小学生の国語力を上げる本の選び方|語彙・読解・書く力別と学年別の使い方

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小学生の国語力を上げる本の選び方|語彙・読解・書く力別と学年別の使い方

「うちの子、教科書は読めているのにテストになると点が取れない」「読書はするけれど、内容を聞くとうまく答えられない」。小学生のお子さんを見ていて、こんなふうに感じたことはありませんか。

国語力は算数のように「解き方を覚えれば伸びる」科目ではないため、どこから手を入れればよいのか迷いやすい分野です。本を買い足しても変化が見えず、問題集を増やしても続かない、という行き詰まりもよく起こります。

この記事では、国語力を上げる本を 伸ばしたい力 → 学年 → 続けられるか の順で選ぶ方法を整理しました。国語力を語彙・読解・書く力に分けて本を当てる考え方、学習指導要領に沿った学年別の選び方、物語と説明文の混ぜ方、読んだあとの親の関わり方までを扱います。読み物の書名のおすすめは別記事に任せ、ここでは「国語力を伸ばす」観点での選び方と使い方に絞ります。

この記事でわかること

  • 国語力を語彙・読解・書く力に分けたときの、つまずきのサインと向く本
  • 公的な調査から分かる、読書と国語の関係(どこまで言えて、どこから言えないか)
  • 低・中・高学年で本の選び方をどう変えるか
  • 読書と問題集・ドリルの役割分担と、読んだあとの声かけの型
  • 読書が苦手な子の入り口の作り方
  1. 結論|国語力を上げる本は伸ばしたい力、学年、続けられるかの順で選ぶ
  2. 国語力を3つに分けて考える|語彙・読解・書く力
  3. データで見る読書と国語の関係|分かるのは相関まで
  4. 学年別の本の選び方|学習指導要領の目標に合わせて変える
    1. 低学年(1・2年)|楽しんで読み、内容の大体をつかむ
    2. 中学年(3・4年)|幅広く読み、段落のつながりを追う
    3. 高学年(5・6年)|進んで読み、事実と意見を分ける
  5. 物語と説明文をどう混ぜるか
  6. 目的別|国語力を上げる問題集・ドリル
    1. 苦手な子の入り口に|楽しく読解に取り組める一冊
    2. レベル別に長く使う|思考力ごと鍛えるシリーズ
    3. 論理・記述の土台に|言葉の関係を整理する問題集
    4. 学年の読解を反復する|学年別の読解ドリル
    5. 書く力を足したいとき|作文・表現のドリル
    6. 目的別・問題集の比較
  7. 読書と問題集・ドリルの使い分け
  8. 読んだあとの親の関わり方|要約と質問の型
  9. 読書が苦手な子の入り口|つまずき方で変える
    1. 長い文章を読むと疲れてしまう
    2. 物語に入り込めない
    3. 字を追うのが遅い・読み飛ばす
    4. 感想を求められるのが嫌
  10. 筆者の判断基準|この記事で本と教材を選んだ5つの基準
  11. よくある質問
    1. 何冊も買ったほうがいいですか?
    2. 読書が好きになれば国語の点は上がりますか?
    3. 学年より下のレベルから始めても大丈夫ですか?
  12. 参照した公式情報(取得日)
  13. まとめ

結論|国語力を上げる本は伸ばしたい力、学年、続けられるかの順で選ぶ

先に結論をまとめます。国語力を上げる本は、次の順番で絞り込むと迷いが減ります。

  1. 伸ばしたい力を1つ決める:語彙・読解・書く力のうち、今いちばんつまずいているのはどれかを見極める
  2. 学年の目標に合わせる:低学年は楽しんで読む、中学年は幅広く読む、高学年は進んで読むが学習指導要領の学年目標。本の種類もこれに合わせて変える
  3. 続けられる形を選ぶ:1回分が短い、題材に興味が持てる、レベルが今の力の少し上。この3つがそろわないと、どんな良書も開かれない

読み物(物語・説明文の本)と問題集・ドリルは役割が違います。読み物は語彙と読む量を、問題集は「問われたことに答える」練習を担います。どちらか一方ではなく、伸ばしたい力に応じて比重を変えるのが基本です。

