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暗記カードの作り方|覚えやすい書き方と回し方のコツ
テスト前に暗記カードを作ってみたけれど、作るだけで時間が終わってしまった——そんな経験はないでしょうか。カードの束は分厚くなったのに、いざめくってみると答えがぱっと出てこない。それでも「作ったから大丈夫」という気持ちになって、そのまま机の隅に置きっぱなし、というパターンもよくあります。
暗記カードは、作り方と回し方を少し変えるだけで、同じ時間でも定着のしかたが変わってきます。逆に言うと、なんとなく作ると「書き写すだけの作業」で終わってしまいやすい道具でもあります。
この記事では、暗記カードの作り方を次の順番でお伝えします。
- 作る前に決めておきたいこと(カードに向く内容・向かない内容)
- 暗記カードの作り方 5つのステップ
- 覚えやすいカードにするための書き方のコツ
- 作ったあとの回し方(間隔をあけて何度も解く)
- 教科別の作り方の目安と、よくある失敗の直し方
中学生・高校生が自分で進められるように書いていますので、お子さんのやり方を見直したい保護者の方にも参考にしていただけると思います。
暗記カードを作る前に決めること
いちばん最初にやることは、カードを書くことではなく、何をカードにするかを絞ることです。ここを飛ばすと、範囲まるごとをカードに書き写す作業が始まってしまいます。
暗記カードが向いているのは、次のような内容です。
- 問いに対して答えが1つに決まるもの(英単語の意味、用語の名前、年号、化学式、公式の形など)
- 見た瞬間に思い出せるようにしたいもの
- 何度も間違えていて、集中的につぶしたいもの
反対に、次のような内容はカードにしても効きにくくなります。
- 出来事の流れや因果関係(歴史の「なぜそうなったか」など)
- 手順を追って解く計算問題や証明
- 文章全体の読み取り・要約
流れや因果を覚えたいときは、ノートや教科書に線を引き、赤シートで隠して確認したほうが前後関係ごと頭に残りやすくなります。カードにしない範囲をどう扱うかは、暗記ペンの選び方の記事も合わせて読んでみてください。カードとペンは役割が違う道具なので、両方を使い分けるのが現実的です。
そのうえで、「今回カードにするのはこの範囲のこの部分だけ」と決めてから書き始めます。目安としては、テスト範囲のうち何度も間違えているところに絞るくらいでちょうどよいことが多いです。
暗記カードの作り方|5つのステップ
ここからは実際の手順です。
ステップ1|道具を決める
まず、どんなカードに書くかを決めます。選ぶポイントは、紙の厚さ・1枚の大きさ・綴じ方の3つです。薄い紙は裏の答えが透けて見えてしまい、隠す意味がなくなります。持ち歩いて繰り返すなら、リングで綴じられていて、ばらけずにめくれるものが扱いやすくなります。
教科ごとに分けて何冊も作りたい、余白を広く使って図もかきたい、という場合は、少し大きめで無地のものをまとめて用意しておくと途中で足りなくなりません。
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まずは1冊試してみたい、通学かばんに入れて持ち歩きたい、という場合は、文具店で定番になっている標準サイズの単語カードが扱いやすいです。色違いで教科を分けるという使い方もできます。
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ステップ2|「問いの形」で抜き出す
教科書やノートを見ながら、覚えたい内容を質問の形に言い換えて抜き出します。「江戸幕府を開いた人物は?」「acquire の意味は?」のように、答えが1つに決まる問いにするのがポイントです。
ここで「〜について」のようなあいまいな問いにしてしまうと、めくったときに何を答えればいいのか分からず、確認になりません。
ステップ3|表に問い、裏に答えを書く
表には問いだけを書きます。裏には答えを書き、必要なら思い出すための手がかりを一行だけ添えます。表に答えのヒントを書き込みすぎると、思い出す前に目に入ってしまい、「思い出す練習」になりません。
ステップ4|1枚に1つの情報だけ入れる
1枚に複数の項目を詰め込むと、「どれかは答えられた」で先に進んでしまいます。1枚1情報にしておくと、できた・できないの判定がはっきりして、あとで仕分けるときにも役立ちます。
ステップ5|作った日のうちに1周する
作り終えたら、その日のうちに一度めくって解いてみます。作った直後は覚えているつもりでも、実際に問いだけを見ると出てこない語が見つかることが多いはずです。ここで「まだ出てこない札」に印を付けておくと、翌日からの復習が一気に楽になります。
覚えやすい暗記カードにする書き方のコツ
同じ枚数でも、書き方しだいで思い出しやすさは変わってきます。
自分の言葉で短く書く
教科書の説明をそのまま丸写しすると、文が長くなって読むだけで時間がかかります。自分が理解した言い方に置き換えて短く書くと、書く段階で一度考えることになるので、その時点から定着が進みやすくなります。
