周目からは必ず秒数を決めます
- 1周目で完璧を目指して止まる: 1周目は型を覚える周です。分からない問題は印をつけて先に進み、2周目に回すほうが全体は早く終わります
- 答えを本に書き込む: 前の答えが目に入ると、2周目以降は記憶で正解してしまいます。答えは解答用紙に書き、本には印だけを残します
- 最初から別冊だけを使う: 別冊はシャッフルされた確認用です。本冊で型を覚える前に別冊だけを回すと、間違えた理由を章の解説でまとめて確かめにくくなります
やりがちなつまずきと立て直し方
でる1000問を進めるなかで多い行き詰まりを、3つに分けて整理します。
正答率は上がったのに本番で時間が足りない
問題集では解けるのに、模試や本番だとリーディングが最後まで終わらない。これはよくあるパターンで、原因は文法力そのものではなく時間の配り方にあることがほとんどです。
先ほど触れたとおり、リーディングは75分で100問。Part5とPart6を短く切り上げないと、54問あるPart7に十分な時間が残りません。でる1000問の2周目で速度を上げる練習をしておくのは、まさにこのためです。
Part5・6に何分使い、Part7に何分残すかという配分そのものは、前の章で紹介したリーディングの時間配分の記事で決めておくと、2周目の秒数もそこから自動的に決まります。
Part7側の解く順番や時間の配り方については、TOEICの長文が時間内に終わらない|Part7の時間配分と解く順で詳しく整理しています。文法問題集の周回と並行して、そちらの設計も進めておくと本番でのあわてが減らせます。
1周したのに点が動かない
1周終えたのにスコアが変わらないという相談も多く聞きます。この場合、まず確認したいのは1周目の丸つけが、正解したかどうかだけになっていなかったかです。あやしい問題を拾えていないと、1周は解いただけで、潰したことにはなりません。
もうひとつ、文法以外に原因がある可能性もあります。語彙が足りない、リスニングが伸びていない、そもそも解く量が足りていない、といったケースです。停滞の原因を層別に切り分ける考え方は、TOEICが勉強しても点数が上がらない|停滞の5つの原因にまとめています。文法だけを疑う前に、一度全体を見渡してみてください。
文法の土台がない状態で始めてしまった
でる1000問は解説が丁寧ですが、問題演習が中心の本です。品詞や関係詞といった用語の意味そのものがあいまいだと、解説を読んでも消化しきれず、手が止まりやすくなります。
心当たりがある場合は、先に基礎の文法を薄い本で通してから戻るほうが結果的に速いことがあります。社会人の学び直しの進め方は、英文法のやり直しは何から始める?で解説しています。
また、いきなり1049問に向き合うのが重い場合は、出題頻度の高いところに絞った薄めの問題集から入るという選択肢もあります。まず1冊を終える成功体験をつくってから、でる1000問に移るという順番です。
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でる1000問と組み合わせたい学習と次の一手
でる1000問は文法問題に特化した本なので、これ1冊でTOEIC対策が完結するわけではありません。組み合わせを考えておくと、周回した力がスコアに反映されやすくなります。
まず公式問題集との併用です。前の章の手順のとおり、2周目が終わったあたりで一度時間を測って通しで解いてみると、残りの期間で何を優先すべきかが見えてきます。
次に単語との並行です。文法の型が固まっても語彙が薄いと、Part5の語彙問題で取りこぼしが残ります。文法問題集の周回と単語学習は、時間帯を分けて並行させるのがおすすめです。定番の単語帳の回し方は、金のフレーズの使い方と周回のコツで紹介しています。
そのうえで、自分のレベルに合った教材を順番に積んでいく全体像は、TOEICの参考書は何から始める?レベル別に選ぶ4冊の順番で整理しています。でる1000問の前後に何を置くか迷ったときの参考にしてください。
筆者の判断基準
この記事の手順は、次の4つの基準で組み立てています。
- 周回数ではなく印の数で進み具合を判断する: 3周したかどうかより、△と×が減ったか、××がどの章に残っているかのほうが、次にやることを決める材料になります
- 秒数は公式の形式から逆算して決める: 1問あたりの秒数は感覚で決めず、IIBCが公表しているリーディングの時間と問題数から割り出します
- 本冊で型を覚えてから別冊で確かめる順番を崩さない: 本冊と別冊は同じ問題を並べ替えたものなので、順番を入れ替えると確認の役割が失われます
- 公式と版元で確かめられる情報だけを前提にする: 試験の形式は IIBC の公式ページ、本の構成や問題数はアスク出版の書籍ページで確認したものを使い、効果を約束する数字は扱いません
よくある質問
でる1000問は初心者でも使えますか?
使えますが、品詞や時制といった文法用語の意味があいまいな段階では、解説を読んでも消化しにくいことがあります。その場合は、薄い文法書や出題頻度を絞った問題集で用語に慣れてから戻るか、目標スコア別の表の600点の行のように、品詞と動詞の章から始めて範囲を絞るのが現実的です。
別冊だけを使ってもいいですか?
本冊をすでに一通り終えている人が、総復習や外出先の演習として別冊を使うのは、版元の説明どおりの使い方です。一方で、初めて取り組む人が別冊だけを回すと、間違えた理由を章の解き方の説明でまとめて確かめにくくなります。初めての場合は本冊から始め、別冊は3周目に回すことをおすすめします。
電子書籍やアプリでも使えますか?
アスク出版の書籍ページでは、紙の書籍のほか、電子書籍の販売先としてAmazon Kindle、abceed、mikanが案内されています。どの形式でも周回の手順は同じですが、印をつけたり一行メモを残したりする作業は、紙のほうが手早くできます。電子版で進める場合は、問題番号と印を別のメモにまとめておくと、2周目に解き直す問題を探しやすくなります。
参照した公式情報(取得日)
- テストの形式と構成|TOEIC Listening & Reading Test|IIBC(2026年10月9日取得)
- TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問|アスク出版(2026年10月9日取得)
まとめ|厚さではなく回し方で決まる
でる1000問の使い方を、あらためて整理します。
- 本冊は出題タイプ別、別冊はシャッフル。本冊で型を覚え、別冊で確かめる二段構えが基本
- 1周目は時間を測らず、根拠を言葉にできたかで丸つけする
- 2周目は印のついた問題だけを、Part5の時間配分から逆算した秒数で解き直す
- 3周目は別冊を30問ずつ区切り、本番のPart5と同じ問題数で時間を測る
- 章ごとに見る場所と印の基準を変え、二重印が集まった章から原因を切り分ける
- 公式問題集は2周目のあとに通しで解き、誤答を本冊の章に戻す
- 分量は1日30〜50問を目安に、試験日から逆算して決める
1049問という数字だけを見ると身構えてしまいますが、実際に何度も向き合うのは印をつけた問題だけです。全問を3回解く本ではない、と考えると気持ちがずいぶん軽くなるはずです。
まずは自分のPart5の時間配分を決め、1周目の1日の分量を決めて、今日の分から始めてみてください。章がひとつ終わるころには、Part5の選択肢の並びを見た瞬間に何を問われているかが見えるようになってきます。


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