国語力を3つに分けて考える|語彙・読解・書く力

ひとことで国語力と言っても、中身はいくつかの力の集まりです。家庭で対策するときは、次の3つに分けると本を選びやすくなります。論理的に考える力は、読解と書く力の両方にまたがる土台として扱います。

力 つまずきのサイン 向く本・教材 家庭での確かめ方
語彙 文章中の言葉の意味を聞くと答えられない/会話の言葉が限られている 図鑑・事典、身近な題材の説明文、子ども向け国語辞典 読んだ本から言葉を1つ選び、意味を説明してもらう
読解 読んだのに「誰が・何を・なぜ」が言えない/設問の答えを本文から探せない 学年に合った物語と説明文、読解ドリル 読後に一言で「どんな話だった?」と聞く
書く力 読み取れているのに答えを文にできない/作文が一文で止まる 論理・記述の土台を作る問題集、作文・表現のドリル 読んだ内容を二文で書いてもらう

「国語が苦手」と感じるとき、実際にはこのどこか一か所でつまずいていることがほとんどです。たとえば語彙が足りない子に読解ドリルを渡しても、知らない言葉で止まってしまい、読解の練習になりません。逆に、読み取れているのに書けない子に読み物を増やしても、答えを文にする練習は増えません。どの力を伸ばしたいかを決めてから本を選ぶことが、遠回りに見えて結局は無駄が少なくなります。

学習指導要領でも、語彙は学年ごとに増やす言葉の種類が示されています。低学年は 身近なことを表す語句、中学年は 様子や行動、気持ちや性格を表す語句、高学年は 思考に関わる語句 です。低学年のうちは身の回りの物事の名前、中学年は気持ちや性格を表す言葉、高学年は「理由」「対比」「前提」のような考えるための言葉、と段階が上がっていきます。語彙の本を選ぶときは、この段階を目安にすると学年に合った一冊が見つけやすくなります。

データで見る読書と国語の関係|分かるのは相関まで

「本を読む子は国語ができる」とよく言われます。公的な調査では、どこまで確かめられているのでしょうか。

国立教育政策研究所の令和7年度全国学力・学習状況調査(小学6年生)では、「読書は好きですか」への回答別に国語の平均正答率が集計されています。

読書は好きですか 国語の平均正答率(%)
当てはまる 73.6
どちらかといえば、当てはまる 66.3
どちらかといえば、当てはまらない 62.9
当てはまらない 56.2

家にある本の冊数(雑誌・新聞・教科書を除く)別に見ても、冊数が多い層ほど国語の平均正答率が高い傾向があります。

家にある本の冊数 国語の平均正答率(%)
0〜10冊 56.4
11〜25冊 63.3
26〜100冊 69.3
101〜200冊 71.8
201〜500冊 74.3
501冊以上 73.1

ただし、報告書自身が 相関関係を分析したものであり、因果関係を示したものではない と注意書きしています。読書が好きな子は国語の点が高い傾向がある、とまでは言えますが、「本を好きにさせれば点が上がる」「本を買いそろえれば点が上がる」とは言えません。とくに家の蔵書冊数は、家庭の環境全体を映す指標でもあります。本を増やすこと自体より、本が身近にあり、読む時間が生活の中にある状態をどう作るかを考えるほうが、家庭でできることに近いでしょう。

読書量の実態も見ておきます。同じ調査で、平日に学校の授業以外で読書を 全くしない と答えた小学6年生は 29.0% でした(教科書・参考書・漫画・雑誌を除く)。

平日1日あたりの読書時間 小学6年生の割合(%)
2時間以上 6.4
1時間以上、2時間より少ない 8.9
30分以上、1時間より少ない 16.0
10分以上、30分より少ない 22.2
10分より少ない 17.4
全くしない 29.0

一方、全国学校図書館協議会の第70回学校読書調査では、小学生(4〜6年生)の5月1か月間の平均読書冊数は 12.1冊、1か月に1冊も読まなかった不読者の割合は 9.6% です。

二つの数字が大きく違うのは、聞き方が違うからです。学力調査は「平日に、漫画や雑誌を除いて読書をするか」を時間で聞き、学校読書調査は「1か月に何冊読んだか」を冊数で聞いています。1か月のうちどこかで本を読んでいても、平日の習慣として読む時間がない子は少なくない、と読むのが自然です。国語力の土台づくりで家庭が意識したいのは、冊数よりも 平日に少しでも読む時間があるか のほうです。

