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SAPIXと日能研の合格実績を比較|2026年の公式数値と数え方の違い
SAPIXは開成に229名、日能研は49名。こう並べられると、つい「SAPIXのほうが強い」と受け取ってしまいがちです。けれども、2つの塾は公表している時点も、数えている生徒の範囲も、一覧に載っている学校の数も違います。
この記事では、SAPIX小学部と日能研がそれぞれ公式サイトに載せている2026年入試の合格実績を、生のページから読み取り直して比較します。主要校の数字を並べたうえで、何がそろっていて何がそろっていないのか、そして志望校ごとにどう確かめればよいのかを順に整理します。
SAPIXと日能研の合格実績は、どこに・いつ公表されるか
まず、2つの塾が合格実績をどのページに、どの形で載せているかを確かめておきます。
| 項目 | SAPIX小学部 | 日能研 |
|---|---|---|
| 掲載ページ | 合格実績(sapientica.com/success/) | 合格実績(nichinoken.co.jp/exam/) |
| 集計時点の表記 | 2026年3月23日現在 | 3月31日 午後2時30分現在 |
| ページの分け方 | 男子校・女子校・共学校・関西圏の4つのタブ | 全国11エリアごとに、合格者数速報と全合格者数の2ページ |
| ページ冒頭の総数表示 | 第37期の在籍者数 | 全国の合格校数と合格者数 |
| 学校ごとの欄 | 学校名と合格者数 | 学校名・定員・日能研生合格者数・所在地 |
ページ冒頭に出てくる大きな数字は、SAPIXが在籍者数5969名、日能研が全国573校32,867名です。前者は生徒の人数、後者は合格した学校の数と合格者数の合計なので、同じ種類の数字ではありません。
日能研のページには、画面を更新すると最新情報が表示されるという案内もあります。どちらの塾も、見る日によって値が動きうる前提で読むのが安全です。
なお、SAPIXの関西圏タブに並ぶ44校は、男子校・女子校・共学校のタブにも同じ値で載っています。SAPIXの一覧を集計するときは、関西圏タブを足すと二重に数えることになります。
数え方の違い(在籍・講習生・延べ)
合格者数を比べる前に、「誰を数えているか」を確認します。ここは2つの塾で公表の仕方がはっきり違います。
SAPIX小学部:内部生として1月まで在籍した生徒に限る
SAPIXの合格実績ページには、次の注記があります。
サピックス小学部では、内部生手続きを行い、継続的かつ2026年1月まで在籍した生徒のみを合格実績として掲載しております。テスト生や各種講習生などは、実績に含んでおりません。
つまり、模試だけを受けた生徒や講習だけに参加した生徒は数に入っていません。数える対象を、文章で明示している形です。
日能研:日能研生合格者数と表記され、対象の注記はない
日能研の全合格者数ページでは、表の列名が日能研生合格者数となっています。ただし、在籍していた期間の条件や、講習生を含むかどうかについての注記は、実績ページには見当たりません。
延べか実人数かは、どちらも明示していない
1人が複数の学校に合格したときに学校ごとに1名ずつ数える方法(延べ)なのか、人数そのもの(実人数)なのかは、どちらの塾の実績ページにも書かれていません。そのため、一覧の数字を全部足しても「合格した生徒の人数」にはならない可能性があります。比べるときは、学校ごとの数字を学校ごとに見る使い方にとどめるのが無理のない読み方です。
集計方法の違いが数字の見え方をどう変えるかは、SAPIXと四谷大塚の合格実績を集計方法の違いから読み解いた記事でも具体例を挙げて説明しています。
2026年の主要校の合格者数を比較する(公式で確認できる範囲)
ここでは、両塾の公式ページに載っている2026年入試の数字を、学校ごとに並べます。SAPIXは男子校・女子校・共学校のタブ、日能研は各エリアの全合格者数ページから取りました。
| 学校 | SAPIX小学部 3月23日現在(名) | 日能研 3月31日現在(名) |
|---|---|---|
| 開成 | 229 | 49 |
| 麻布 | 176 | 60 |
| 武蔵 | 51 | 28 |
| 筑波大学附属駒場 | 85 | 17 |
| 駒場東邦 | 153 | 50 |
| 海城 | 242 | 57 |
| 聖光学院 | 208 | 39 |
| 栄光学園 | 102 | 69 |
| 浅野 | 208 | 96 |
| 桜蔭 | 186 | 21 |
| 女子学院 | 162 | 43 |
| 雙葉 | 57 | 22 |
