TOEICリーディングで時間足りない人へ|75分の配分と解く順の決め方

TOEICリーディングの時間が足りない|Part5〜7の配分の決め方 英語・資格検定

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TOEICのリーディングで時間足りない。気づけば残り5分でPart7がごっそり残っていて、最後はマークを塗りつぶすだけ——いわゆる塗り絵で終わってしまう。そんな悔しさを毎回味わっている方は多いのではないでしょうか。

時間が足りない原因を、英語を読むのが遅いからの一言で片づけてしまうと、対策が速読の練習だけになって行き詰まります。実際には、75分をどこにどう割り振るかという設計がないまま解き始めていることのほうが、はるかに多い原因です。

この記事では、Part7の解き方テクニックではなく、リーディングセクション全体の時間設計を扱います。原因をどう切り分けるか、目標スコアによって配分をどう変えるか、Part5・Part6にかける時間をどう決めるか、本番で時計をどう使うか。順に見ていきましょう。

リーディング75分の中身と、時間が足りなくなる仕組み

まず、自分が何と戦っているのかを正確に知るところから始めます。TOEIC Listening & Reading Testのリーディングセクションは、国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)のテストの形式と構成によると75分間で100問。内訳は次のとおりです。

パート 内容 問題数(問)
Part 5 短文穴埋め問題 30
Part 6 長文穴埋め問題 16
Part 7 読解問題(1つの文書29問/複数の文書25問) 54

注目したいのは、Part7だけで100問の半分以上を占めるという構造です。つまりリーディングはPart7が本体で、Part5とPart6はその前に置かれた助走区間だと考えたほうが実態に合っています。

ところが多くの人は、前から順に丁寧に解いていきます。Part5の1問で悩み、Part6の文脈を何度も読み返し、Part7にたどり着いたときには残り時間が半分を切っている。ここから54問を解くのは、かなり厳しい戦いになります。

時間が足りなくなる仕組みは、たいてい前半での時間の使いすぎです。しかも本人は、前半で使いすぎている自覚がありません。時計を見るのがPart7に入ってからだからです。

原因はラップタイムで切り分ける

時間足りないと感じたときに、まずやるべきことは速読の練習ではなく計測です。読むのが遅いのか、語彙・文法で止まっているのか、Part5に時間を使いすぎているのか、Part7の解き方が非効率なのか。この4つは対策がまったく違うので、混ぜたまま練習しても改善しません。

切り分け方はシンプルで、模試を1回通すときに3か所の通過時刻を記録するだけです。陸上のラップタイムと同じ考え方で、どの区間で遅れたかが分かれば原因が絞れます。

計測点 基準の通過時刻(分) 超えたときに疑う主因 次にやること
Part5を解き終えた時点 10 語彙・文法の判断が遅い/悩んで戻る 迷ったら即マークして印を付け、先へ進む運用に切り替える
Part6を解き終えた時点 18 空所ごとに止まって読み返している 文書を通しで読んでから空所を埋める順に変える
1つの文書の読解が終わった時点 45 本文を全部読んでから設問に戻っている 設問を先に見て、探す情報を決めてから読む
未解答を残して終了した — 上のどこかの遅れが累積している 遅れが最も大きかった区間だけを次回の練習対象にする

ここで大事なのは、3か所すべてが基準どおりなのに終わらない場合だけが、本当の読解速度の問題だという点です。逆に言えば、Part5終了が15分になっている人が速読ドリルを積んでも、失った5分は戻ってきません。

語彙で止まっている感覚があるなら、覚え方そのものを点検したほうが早いこともあります。単語は覚えたのに読むスピードが上がらないという場合は、TOEICで単語を覚えても点数が上がらない|使える語彙にするも参考になります。

目標スコア別に配分を決める

配分の目安は、目標スコアによって変えるほうが合理的です。理由は、IIBCが公開しているレベル別評価の一覧表(Score Descriptor Table)に、スコア帯ごとの長所と弱点がはっきり書かれているからです。