学年別の本の選び方|学習指導要領の目標に合わせて変える

学習指導要領の国語では、学年ごとの目標に読書への向き合い方が書かれています。低学年は 楽しんで読書をし、中学年は 幅広く読書をし、高学年は 進んで読書をし です。あわせて「読むこと」で身につける力も段階的に示されています。本を選ぶときは、この二つを手がかりにすると学年に合った一冊を選びやすくなります。

低学年(1・2年)|楽しんで読み、内容の大体をつかむ

低学年の「読むこと」では、時間的な順序や事柄の順序などを考えながら、内容の大体を捉えること が示されています。この時期は細かい読み取りより、「最初に何があって、次にどうなったか」を追えることが目標です。

  • 本の選び方:1話が短く、出来事の順番がはっきりした物語。絵が多く、読み終えた達成感を得やすいもの
  • 説明文の入り口:学習指導要領の言語活動例には、図鑑や科学的なことについて書いた本を読んで分かったことを説明する活動が挙がっています。動物・乗り物・食べ物など、子どもが好きな題材の図鑑は、この時期の説明文の入り口になります
  • 問題集:読解ドリルは、キャラクターや笑いのある題材で「開きたくなる」ものを優先。正答率より、毎日開けるかを重視します
  • 音読:声に出して読むと、どこで読み違えているかが親にも分かります。低学年では音読を読解の確認手段として使えます

中学年(3・4年)|幅広く読み、段落のつながりを追う

中学年では、段落相互の関係に着目しながら、考えとそれを支える理由や事例との関係などについて、叙述を基に捉えること が示されています。「なんとなくこう思った」ではなく、「本文のここにこう書いてあるから」と根拠を示して読む段階に入ります。

  • 本の選び方:章立てのある物語と、段落ごとに話題が変わる説明文の本の両方。目標が 幅広く なので、同じジャンルばかりに偏らないよう意識します
  • 語彙:気持ちや性格を表す言葉が増える時期です。物語の登場人物について「どんな性格だと思う?」と聞くと、語彙と読解を同時に確かめられます
  • 問題集:レベル別に分かれたシリーズで、今の力に合った級から始めるのが向いています。学年より下のレベルから入っても問題ありません

高学年(5・6年)|進んで読み、事実と意見を分ける

高学年では、事実と感想、意見などとの関係を叙述を基に押さえ、文章全体の構成を捉えて要旨を把握すること が示されています。言語活動例にも、複数の本や新聞などを活用して調べたり考えたりする活動が挙がっています。

  • 本の選び方:伝記や、社会の出来事を扱ったノンフィクション、筆者の主張がはっきりした説明文の本。物語は登場人物どうしの関係や心情が描き込まれた長編へ
  • 読み方:一冊の本に書かれたことを、別の本や新聞と比べて読む経験が、この学年の目標に合います
  • 問題集:学年の読解をまとめて反復できるドリルや、論理的に書く練習ができる問題集。中学受験を考えている場合は、受験用の教材へ移る前の土台として位置づけます
学年 学年目標の読書 読むことの中心 本の中心 問題集の役割
1・2年 楽しんで 順序を追って大体をつかむ 短い物語、好きな題材の図鑑 開く習慣をつくる
3・4年 幅広く 段落の関係と根拠 章立ての物語、説明文の本 今の力に合う級で積み上げる
5・6年 進んで 事実と意見、要旨 伝記、ノンフィクション、長編 学年の反復と記述の土台

学年ごとの読み物の具体的な書名や、シリーズをどう読み継ぐかは、小学生の読書におすすめの本|学年別の選び方と続きが読みたくなるシリーズで整理しています。本記事では書名を並べるより、国語力のどこを伸ばすかで本を選ぶ考え方を優先します。

物語と説明文をどう混ぜるか

国語の読解問題には、物語文と説明文の両方が出ます。ところが家庭の読書は、物語に偏りがちです。物語が好きな子は説明文で、図鑑が好きな子は物語の心情問題で、それぞれ点を落としやすくなります。

物語で伸びる力は、登場人物の気持ちや行動の理由を想像する力、場面の移り変わりを追う力です。説明文で伸びる力は、段落ごとの話題をつかむ力、理由と事例を区別する力、筆者の考えを要約する力です。読解の設問は、この両方を問います。

