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TOEICのリーディング、特にPart7の長文で、いつも最後まで解ききれない。時間が足りず、最後は適当にマークする「塗り絵」で終わってしまう——。多くの受験者が抱える悩みです。せっかく読めば解ける問題を、時間切れで落とすのはもったいないですよね。
長文が時間内に終わらないのは、英語力だけの問題ではありません。多くは時間配分と解き方の戦略がないことが原因です。戦略を身につければ、同じ英語力でも解ける問題数は増やせます。
この記事では、まず公式が公表している問題数と制限時間から自分の持ち時間を数字で出し、そのうえでどこで時間を失っているかを4タイプに切り分けて、タイプ別の配分と手当てを決められるようにします。
まず「持ち時間と問題数」を数字で押さえる
配分の話に入る前に、前提となる数字を確認します。TOEIC Listening & Reading Test の出題形式は、公式(IIBC)が次のように公表しています。
| セクション | 時間 | 問題数 | 内訳 |
|---|---|---|---|
| リスニング | 約45分 | 100問 | Part1 6問/Part2 25問/Part3 39問/Part4 30問 |
| リーディング | 75分 | 100問 | Part5 30問/Part6 16問/Part7 54問 |
テスト全体は約2時間・200問のマークシート方式です。ここで押さえるべきは、リーディングの75分で100問、そのうちPart7だけで54問あるという事実です。
単純に割ると1問あたり45秒。Part5・Part6を素早く終えて時間を持ち越さないかぎり、Part7の54問に十分な時間は残りません。しかもPart7の54問は、1つの文書を読む問題が29問、複数の文書を読み比べる問題が25問と公表されています。後半ほど1問あたりの負荷が重い構造です。
だからこそ、「なんとなく速く読む」ではなく、先にPart5・6で何分使うかを決める必要があります。ここを決めないまま解き始めると、Part7に入った時点で残り時間が読めません。
全部を丁寧に読むと間に合わない
Part7が終わらない人の多くは、全文を最初から丁寧に読もうとしています。これでは54問に時間が足りません。
大切なのは、「全部を読む」から「必要なところを速く探す」へ発想を変えること。限られた時間で1問でも多く解くための戦略が要ります。
終わらせる5つの戦略
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| ①解く順を決める | Part5を速く終え、Part7に時間を残す |
| ②設問を先読み | 本文の前に設問を読み、探すべき情報を把握 |
| ③スキャニング | 全文を読まず、答えのある箇所を探し読み |
| ④捨てる問題の判断 | 難しい問題に時間をかけすぎない |
| ⑤時間配分の型 | パートごとに使う時間を決めておく |
5つの狙いは、「読む時間」を「解く時間」に変えることです。特に効くのが②の設問先読みと③のスキャニング。先に「何を聞かれているか」を知ってから本文に入れば、答えのある部分だけを探せばよく、全文を精読する必要がなくなります。
状況別・どこで時間を失っているか(4タイプ)
同じ「終わらない」でも、原因が違えば打つ手が変わります。直近の演習を思い出しながら、次の4つから自分に近いものを選んでください。
タイプ1:Part5で時間を溶かしている
Part7に着く前にすでに残り時間が少ない人。文法問題で迷って考え込むのが原因です。
手当て:Part5は「知っているか知らないか」で決まる問題が中心なので、1問あたりの上限を決めて、迷ったら選んで次へ進む運用に変えます。ここで数分を取り戻せると、Part7の後半が丸ごと生き返ります。文法・語法の取りこぼしが多いなら、問題集を1冊回して反射で解ける状態を作るのが近道です。
タイプ2:Part7の前半で失速する
Part7には入れているのに、シングルパッセージの途中でペースが落ちる人。設問を先読みしないまま本文を読み始めているのが典型です。
手当て:本文より先に設問を読み、探す情報(人名・日付・金額・理由)を頭に入れてから本文に入ります。設問の順番と本文の情報が出てくる順番はおおむね対応するので、上から順に拾えば戻り読みが減ります。
タイプ3:複数文書(2つ・3つの文書)で詰まる
前半は間に合うのに、複数文書の問題で崩れる人。公式の公表どおり、Part7の54問のうち25問は複数文書の問題です。ここを落とすと失点がまとまって出ます。
手当て:複数文書には、2つの文書をまたいで初めて答えが出る問題が必ず混ざります。文書1を読み終えた時点で答えが出ない設問は、いったん飛ばして文書2へ進むと決めておくと、迷子になる時間が消えます。
タイプ4:語彙・文法が足りず、そもそも読めない
戦略以前に、英文の意味が取れずに止まってしまう人。この場合、時間配分をいじっても改善しません。
手当て:時間対策より先に、語彙と文法の土台を上げるのが優先です。単語帳の選び方はTOEICの単語帳はどれを選ぶ?レベル別の比較と選び方を参考にしてください。土台ができてから配分の話に戻ると、同じ練習でも伸び方が変わります。
| タイプ | 症状 | 最優先の手当て |
|---|---|---|
| 1 Part5で溶かす | Part7到達時に残り時間が少ない | 1問の上限時間を決めて即断 |
| 2 前半で失速 | シングルパッセージで戻り読み | 設問先読みを徹底 |
| 3 複数文書で詰まる | 後半でまとめて失点 | 答えが出ない設問は次の文書へ |
| 4 そもそも読めない | 英文の意味が取れない | 語彙・文法の土台を先に上げる |