リーディングセクションの記述を要約すると、次のようになります。

  • スコア320〜225の帯は、限られた長さの文章では簡単な推測ができる一方、二つ以上の文にわたって情報を関連付けることができないことが多いとされています
  • スコア420〜325の帯は、文章の限られた範囲内では情報を関連付けられるものの、文章内の広い範囲にわたる情報を関連付けることができないとされています
  • スコア495〜425の帯になって初めて、文章全体にわたる情報を関連付け、関連する二つの文章のつながりを理解できると書かれています

複数の文書を突き合わせて答えるマルチプルパッセージは、まさに最後の帯の能力を測る問題です。つまり、リーディングが200点台の人がそこに20分を注いでも、公式の定義上、回収できる見込みは小さいということになります。配分は根性ではなく、この構造から逆算します。

目標スコア(点) Part5の目標時間(分) Part6の目標時間(分) Part7の目標時間(分) Part7で取り切る範囲
600 13 10 50 1つの文書を最後まで
700 11 9 53 1つの文書に加えて2文書のセット
800 10 8 55 3文書のセットまで通す

600点を目標にする段階では、1つの文書の29問を落ち着いて取り切るほうが、複数の文書に手を広げるより得点が安定します。時間が余ったら複数の文書に進む、という順序にしておくと、焦りで前半を崩す事故が減ります。

なお、この表はあくまで出発点の目安です。次の章のチェックポイントで実測し、自分の値に置き換えていってください。

Part別の目標時間とチェックポイント

配分を決めたら、それを試験中に確認できる形へ落とします。目安として、次のような配分が一つの型になります。

区間 問題数(問) 目標時間(分) 1問あたり(秒)
Part 5 30 10 20
Part 6 16 8 30
Part 7 54 55 60
予備(マーク確認・見直し) — 2 —

数字そのものより大事なのは、Part5とPart6を合わせて20分弱で抜け、Part7に55分前後を残すという骨格です。この型なら、Part7の1問に1分近く使える計算になります。

そして、この型を機能させるのがチェックポイントの設定です。時間を決めても、解いている最中は自分が遅れているかどうか分かりません。そこで、事前に通過時刻を決めておきます。

  • 開始から10分:Part5が終わっていること
  • 開始から18分:Part6が終わっていること
  • 開始から45分:Part7のシングルパッセージ(1つの文書)が終わっていること

試験中に見るのは、この3点だけで十分です。1問ごとに時計を気にすると、かえって集中が切れます。チェックポイントで遅れていたら、そこから先の解き方を切り替える——という運用にすると、判断がシンプルになります。

Part5・Part6を削れると、Part7に時間が戻ってくる

配分の型を作っても、Part5で20分かかってしまえば絵に描いた餅です。前半を速く抜けるために、押さえておきたい考え方があります。

Part5は悩んだら次へが原則です。短文穴埋め問題は、知っていれば数秒で解け、知らなければ1分考えても答えは出にくいという性質があります。選択肢を見て空所の品詞や語法から判断できないと感じたら、その場でいったん答えを選んでマークし、先に進みます。あとで戻ると決めた問題には問題用紙に印を付けておくと、余った時間で拾い直せます。

Part6は空所ごとに止まらないのがコツです。Part6は形こそ穴埋めですが、実質は短めの読解問題で、空所の前後だけでは決められない設問が混ざっています。空所ごとに止まって悩むより、文書全体をひととおり読んでから空所を埋めていくほうが、結果的に速く済むことが多くあります。文を丸ごと挿入する設問は、時間がかかるようなら後回しにして構いません。

前半を10分と8分で抜けられるようになると、Part7に回せる時間が体感で大きく変わります。Part5で5分縮めることは、Part7で5問分の時間を作ることと同じです。

解く順番を変えるべきか

Part7から先に解く、という順番変更はよく紹介されます。時間の残っている状態で本体の54問に取り組めるため、理屈としては合理的です。ただし、誰にでも勧められる手ではありません。