混ぜ方の目安として、筆者は次のように考えています。

  • 物語が好きな子:好きな物語は減らさず、同じ題材の説明文を横に置く。たとえば動物が出てくる物語を読んだら、その動物の図鑑を開く。物語から入った興味を、事実の本へつなげる形です
  • 図鑑や事典が好きな子:事実の本はそのまま続け、登場人物が少なく短い物語を1冊ずつ足す。いきなり長い物語を渡すと、心情の読み取りで疲れてしまいます
  • どちらも読まない子:まずは1話完結の短い物語か、見開きで1テーマが終わる事典から。量より、最後まで読めた経験を先に作ります

割合を厳密に決める必要はありません。1週間を振り返って、物語だけ、説明文だけになっていないかを確かめる程度で十分です。

目的別|国語力を上げる問題集・ドリル

ここからは、伸ばしたい力別に問題集・ドリルを紹介します。それぞれ得意な分野が違うので、お子さんのつまずきに近いものから選んでください。

苦手な子の入り口に|楽しく読解に取り組める一冊

「国語はつまらない」というイメージを崩したいご家庭に向くのが、うんこドリルの文章読解です。すべての物語文・説明文に「うんこ」が登場する構成で、笑いながら文章に向き合えるのが特徴です。

「だれ」「気持ち」「何について」といった読解のポイントを重点的に学べるカリキュラムになっており、遊びの延長のようでいて、読み取りのコツは押さえられています。机に向かうまでに時間がかかる子の、最初の一冊として使いやすい教材です。

商品説明では、シリーズ累計発行部数1000万部突破と紹介されています。学年別にそろっているので、お子さんの学年に合わせて選べます。一方で、題材の面白さに頼る教材なので、読解の型を体系的に積み上げたい段階になったら、次に紹介するシリーズへ移るのが自然です。

レベル別に長く使う|思考力ごと鍛えるシリーズ

「読解だけでなく、考える力そのものを伸ばしたい」ご家庭には、成長する思考力GTシリーズの国語が候補になります。小学1年生レベルから私立中学入試・中学発展レベルまで、級(レベル)が細かく分かれているのが特徴で、今の実力に合った一冊を選べます。

紹介している8級は小学3年生レベルです。各級にページ見本が用意されているので、学年ではなく今の力で級を選べます。同じシリーズで級を上げていけるため、長く使う軸の教材として据えるのに向いています。反対に、国語に強い苦手意識がある段階では、最初の一冊としてはやや硬く感じるかもしれません。

論理・記述の土台に|言葉の関係を整理する問題集

読解の答え合わせはできても、「なぜその答えになるのか」を説明できない。そんなお子さんには、言いかえ・要約・比べる力といった、国語の土台となる力を体系立てて学べる教材が合います。ふくしま式「本当の国語力」の超ベーシック版は、低学年でも取り組めるように、論理的に読み書きするための基礎から始める構成です。


低学年でもやさしく学べる! ふくしま式「本当の国語力」問題集[小学生版「超」ベーシック]

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問題を解いて丸をつけるだけでなく、言葉と言葉の関係を整理する練習を重ねられるのが、このタイプの教材の強みです。記述問題や作文が苦手な子の土台づくりにも役立ちます。ただし、楽しさで引っぱる教材ではないため、1回の量を少なめにして、親が横で一緒に考える使い方が向いています。

学年の読解を反復する|学年別の読解ドリル

「今の学年の読解を、しっかり反復してかためたい」場合は、くもんの国語集中学習のような学年別の読解ドリルが選択肢になります。基礎から応用まで段階的に問題が並んでいるため、ステップを踏みながら読解量を積み重ねられます。

こちらは小学6年生向けの文章読解の教材です。学年の読解をまとめて見直したい時期に、一冊をやり切る使い方に向いています。

書く力を足したいとき|作文・表現のドリル

読み取れているのに、答えを文章にできない。作文が一文で止まってしまう。書く力でつまずいている場合は、読解ドリルを増やすより、書く練習に絞った教材を足すほうが、つまずきに合った練習になります。くもんの国語集中学習には、作文・表現に絞った学年別のドリルもあります。