| 豊島岡女子学園 | 241 | 62 |
| フェリス女学院 | 81 | 63 |
| 渋谷教育学園渋谷 | 229 | 49 |
| 渋谷教育学園幕張 | 370 | 80 |
| 市川 | 460 | 124 |
| 灘 | 35 | 55 |
| 東大寺学園 | 10 | 25 |
| 西大和学園 | 61 | 100 |
この表を読むときの注意は3つです。
- 集計時点が8日ずれている: SAPIXは3月23日現在、日能研は3月31日午後2時30分現在の値です。
- 数える対象の書き方が違う: SAPIXは在籍条件と講習生の除外を明記し、日能研は日能研生合格者数とだけ表記しています。
- 延べか実人数かは両塾とも書いていない: 1名単位の差に意味を持たせるのは避けたほうが安全です。
首都圏の難関校ではSAPIXの数字が大きく、灘・東大寺学園・西大和学園では日能研の数字が大きくなっています。この「入れ替わり」がどこまで広がっているのかを、次の章で一覧全体から確かめます。
単年の数字だけでなく複数年の動きを追うと、その塾の傾向はさらに見えやすくなります。年ごとの変化の追い方はSAPIXの合格実績の推移の読み方にまとめました。
【独自】両塾の一覧を323校で突き合わせると、大きい側は学校ごとに入れ替わる
主要校だけを見ると「SAPIXが上」に見えますが、一覧に載っている学校すべてで比べると印象は変わります。筆者は両塾の公式ページに載る学校名を1校ずつ突き合わせ、両方に載っている学校で数字の大小を数えました。
- SAPIX側は男子校・女子校・共学校の3タブを使い、再掲である関西圏タブは除きました。
- 日能研側は11エリアの全合格者数ページを使いました。校名のあとに付いた(26年より校名変更)などの注記は外して照合しています。
- 両方に同じ学校名があったのは323校です。
| 結果 | 学校数(校) |
|---|---|
| 日能研の掲載値のほうが大きい | 236 |
| 両塾の掲載値が同じ | 5 |
| SAPIXの掲載値のほうが大きい | 82 |
日能研のどのエリアページに載っている学校かで分けると、傾向がはっきりします。
| 日能研のエリアページ | 両塾に載る学校(校) | うち日能研が大きい(校) |
|---|---|---|
| 東京 | 150 | 92 |
| 神奈川 | 43 | 33 |
| 埼玉 | 28 | 23 |
| 千葉・茨城 | 30 | 19 |
| 関西 | 44 | 44 |
| そのほかのエリア | 28 | 25 |
関西エリアの学校は、両塾に載る44校すべてで日能研の数字が大きくなっていました。東京でも、半数を超える92校で日能研の数字のほうが大きいという結果です。
一方、SAPIXの数字が大きい82校のうち57校は東京の学校で、御三家、筑波大学附属駒場、早稲田・慶應の附属校、渋谷教育学園渋谷などが並びます。東京以外では、渋谷教育学園幕張・市川・東邦大学付属東邦・栄東・浦和明の星女子・聖光学院・栄光学園・浅野などがSAPIX側の大きい学校です。
ここから言えるのは、「どちらの塾が強いか」ではなく、志望校によって参考になる一覧が変わるということです。数字の大小は、それぞれの塾の生徒がどの学校を受けたかにも左右されます。指導力の差として読むのではなく、わが子の志望校がどちらの一覧で厚く出ているかを知るための材料として使うのが向いています。
生徒数規模・校舎網と合わせて見る理由
合格者数は、母集団の大きさと通える範囲にも左右されます。両塾の公式ページで確認できる規模の情報は次のとおりです。
| 塾 | 校舎・教室の数 | 出どころ |
|---|---|---|
| SAPIX小学部 | 51 | 校舎のご案内 |
| 日能研 | 161 | 会社概要 |
SAPIXの51校舎は、東京24・神奈川12・埼玉4・千葉6・大阪2・兵庫3の内訳です。日能研の教室案内は北海道・首都圏・愛知・岐阜・関西・中国・四国・九州・沖縄に分かれていて、教室案内に並ぶ教室名を数えると首都圏が95教室ありました。
SAPIXは実績ページに第37期の在籍者数を載せていますが、日能研の実績ページには在籍者数の欄がありません。そのため、「在籍者あたりの合格者数」を両塾でそろえて計算することはできません。母集団の大きさは、校舎・教室の数と通える地域の広さから大まかにつかむ、という使い方になります。
通える地域や受ける学校の違いがさらに大きく表れるのが、enaとSAPIXの比較です。狙う学校そのものが違う塾同士をどう見るかは、enaとSAPIXの合格実績の比べ方で詳しく整理しています。
志望校別にSAPIXと日能研の合格実績を見る手順
