評定平均の出し方は?通知表から計算して出願基準と照合する手順

評定平均の出し方は?通知表から計算して出願基準と照合する手順 大学受験

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通知表を並べてはみたものの、「結局、自分の評定平均はいくつなのか」で手が止まっていないでしょうか。学校推薦型選抜の出願は11月に入ると始まります。志望校の出願基準に届いているかどうかは、いま手元にある通知表だけで確かめられます。

この記事では、通知表の数字を書き写して自分の評定平均を出す手順を、3つのステップに分けて説明します。あわせて、計算でつまずきやすい点、出した数値を出願基準や学習成績概評と照らす方法、そして基準に届かなかったときにどこから考え直すかまでをまとめました。数字を出すところで終わらせず、次の行動を決めるところまで進められる形にしています。

評定平均とは何を指す数値か

評定平均とは、高校で履修した各科目の評定(5段階)を平均した数値です。調査書に記載され、大学へ提出されます。学校推薦型選抜や総合型選抜で「出願には◯◯以上が必要」と書かれているのは、この数値のことです。

数値そのものは小数第1位までで表されます。4.3、3.8といった見慣れた形です。高校3年間の学習の積み上げが1つの数字に圧縮されるため、直前の努力だけでは大きく動きません。逆にいえば、10月の時点で「自分がどのあたりにいるか」はほぼ確定しており、いま計算する意味があるということでもあります。

なお、高校受験で使う「内申点」は都道府県ごとに計算のルールが異なり、大学受験の評定平均とは別物です。中学生のお子さんの数値を知りたい場合は、内申点の計算方法は?仕組みと都道府県で違うポイントをやさしく解説を参照してください。

「評定平均値」と「学習成績の状況」は同じものか

同じものを指しています。文部科学省が示す調査書の様式では、以前は「評定平均値」と呼ばれていた欄が 「全体の学習成績の状況」 という名称に改められました。高校での学習を全体として把握するという趣旨を明確にするための変更です。

そのため、学校の先生が「学習成績の状況」と言い、塾や受験情報サイトが「評定平均」と書く、という状態がいまも並行しています。募集要項の表記も大学によって揺れがあります。どちらの言葉が出てきても同じ数値のことだと押さえておけば、読み違えることはありません。

「各教科の学習成績の状況」との違い

調査書には、全科目をまとめた「全体の学習成績の状況」とは別に、教科ごとの平均である「各教科の学習成績の状況」も記載されます。国語、地理歴史、数学、外国語といった教科単位の数値です。

出願基準は全体の数値だけとは限りません。「全体で一定以上、かつ外国語で一定以上」のように、教科別の条件が重ねて設定されていることがあります。自分の数値を出すときは、全体だけでなく志望校が指定しそうな教科の平均も一緒に計算しておくと、募集要項を読んだときにすぐ判断できます。

評定平均の出し方|3ステップで計算する

必要なものは、高1から現在までの通知表(または成績通知)だけです。電卓を用意して、次の3ステップで進めます。

ステップ1:対象になる成績を集める

評定平均に入るのは、高1から高3の1学期(2学期制なら前期)までの成績です。高1・高2については学年末に確定した評定を、高3については1学期(前期)の評定を使います。

ここで大事なのは、高3の2学期以降の成績は入らないという点です。秋以降にどれだけ成績が上がっても、出願に使う数値は動きません。だからこそ、10月の時点で計算した数値は「見込み」ではなく、ほぼ最終的な数値として扱えます。

3年間分の通知表が見つからない場合は、担任の先生に相談すれば確認できます。調査書そのものの発行手続きとあわせて早めに動いておくと、出願直前に慌てずに済みます。

ステップ2:記入表に写して「評定の合計」と「評定の数」を出す

次の表に、通知表の評定をそのまま書き写します。科目名は自分の履修に合わせて書き換えてください。空欄は埋めながら使う前提の表です。

学年 使う成績 履修した科目の評定(例:5, 4, 4, 3…) 評定の合計 評定の数
高1 学年末の評定
高2 学年末の評定
高3 1学期(前期)の評定
合計 — —

書き写すときのポイントは2つです。

1つ目は、履修したすべての科目を入れること。体育、音楽、美術、家庭科といった実技系の科目も、国語や数学とまったく同じ「1科目」として数えます。得意・不得意にかかわらず全部書き出してください。

2つ目は、「評定の数」を数え落とさないことです。合計値だけ出して科目数をあいまいにすると、あとの割り算がずれます。1行ずつ、評定を書いた個数をそのまま数えれば大丈夫です。