紹介しているのは小学3年生向けです。読書感想文のように、決まった締め切りまでに一本書き上げる必要がある場合は、小学生の読書感想文を早く書く方法|1日で終わらせる5工程と穴埋めテンプレで手順を整理しています。感想文に使う本そのものを選ぶ段階なら、読書感想文の本を学年別に選ぶポイントもあわせて参考にしてください。

目的別・問題集の比較

教材 主に伸ばせる力 こんな子に 向かない場面
うんこドリル 文章読解 読解・読む習慣 国語に苦手意識がある・机に向かいにくい 読解の型を体系的に積み上げたい段階
成長する思考力GT 国語 読解・思考力 今の力に合う級から長く使いたい 強い苦手意識がある最初の一冊
ふくしま式 本当の国語力 論理・記述の土台 説明や作文が苦手 一人で黙々と進めたい場合
くもんの国語集中学習 文章読解 学年の読解の反復 今の学年をかためたい 学年より大きく下の力から始めたい場合
くもんの国語集中学習 作文・表現 書く力 読めるのに書けない 読解そのものでつまずいている場合

価格や在庫の状況は変わることがあるため、購入前に各商品ページでご確認ください。

読書と問題集・ドリルの使い分け

「読書と問題集、どちらを優先すべきか」はよくある迷いです。両者は役割が違うので、どちらが上というより、組み合わせ方の問題です。

読書(物語・説明文の本) 問題集・ドリル
主に伸びる力 語彙、読む量、長い文章に慣れること 設問の意図をつかむ、本文から根拠を探す、答えを文にする
向く時間 寝る前、休日、移動中など、まとまらない時間 机に向かう短い時間
親の関わり方 感想を求めすぎず、読んだことを一言聞く 丸つけと、間違えた問題の根拠を一緒に探す
つまずきやすい点 好きなジャンルに偏る 量を増やしすぎて続かない

組み方の例として、平日は問題集を1回分だけ(10分程度で終わる量)、読書は時間を決めずに寝る前など生活の決まった場面に置く、という形があります。休日は問題集を休み、少し長めの本や図鑑に時間を使います。先ほどのデータのとおり、平日に全く本を読まない小学6年生は3割近くいます。まずは 平日のどこかに読む時間が置かれているか を確かめ、そのうえで問題集の量を決めると無理がありません。

読んだあとの親の関わり方|要約と質問の型

本や問題集を渡したあとの関わり方で、同じ一冊から得られるものは変わります。ただし、読むたびに感想文のような答えを求めると、読書そのものが嫌になってしまいます。聞くのは1回に1問、答えが短くても受け止める、が基本です。

質問は、学年に合わせて次の3つの型を使い分けると続けやすくなります。

型 質問の例 向く学年 伸びる力
何が起きたか 最初に何があって、そのあとどうなった? 低学年から 順序を追って大体をつかむ力
なぜそうなったか どうしてそう思った?本のどこに書いてあった? 中学年から 根拠を本文に求める力
自分ならどうするか この人の考えに賛成?自分ならどうする? 高学年 事実と意見を分け、自分の考えをまとめる力

要約の練習には、一言で言うと? と聞き、答えを二文に広げてもらう方法が手軽です。一言で言えれば中心がつかめている、二文に広げられれば理由や経過も押さえている、という目安になります。

知らない言葉が出てきたら、その場で一緒に国語辞典を引きます。気になったその場で調べると、言葉と、それが出てきた場面が結びつきます。親が意味を答えてしまうより、辞典で探す手順を一緒に踏むほうが、次からは一人で調べられるようになります。

反対に、避けたい関わり方もあります。

  • 読み終えるたびに感想を長く書かせる
  • 読んでいる途中で内容をテストするように質問する
  • 本の選び方を大人の評価だけで決める
  • 問題集の正答率だけを見て叱る

こうした声かけを、もう一歩踏み込んだ家庭での練習につなげたい場合は、家でできる小学生の読解力トレーニングで具体的な進め方を紹介しています。

読書が苦手な子の入り口|つまずき方で変える

読書が苦手と言っても、つまずき方は子どもによって違います。型に合わせて入り口を変えると、最初の一冊が選びやすくなります。

長い文章を読むと疲れてしまう

1話が短い本や、見開きで話題が完結する事典から始めます。問題集も1回分が短いものを選び、読み終えた達成感を先に積み重ねます。量を増やすのは、短いものを毎日読めるようになってからで十分です。