ヒントを書きすぎない
表に例文や頭文字を入れると答えやすくなりますが、それは「思い出せた」のではなく「読めた」だけのことがあります。手がかりは裏側にまわし、表はできるだけシンプルにしておきます。
色は1色までに絞る
色分けを凝りはじめると、作ることが目的になってしまいます。強調は1色だけ、あとは黒で十分です。
図で覚えるものは図をかく
理科の器具の名前、地図上の位置などは、文字だけより簡単な図を添えたほうが思い出しやすくなります。うまくかく必要はなく、輪郭が分かれば大丈夫です。
作る時間に上限を決める
「今日は30分だけ作る」と決めておくと、作業に流れるのを防げます。暗記カードは作った時間ではなく、めくった回数で効いてくる道具です。
作ったあとの回し方|間隔をあけて何度も解く
暗記カードの大きな利点は、できたものとできないものを物理的に分けられることです。この特性を使わないと、ただの単語帳と変わらなくなってしまいます。
おすすめは、束を3つに分ける方法です。
- すぐ答えられた札:しばらく間をあけてから確認する
- 少し考えて答えられた札:翌日もう一度解く
- まったく出てこなかった札:その日のうちにもう一度、翌日も解く
一度で完璧にしようとせず、間をあけて何度も出会うほうが記憶に残りやすいと言われています。1日で10周するより、3日に分けて解いたほうが手応えが出やすいので、テスト前日にまとめて作るのではなく、範囲が出た時点から少しずつ作っておくと余裕が生まれます。
回すときのコツもいくつかあります。
- 声に出して答える:頭の中で「たぶんこれ」と流すのを防げます
- 時間を区切る:1枚あたり数秒で判断し、出てこなければ迷わず裏を見て「できない束」へ
- 順番をシャッフルする:並び順で覚えてしまうのを防げます
- 持ち歩いてスキマ時間に使う:登下校中や休み時間など、机に向かえない時間でも進められるのがカードの強みです
「できない束」が薄くなっていくのが目に見えるので、進んでいる実感を持ちやすいのも、紙のカードならではの利点だと思います。
教科別|暗記カードの作り方の目安
英単語
表に英単語、裏に意味と短い例文を1つ。つづりも覚えたい語は、めくる前に紙に書いてから答え合わせをすると、書ける状態まで持っていきやすくなります。すべての単語をカードにする必要はなく、市販の単語帳で何度も間違えた語だけを抜き出して作るほうが効率的です。
漢字・古文単語
漢字は「読み→書き」と「書き→読み」で方向が変わるため、苦手なほうを表にします。書く練習と組み合わせたい場合は、小学生が漢字を効率よく覚える方法の記事で紹介している考え方が、中学生以降にもそのまま応用できます。古文単語は、意味を複数持つ語が多いので、1枚に1つの意味と決めて分けて作ると混乱しにくくなります。
理科・社会の用語
用語の名前を答えるカードと、説明から用語を当てるカードでは負荷が違います。テストの出題形式に合わせて、どちらの向きで作るかを決めてください。分野ごとに覚え方を変えるという考え方は、中学受験で理科の暗記が苦手な場合の記事でも詳しく触れています。
数学の公式
公式そのものより、「どんなときに使う公式か」を表にすると、解くときに引き出しやすくなります。ただし、計算手順そのものは問題を解いて身につけるものなので、カードは入口の確認にとどめるのがおすすめです。
暗記カードでよくある失敗と直し方
作っただけで満足してしまう
いちばん多い失敗です。作る時間と回す時間をあらかじめ分けて、「作る日」と「回す日」を決めてしまうと防ぎやすくなります。
範囲を全部カードにしてしまう
枚数が増えるほど1周にかかる時間が延び、結局回らなくなります。すでに答えられるものはカードにしない、が原則です。
字が小さく、情報が多い
めくった瞬間に読み取れないカードは、回すのが億劫になります。1枚に書く量を減らし、余白を残してください。
続かない
毎日決まったタイミング(朝の支度前、電車の中など)に紐づけると、思い出す手間がなくなります。1日の枚数を欲張らないことも大切です。
アプリと紙で迷う
アプリは自動で復習間隔を管理してくれる一方、紙は書きながら覚えられて、束を分ける操作が直感的です。どちらが向いているかは覚えたい内容と生活リズムによって変わります。判断の材料は単語帳は電子版と紙どっちがいいかを比較した記事にまとめていますので、迷っている方はそちらもご覧ください。
まとめ
暗記カードの作り方を、あらためて整理します。
- 作る前に「カードにする内容」を絞る(答えが1つに決まるものだけ)
- 表は問いだけ、裏は答えと手がかり一行、1枚1情報
- 作った日のうちに1周し、できない札に印を付ける
- 3つの束に分けて、間隔をあけて何度も解く
- 声に出す・順番を変える・持ち歩いてスキマ時間に回す
カードは作った枚数ではなく、めくった回数で効いてくる道具です。まずは今いちばん苦手な範囲から、少ない枚数で始めてみてください。1周する時間が短いほど、繰り返しやすくなります。


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