ステップ3:合計 ÷ 評定数 → 小数第2位を四捨五入する

計算式はこれだけです。

評定平均(全体の学習成績の状況)= 評定の合計 ÷ 評定の数

割り切れないことがほとんどなので、小数第2位を四捨五入して、小数第1位までで表します。単位数をかけたり重みを付けたりする必要はありません(この点は後述します)。

計算例:評定の合計が56、評定の数が13の場合

具体的な数字で流れを追ってみます。以下は計算の手順を示すための例で、特定の生徒の成績ではありません。

  • 評定の合計:56
  • 評定の数:13
  • 56 ÷ 13 = 4.307…
  • 小数第2位を四捨五入 → 4.3

3年分をまとめて計算するので、実際には評定の数が40前後になることも珍しくありません。数が増えても手順は同じで、すべての評定を足して、その個数で割るだけです。

計算でつまずきやすい4つの点

計算式そのものは単純ですが、前提を取り違えると数値がずれます。よくある4つを先につぶしておきます。

単位数で重み付けはしない

「単位数の多い科目のほうが重く扱われるのでは」と考える方がいますが、全体の学習成績の状況は単位数を使わない単純平均です。週に多くの時間を使う科目も、単位数の少ない科目も、評定としては同じ1つとして扱われます。

大学入学後のGPAは単位数で重み付けするのが一般的なので、そこと混同しやすいところです。高校の調査書の数値は、あくまで評定の個数で割ります。

実技科目も同じ1科目として入る

前述のとおり、実技科目も評定の数に含まれます。主要教科だけで計算すると数値が実際と食い違うので注意してください。

裏を返せば、実技科目の評定は全体の数値に同じ重みで効いてきます。提出物や授業への取り組みで評価が決まる部分が大きい科目でもあるため、残り期間で動かせる余地が比較的あるのはこちらだといえます。

高3の2学期以降の成績は入らない

ステップ1で触れた点ですが、勘違いが多いので繰り返します。高3の2学期・後期の成績は、出願に使う数値には反映されません。

これは「もう手遅れ」という話ではなく、判断材料がすでに確定しているという意味です。いま計算した数値をもとに、出願先を決める作業に進めます。

学校によって扱いが分かれる部分は担任に確認する

学校設定科目の扱いや、転入・留学があった場合の科目の数え方など、個別の事情で判断が必要な部分があります。調査書は在籍校が指導要録に基づいて作成するため、最終的な数値を出すのは学校です。

自分で計算した数値は「見込み」として扱い、出願基準ぎりぎりの場合は必ず担任の先生に確認してください。0.1の差で出願可否が変わる場面では、この確認が決定的になります。

出した数値を出願基準と照合する

数値が出たら、次は「その数値で何ができるか」を確認します。

学習成績概評(A〜E)で自分の位置を知る

調査書には、全体の学習成績の状況をもとにした 学習成績概評 がA〜Eの5段階で記載されます。区分は次のとおりです。

学習成績概評 全体の学習成績の状況
A 5.0〜4.3
B 4.2〜3.5
C 3.4〜2.7
D 2.6〜1.9
E 1.8以下

大学によっては、出願基準を数値ではなく「概評A以上」といった形で示すことがあります。自分の数値がどの区分に入るかを見ておくと、募集要項の書き方が変わっても読み替えられます。

募集要項で確認する3項目

出願基準は大学・学部・方式ごとに異なり、年度によっても変わります。数値の目安を他人の記事から拾うのではなく、志望校の募集要項を直接読んで、次の3点を確認してください。

  1. 全体の基準値:全体の学習成績の状況に何以上という条件が付いているか
  2. 教科別の基準の有無:特定の教科や科目に別の条件が重ねられていないか
  3. 対象期間:どの学年までの成績を対象とすると書かれているか

学校推薦型選抜の出願がいつ始まり、どの順で進むのかは学校推薦型選抜の日程はいつ?2027年度入試の出願・選考スケジュールにまとめています。基準の確認と日程の確認はセットで進めると漏れがありません。

届く/ぎりぎり/届かないの判定表

基準値と自分の数値の差から、次にやることを決めます。

自分の数値と基準の差 状況 次にやること
基準を0.2以上上回る 届いている 出願書類の準備へ進む。校内選考がある場合はその締切を確認する
差が±0.1以内 ぎりぎり 担任に確定値を確認する。学校が出す数値が自己計算とずれる可能性を前提に、併願先も同時に検討する
基準を0.1以上下回る 届かない 残り期間で埋められる幅を計算したうえで、出願先の組み替えを検討する(次章)

不足分を残りの学期で埋められるかを数える

「あと0.2足りない」と分かったとき、次に知りたいのはそれが現実的に埋まる差なのかです。ここは感覚ではなく算数で確かめられます。

1科目の評定を1上げると全体はどれだけ動くか

評定平均は、評定の合計を評定の数で割った値です。つまり、1科目の評定が1上がったときに全体が動く幅は「1 ÷ 評定の数」になります。

  • 評定の数が20のとき:1 ÷ 20 = 0.05
  • 評定の数が40のとき:1 ÷ 40 = 0.025

3年分を通算すると評定の数はかなり多くなるため、1科目上げた程度では全体はほとんど動きません。0.2を埋めようとすれば、評定の数が40なら8科目で1ずつ上げる必要がある計算です。

そして高3の2学期以降は対象外ですから、高3の秋にこの差を埋める手段は基本的に残っていません。高1・高2の段階でこの記事を読んでいる方は、いま計算して差を把握しておくことが、そのまま次の学期の目標になります。