物語に入り込めない

物語の登場人物の気持ちを想像するのが苦手な子は、事実を扱った本のほうが楽しめることがあります。図鑑や、身近な疑問に答える説明文の本を入り口にし、物語は短いものを少しずつ足します。

字を追うのが遅い・読み飛ばす

音読で、どこで読み違えているかを確かめます。親が一文ずつ交互に読む方法なら、子どもの負担も減ります。文字が大きく行間の広い本を選ぶことも助けになります。読むこと自体に強い困難がある場合は、学校の先生や専門の相談先に相談してください。

感想を求められるのが嫌

読んだあとに毎回感想を聞かれることが、読書を遠ざけている場合があります。しばらくは質問をやめ、何を読んだか だけを家族で共有する程度にとどめます。読書が習慣になってから、質問の型を少しずつ戻していきます。

筆者の判断基準|この記事で本と教材を選んだ5つの基準

この記事で紹介した本・教材は、次の5つの基準で選んでいます。

  1. 伸ばしたい力がはっきりしているか:語彙・読解・書く力のどれに効く教材なのかを説明できるもの
  2. 1回分が短く、続けられる構成か:毎日開ける量に区切られているもの
  3. 今の力に合わせて段階を選べるか:学年別・レベル別にそろっていて、下の段階からも始められるもの
  4. 学年の目標とずれていないか:学習指導要領の学年目標や「読むこと」の段階と照らして、無理のない内容のもの
  5. 向かない場面を説明できるか:どんな子には合わないかまで言えるもの

反対に、話題性やランキングの順位、「これ一冊で国語は完璧」のような宣伝文句は基準にしていません。国語力の伸び方は子どもによって違い、同じ教材でも合う子と合わない子がいるためです。

よくある質問

何冊も買ったほうがいいですか?

まずは1冊を最後までやり切ることをおすすめします。あれこれ手を出すより、1冊を終えた達成感のほうが次につながります。物足りなくなったら、伸ばしたい力に合わせて次の1冊を足していきます。語彙・読解・書く力のうち、今いちばんつまずいている力に絞ると、次の1冊も選びやすくなります。

読書が好きになれば国語の点は上がりますか?

全国学力・学習状況調査では、読書が好きと答えた小学6年生ほど国語の平均正答率が高い傾向があります。ただし調査の報告書自身が、これは相関関係であって因果関係を示すものではないと注意しています。読書を好きにさせることは大切ですが、それだけで点が上がるとは言えません。読書で語彙と読む量を支え、問題集で設問に答える練習をする、という組み合わせが現実的です。

学年より下のレベルから始めても大丈夫ですか?

まったく問題ありません。むしろ「解ける」という手応えが自信になり、続けやすくなります。学習指導要領でも、各学年の内容は必要に応じて前の学年で初歩的に扱ったり、後の学年で程度を高めて扱ったりするなど、弾力的に指導することが示されています。やさしいレベルで勢いをつけてから、少しずつ上げていきましょう。

参照した公式情報(取得日)

まとめ

小学生の国語力を上げる本は、次の3点を意識して選ぶと失敗しにくくなります。

  1. 伸ばしたい力(語彙・読解・書く力)を1つ決める
  2. 学年の目標に合わせる(低学年は楽しんで、中学年は幅広く、高学年は進んで)
  3. お子さんが続けられるかを最優先にする

公的な調査からは、読書が好きな子ほど国語の正答率が高い傾向が見えますが、それは相関であって、本を与えれば点が上がるという意味ではありません。読み物で語彙と読む量を支え、問題集で答える練習を重ね、読んだあとは一言の質問で理解を確かめる。この組み合わせを、平日の生活の中に小さく置くことが、家庭で無理なく続けやすい方法です。

苦手意識がある段階なら、まずは楽しく読解に取り組める一冊から始めてみてください。

そこから、今の力に合った級で積み上げる教材や、論理・記述の土台をつくる教材へと広げていけば、国語力は着実に積み上がっていきます。「これなら続けられそう」と思える一冊を、お子さんと一緒に選んでみてください。

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