順番を変えて効果が出やすいのは、次の条件に当てはまる場合です。

  • ラップタイムの計測で、Part7の後半が時間切れで落ちていることが確認できている
  • Part5・Part6は基準どおりに抜けられており、遅れの原因が前半ではない
  • 模試で最低2回、順番を変えた形を試してマークずれが起きなかった

逆に、Part5終了が基準を超えている人が順番を変えても、遅れの発生源は変わらないため効果は限定的です。前半で時間を溶かす癖を先に直すほうが確実です。

順番を変えるときは、マークする前に問題番号を指で押さえて確認するという手順を固定してください。解答用紙は問題順に並んでいるので、飛ばして解く形式ではずれが起きやすくなります。本番でいきなり試すのは避け、模試で確かめてから持ち込みます。

本番での時計の使い方

配分もチェックポイントも、時計が見えなければ運用できません。ここは意外と見落とされがちなので、公式のルールを押さえておきます。

IIBCの試験当日の持ち物に関する案内には、腕時計以外のもの(携帯電話・置時計・ストップウォッチ・ウェアラブル端末など)を時計として使用することはできないと明記されています。またスマートウォッチやウェアラブル端末については、通信機能や録音機能付きの腕時計の可否で使用できないとされ、電源を切ってカバンにしまうよう案内されています。

さらに、腕時計を忘れた場合の対応では、時計の貸し出しや試験中の時刻アナウンスはできないと明記されています。アナログでもデジタルでもよいので、通信機能のない腕時計を必ず持参することが前提になります。

そのうえで、机上での運用を決めておきます。おすすめは次の手順です。

  1. リーディング開始の合図があったら、その時点の時刻を問題用紙の余白に書き留める
  2. その開始時刻に10分・18分・45分を足した3つの時刻を、その場で書き出す
  3. 以降はチェックポイントでだけ時計を見て、書き出した時刻と照らす

経過時間を頭の中で引き算しながら解くと、そのたびに集中が切れます。最初の30秒で通過時刻へ変換しておけば、あとは見比べるだけで済みます。会場の壁時計が見える位置とは限らないので、この準備は自分の腕時計だけで完結させておくのが安全です。

塗り絵を減らす終盤の戦い方

それでも、残り時間に対して問題が残ってしまうことはあります。そのときに何をするかを、あらかじめ決めておきましょう。

まず、マークは解いた直後に塗ることを徹底します。まとめて塗ろうとすると、時間切れのときに一気に崩れます。

次に、残り時間別の行動です。

  • 残り15分で複数文書のセットが2つ以上残っている:全部を丁寧に解くのは難しい状況です。設問数の多いセットより、まず1セットを確実に取りにいきます
  • 残り5分:新しいセットに入るのは見送り、未マークの問題を埋めることを優先します。マークが空欄のまま終わるのは、いちばんもったいない終わり方です
  • 残り1分:解き終えた範囲のマークずれがないかを確認します

捨てるという言葉に抵抗を感じる方もいると思いますが、これは諦めではなく配分の判断です。1問に固執して他を落とすより、解ける問題を取り切るほうが総得点は伸びやすくなります。

なお、Part7の中での解く順・設問の先読み・探し読みといった解法そのものについては、TOEICの長文が時間内に終わらない|Part7の時間配分と解く順で詳しく扱っています。この記事の時間設計と組み合わせると効果が出やすい部分です。

時間配分は模試でしか身につかない

ここまでの型は、読むだけでは身につきません。本番と同じ75分を通しで計って解く練習が要ります。

理由は単純で、時間感覚は実測でしか較正できないからです。Part5を10分で抜けるつもりでも、実際に計ると15分かかっているかもしれません。そのズレを知るために模試を使います。

やり方はシンプルです。

  1. 75分をタイマーで計り、リーディング100問を通しで解く
  2. チェックポイント(10分・18分・45分)の実際の通過時刻を記録する
  3. 答え合わせのあと、ラップタイムの診断表と照らして遅れの主因を1つだけ特定する
  4. 次回はそこだけを意識して、もう一度75分を通す