残り学期の計画を記録して積み上げる

まだ対象期間が残っている学年であれば、やることは「どの科目を、いつまでに、どこまで」を決めて記録することです。定期テストは学期ごとに区切られているので、提出物と小テストを含めた積み上げを見える形にしておくと、科目ごとの手の入れ方を決めやすくなります。

日単位で学習を記録したい場合は、デイリー型の学習手帳が使いやすい形です。

同じシリーズには、綴じノート型で持ち歩きやすいものもあります。まず書く習慣をつけたい段階に向いています。

1日単位だと細かすぎると感じる場合は、週単位で科目の配分を決めるタイプもあります。部活動で平日の時間が読みにくい人は、こちらのほうが崩れにくいでしょう。

道具そのものが成績を上げるわけではありません。ねらいは、「どの科目にどれだけ手を入れたか」を後から確認できる状態を作ることにあります。

基準に届かないときの進路の組み替え方

差が埋まらないと分かった時点で、出願先の側を組み替えるほうが早いことがあります。評定平均は入試方式によって重みがまったく違うためです。

評定を課さない入試に切り替える

学校推薦型選抜は評定平均の基準が設定されているのが一般的ですが、総合型選抜では評定基準を設けない大学・学部もあります。この場合、評価の中心は志望理由書や面接、活動の記録などに移ります。一般選抜であれば、当日の学力試験の比重がさらに大きくなります。

総合型選抜がどの時期に動く入試なのかは総合型選抜の日程はいつ?2027年度入試の出願・選考スケジュールと夏からの準備で確認できます。出願先そのものを見直す段階なら、大学受験で志望校を下げるか迷ったら|時期別の判断材料と切り分け方の判断材料も参考になります。

切り替えを決めたあとに最初に手をつけることになるのが志望理由書です。書き方の型から入りたい場合は、総合型選抜の志望理由書、書き方に迷ったら読みたい本の選び方で本の選び方を整理しています。

総合型選抜や公募推薦の準備を外部の指導と組み合わせて進めたい場合は、対策を専門に扱う塾もあります。まずは資料や相談で、いまの時期から間に合う進め方かどうかを確認するとよいでしょう。

総合型選抜と公募推薦対策の専門塾【ホワイトアカデミー高等部】

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筆者の判断基準

この記事を書くにあたって置いている判断の基準を、3点だけ明示しておきます。

1つ目は、自己計算はあくまで見込みとして扱うこと。 調査書を作成するのは在籍校であり、科目の数え方には学校ごとの事情が入ります。自分の計算と学校の数値が一致することのほうが多いとはいえ、出願可否がかかる場面では確定値を学校に確認するのが先だと考えています。

2つ目は、差が0.3以上あるときは、計画の組み替えより出願先の組み替えを先に検討すること。 前章の計算のとおり、評定の数が多いほど1科目あたりの影響は小さくなります。残り期間が短いほど、届かせるための努力より、評定の重みが小さい入試方式を選ぶほうが合理的になります。

3つ目は、他人の記事に載っている「◯◯大学は4.0以上」といった数値を判断材料にしないこと。 出願基準は学部・方式・年度で変わります。この記事でも特定の大学の基準値は書いていません。正しいのは志望校の募集要項だけです。

よくある質問

評定平均は何年生の成績から入りますか?

高1の成績から入ります。高1・高2は学年末の評定、高3は1学期(前期)の評定が対象です。高3の2学期以降は含まれません。「3年生になってから頑張れば間に合う」と考えられがちですが、実際には入学直後からの積み上げが反映される数値です。

欠席が多いと評定平均は下がりますか?

評定は各科目の学習の評価であり、出欠の記録は調査書の別の欄に記載されます。したがって欠席日数がそのまま評定平均の計算に入ることはありません。ただし、授業への参加状況や提出物が評価の観点に含まれる科目では、結果として評定に影響することがあります。科目ごとの評価の観点は学校が示しているので、気になる場合は担当の先生に確認してください。

自分で計算した数値と学校が出した数値がずれたときは?

多くの場合、原因は対象科目の数え方の違いです。学校設定科目を入れたかどうか、転入前の成績の扱い、履修と修得の区別などで差が出ます。差が0.1程度であれば数え方の問題である可能性が高いので、担任の先生に「どの科目を何科目として数えているか」を確認するのが早道です。出願に使うのは学校が作成した調査書の数値です。

参照した公式情報(取得日)

まとめ

評定平均(全体の学習成績の状況)の出し方は、対象になる成績を集める → 記入表に写して合計と個数を出す → 合計を個数で割って小数第2位を四捨五入する、この3ステップです。単位数で重み付けはせず、実技科目も1科目として数えます。

数値が出たら、学習成績概評の区分と志望校の募集要項の3項目(全体の基準・教科別の基準・対象期間)に照らして、届く/ぎりぎり/届かないを判定してください。届かない場合は、1科目上げたときに動く幅(1÷評定の数)を計算すれば、残り期間で埋まる差かどうかがすぐ分かります。埋まらないと判断したときは、評定の重みが小さい入試方式へ出願先を組み替えるほうが現実的です。

対象期間がまだ残っている学年なら、いま出した数値がそのまま次の学期の目標になります。科目ごとの手の入れ方を記録しながら進めてみてください。

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