パート全体の配分をゼロから組み直したい場合はTOEICリーディングの時間が足りない|Part5〜7の配分の決め方もあわせてどうぞ。
目標スコア別「捨てる」設計
塗り絵は失敗ではなく、最初から設計に入れておくものです。全問を丁寧に解ききれる人はごく一部で、それ以外の受験者は「どこを捨てるか」を決めた人ほど点が安定します。
考え方はシンプルです。時間内に解ける問題数を見積もり、その外側を最初から捨てる。捨てる場所は、後半の複数文書のうち「文書を全部読まないと答えが出ない設問」から選びます。
- 目標が600点前後:Part5・6と、Part7の前半(シングルパッセージ)を確実に取りにいく。後半はまとまった数を捨てる前提で構いません
- 目標が730点前後:複数文書のうち、文書1つで答えが出る設問までは取りにいきます。捨てるのは「読み比べが必要な設問」に絞ります
- 目標が860点以上:捨てる問題は少数に抑えます。ここまで来ると、配分より読解速度そのものが上限を決めます
大事なのは、捨てる問題を「時間切れの結果」ではなく「事前の判断」にすること。事前に決めておけば、迷って止まる時間そのものが消えます。
時間を計って解く練習の回し方
時間内に終わらせる感覚は、本番と同じ時間で解く練習でしか身につきません。おすすめの回し方は次の3ステップです。
- 75分を計ってリーディング100問を通しで解く(途中で止めない。塗り絵もそのまま記録する)
- 解答後に「どこで時間を使いすぎたか」をパート単位で振り返る(各パートの終了時刻をメモしておくと分かります)
- タイプ別の手当てを1つだけ変えて、次の回で同じ計測をする(同時に複数変えると、何が効いたか分からなくなります)
教材は、本番と同じ形式で時間を計れるものを選びます。公式問題集は、公式の説明によればETSが本番と同じプロセスで制作し、テスト2回分(計400問)を収録、リスニングは本番と同じ公式スピーカーの音声、参考スコア範囲の換算表つきです。時間を計る練習の土台としては、これがいちばん素直な選択になります。
公式問題集を解き終えたあと、リーディングだけを追加で回したい場合は、リーディング専用の模試も選択肢になります。解説の詳しさや自分のレベルに合うかは、目次と難易度表示を見て判断してください。
公式問題集の版の違いや何冊やるかで迷ったら、TOEIC公式問題集の最新版はどれ?番号の違いと選び方で整理しています。
筆者の判断基準
時間配分の相談を受けたときに筆者がまず確認するのは、スコアではなくPart7に入った時点で残り何分だったかです。
ここが把握できていない人は、配分の型をいくら覚えても再現できません。逆に「Part7開始時に残り50分だった」と言える人は、次に何を削ればいいかが自分で決められます。だから最初にやってもらうのは、戦略の勉強ではなく各パートの終了時刻をメモする1回の計測です。
もうひとつの基準は、塗り絵の数を「悪いこと」として扱わないことです。塗り絵が10問あるという事実は、10問ぶんの時間をどこかで失っているという情報にすぎません。責めるより、その10問がどのタイプの失点かを見たほうが、次の1回で減らせます。
教材については、迷ったら公式問題集からと考えています。本番と同じ形式で時間を計るのが目的なら、形式が本番と一致していることがいちばん重要だからです。
よくある質問
速読の練習をすれば解決しますか?
速く読む力も大切ですが、それ以上に「全部読まない(探し読み)」戦略が効きます。設問先読みとスキャニングで読む量そのものを減らすほうが、短期間では成果が出やすいです。ただしタイプ4(そもそも読めない)に当てはまる場合は、読む速度以前に語彙と文法の土台を上げるのが先です。
難しい問題を捨てるのに抵抗があります。
1問に固執して他を塗り絵にするより、確実に取れる問題を全部取るほうが総得点は上がります。捨てるかどうかを本番で判断するのは難しいので、目標スコア別の設計として事前に決めておくのがおすすめです。
どうしても最後まで届きません。
まずPart5・6を速く終え、Part7に時間を残すことから始めましょう。リーディングは75分で100問。Part5・6の46問をどれだけ短く抜けられるかが、そのままPart7の持ち時間になります。リスニングで消耗して後半に集中が続かない場合は、TOEICのリスニングが聞き取れない|原因を層別に対策するも確認してみてください。
まとめ:全部読まず、戦略で解ききる
TOEICの長文が時間内に終わらないのは、英語力だけでなく戦略の問題です。リーディングは75分で100問、うちPart7は54問——この数字から自分の持ち時間を出し、どこで時間を失っているかを4タイプで切り分けます。
全部を丁寧に読むのをやめ、設問を先読みし、探し読みで必要な情報だけを拾う。解く順と時間配分の型を決め、捨てる問題は事前に設計しておく。あとは時間を計った練習で、1回に1つずつ手当てを検証する。この順番で回せば、Part7を最後まで解ききれるようになります。
参照した公式情報(取得日 2026-08-30)
- IIBC 公式サイト TOEIC Listening & Reading Test 出題形式(各パートの問題数・制限時間): https://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/format.html
- IIBC 公式サイト 特集 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11(テスト2回分・音声ダウンロード・参考スコア範囲の換算表): https://www.iibc-global.org/toeic/support/prep/lr_ud_11/pr.html


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