全体の大小よりも役に立つのは、志望校ごとの確かめ方です。次の順で見ると、数字に振り回されにくくなります。
- 志望校を両方の一覧で探す: SAPIXは男子校・女子校・共学校のタブを選び、五十音の行から探します。日能研は学校の所在地のエリアを選び、全合格者数のページを開きます。速報のページには一部の学校しか載っていないため、全合格者数のほうで確かめます。
- ページの集計時点を書き留める: 見た日と、ページに書かれた時点を一緒にメモしておくと、あとで別の資料と比べるときに混乱しません。
- 通える校舎・教室を確かめる: SAPIXは校舎のご案内、日能研は教室案内で、自宅から通える範囲にあるかを見ます。合格者数が大きくても、通えなければ選択肢になりません。
- 説明会で同じ質問を両方にする: 「この数字は延べですか」「講習だけの生徒は含みますか」「志望校の対策講座はありますか」を同じ言葉で聞くと、公式ページに書かれていない部分を同じ条件でそろえられます。
単塾の学校別一覧をもっと詳しく見たい場合は、SAPIX合格実績2026の学校別合格者数と集計基準の読み方と、日能研の合格実績2026をエリア別に読む記事にまとめています。
筆者の判断基準
筆者がSAPIXと日能研の合格実績を比べるときに使っている基準は、次の4つです。
- 総数ではなく、志望校の行だけを見る: 573校32,867名や在籍者数5969名は塾の規模を知る数字で、わが子の志望校での実績とは別物です。
- 集計時点と数える対象を、表の外に書き添える: 3月23日現在と3月31日現在、在籍条件の明記ありと注記なし。この違いを忘れたまま横並びにしないようにしています。
- 大小が入れ替わる学校を見落とさない: 323校で突き合わせると、SAPIXが大きい学校より日能研が大きい学校のほうが多くなります。首都圏の難関校だけで全体を判断しないことが大切だと考えています。
- 最後は通いやすさと授業の相性で決める: 合格実績は塾選びの入口の材料です。校舎までの距離、授業の進め方、家庭での復習の回し方が合うかどうかを、体験授業や説明会で確かめてから決めるのが現実的です。
家庭学習の土台になる2冊
どちらの塾を選んでも、家庭での積み上げが土台になるのは変わりません。塾選びをこれから始める段階なら、中学受験の全体像をつかめる本を1冊読んでおくと、合格実績の数字にも振り回されにくくなります。
とくに算数は差がつきやすい科目です。塾のテキストと並行して使える問題集を1冊持っておくと、苦手単元の穴を埋めやすくなります。
よくある質問
SAPIXと日能研、合格者数が多いほうが合格しやすいのですか
合格者数の多さは、その塾から何人が合格したかを示す数字で、通えば合格しやすくなることを示すものではありません。数字の大小は、在籍している生徒の人数や、生徒がどの学校を受けたかにも左右されます。志望校の行の数字と、通える校舎・教室の有無を合わせて判断するのが無理のない使い方です。
日能研の573校32,867名と、SAPIXの在籍者数5969名は比べられますか
比べられません。日能研の数字は合格した学校の数と合格者数の合計で、SAPIXの数字は合格実績の対象となる在籍者の人数です。種類の違う数字なので、割り算や大小比較には使わないほうが安全です。
2つの塾の数字は、いつ見れば最終的な値ですか
どちらの実績ページにも、確定値であることを示す表記は見当たりません。SAPIXは2026年3月23日現在、日能研は3月31日午後2時30分現在と時点が書かれているので、見た日とあわせて記録しておくのがおすすめです。
まとめ
SAPIXと日能研の合格実績は、集計時点、数える生徒の範囲、一覧に載る学校の数がそれぞれ違います。首都圏の難関校ではSAPIXの数字が大きく見えますが、両塾に載る323校で突き合わせると、日能研の数字が大きい学校のほうが多くなります。
大事なのは、塾全体の大小ではなく、わが子の志望校の行を両方の一覧で確かめることです。そのうえで通える校舎・教室と授業の相性を見て選ぶと、合格実績を塾選びの材料として上手に使えます。
参照した公式情報(取得日)
- SAPIX小学部 合格実績(2026-10-19 取得)
- SAPIX小学部 校舎のご案内(2026-10-19 取得)
- 日能研 合格実績(2026-10-19 取得)
- 日能研 東京エリア全合格者数(2026-10-19 取得)
- 日能研 会社概要(2026-10-19 取得)
- 日能研の教室案内(2026-10-19 取得)
※合格者数は各塾の公式ページに掲載された値です。両塾とも公表時点の値で、今後更新される可能性があります。


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