この4ステップを数回繰り返すと、自分の配分の型が固まってきます。大事なのは、点数より通過時刻の記録です。点数は後からついてきます。

記録は表計算でも紙でも構いませんが、同じ様式で残すことだけは守ってください。回ごとに書き方が変わると、遅れが縮んでいるのかどうか判断できなくなります。日付・3つの通過時刻・未解答数の4項目だけで十分です。

リーディングだけを集中的に通したいときは、リーディング特化の模試が使いやすくなります。


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筆者の判断基準

時間配分の話は、どの目安を採用するかで迷いやすい領域です。この記事では、次の基準で情報を取捨選択しています。

  • 問題数・時間・スコアの定義は、IIBCが公開している一次情報だけを使う。解説サイト同士で数字が食い違う箇所は、公式の記述に合わせています
  • 配分の数字は目安として提示し、実測での上書きを前提にする。読む速度には個人差があり、他人の最適値が自分の最適値になる保証はありません
  • 公式が公表していない数値は書かない。たとえば目標スコアに必要な正答率は、公表されている換算表がないため本記事では扱いません
  • 本番で新しいことを試す提案はしない。順番の変更のように事故のリスクがある手は、模試での検証を条件にしています
  • 速読やスラッシュリーディングなど、効果が出るまでに時間のかかる打ち手は最優先にしない。次の受験までの日数で回収できる打ち手から並べています

よくある質問

速読の練習をすれば時間は足りるようになりますか

読むスピードが上がれば楽になりますが、伸びるまでに時間がかかります。まずはラップタイムを計り、Part5・Part6の通過時刻が基準どおりであることを確認してください。前半で遅れているなら、速読よりも悩む時間を切るほうが即効性があります。3か所すべてが基準どおりで、それでもPart7が終わらない場合に初めて、読解速度が主因だと判断できます。

チェックポイントで遅れていたら何をすればいいですか

解く速度を上げようとするより、悩む時間を切るほうが確実です。10秒考えて決まらなければマークして次へ、というルールに切り替えると、遅れを取り戻しやすくなります。あわせて、その回に狙う範囲を一段狭める判断もありえます。目標スコア別の表で一つ下の行に切り替える、と決めておくと迷いません。

塗り絵は何問までなら許容できますか

明確な基準はありませんが、まずは未マークをゼロにすることを目標にしてください。TOEIC Listening & Reading Testはマークシート方式の一斉客観テストで、解答欄を空けたままにしても得点にはなりません。そのうえで、通過時刻の記録を見ながら、残る問題数を少しずつ減らしていく進め方が現実的です。

腕時計を忘れたときはどうすればいいですか

IIBCの案内では、時計の貸し出しも試験中の時刻アナウンスも行われません。会場の壁時計が見える位置に座れる保証もないため、忘れた場合はチェックポイント方式が使えなくなります。その回はPart5・Part6を短めに切り上げ、Part7に早く入ることだけを意識する運用に切り替えるのが現実的です。腕時計は受験票と一緒に前日から用意しておきましょう。

まとめ:75分の設計図を持って席に着く

TOEICのリーディングで時間足りないのは、読むのが遅いからだけではありません。75分をどう割るかの設計がないまま、前から順に解き始めていることが大きな原因です。

まずラップタイムで原因を切り分け、目標スコアに合わせて配分を決める。Part5は10分前後、Part6は8分前後で抜け、Part7に55分前後を残す。開始時刻を書き留めて通過時刻に変換し、10分・18分・45分の3点でだけ時計を見る。終盤は未マークをゼロにすることを最優先にする。この設計図を持って席に着くだけで、塗り絵の量は減らしやすくなります。

そして、その設計図は模試で較正します。点数ではなく通過時刻を記録しながら、本番と同じ75分を何度か通してみてください。

本番形式で75分を通すために


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