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仕事に追われて、TOEICの勉強時間がまったく取れない。「今日も結局やらなかった」が続いて、試験日だけが近づいてくる——。働きながらTOEICに挑む社会人にとって、勉強時間の確保は最大の壁です。
でも、「まとまった勉強時間」を待っていると、社会人はいつまでも始められません。コツは、まとまった時間を作ろうとせず、1日に散らばったスキマ時間を勉強枠に変えること。
この記事では、スキマが実際に1日どれくらいあるのかを公的統計で確認したうえで、働き方別に設計を変える方法を紹介します。
「まとまった時間」を待つと一生取れない
「休日にまとめて5時間やろう」と計画しても、社会人は疲れや予定で崩れがちです。そして「時間ができたらやろう」と思っているうちに、結局やらないまま試験日を迎えます。
大切なのは、すでにある生活の中のスキマを使うこと。通勤、昼休み、帰宅後の15分——1回は短くても、積み重ねれば十分な学習量になります。「まとまった時間」ではなく「スキマの合計」で考えましょう。
スキマは1日どれくらいあるのか
「スキマを使え」と言われても、実際にどれくらいあるのかが分からないと計画になりません。総務省統計局の社会生活基本調査(令和3年)には、参考になる数字があります。
| 区分 | 1日あたりの通勤・通学時間 |
|---|---|
| 総数(10歳以上) | 31分 |
| テレワーク(在宅勤務)をしていた人 | 4分 |
| テレワークをしていなかった人 | 1時間7分 |
(総務省統計局の公表資料より。調査は2021年10月に実施)
ここで注目したいのは、テレワークの有無で通勤時間が1時間以上違うことです。通勤している人には、毎日1時間前後の「必ず発生する枠」があります。逆に在宅勤務中心の人には、その枠が存在しません。
つまり、同じ「スキマ学習」でも、働き方によって置き場所がまったく違うということです。通勤前提の学習法をそのまま在宅勤務の人に当てはめても、うまくいきません。
働き方別に設計を変える
自分がどのタイプかを決めてから、スキマの置き場所を決めます。
タイプA:通勤がある
毎日1時間前後の固定枠があるタイプです。最も設計しやすく、ここを使い切れるかで差がつきます。
| スキマ | やること |
|---|---|
| 通勤(行き) | リスニング・1駅1題の問題 |
| 通勤(帰り) | 行きに解いた問題の答え合わせ、または単語 |
| 昼休み | 単語(瞬間認識の練習) |
| 帰宅後15分 | 文法・読解の演習 |
通勤リスニングの具体的な進め方はTOEICリスニングを通勤中に伸ばす教材と勉強法にまとめています。
タイプB:在宅勤務が中心
通勤という固定枠がない代わりに、始業前と昼休み、終業直後が使えます。ただし、意識して境界を作らないと、仕事と生活が地続きになって学習枠が消えます。
| スキマ | やること |
|---|---|
| 始業30分前 | 単語・文法(頭が動く時間に短く) |
| 昼休みの後半15分 | 前日の復習 |
| 終業直後の15分 | その日の演習(席を立つ前に済ませる) |
ポイントは、終業「後」ではなく終業「直後」に置くこと。いったん離席すると戻ってこられません。在宅勤務は通勤時間が浮いているぶん、設計さえできれば学習時間は取りやすいタイプでもあります。
タイプC:出張・シフト勤務で毎日が不規則
同じ時刻に同じことをする設計が使えないタイプです。時刻ではなく、行動に紐づけるのが唯一の解になります。
- 移動を始めたら → リスニング
- 食事を終えたら → 単語
- 宿泊先に着いたら → 15分だけ演習
曜日や時刻ではなく「〜したら」で決める。これなら不規則でも発動します。あわせて、週単位の目標(今週は模試1回)に切り替えると、日ごとのばらつきを吸収できます。
| タイプ | 主な枠 | 設計の軸 |
|---|---|---|
| A 通勤あり | 通勤・昼休み・帰宅後 | 時刻で固定する |
| B 在宅中心 | 始業前・昼休み後半・終業直後 | 仕事との境界を作る |
| C 不規則 | 移動・食後・宿泊先 | 行動に紐づける |
目標はどこに置くか
学習時間の設計と同じくらい大事なのが、目標スコアの置き方です。IIBC が公表しているデータによると、2025年度の公開テストは受験者755,473人で、社会人の平均スコアは649点(Listening 353/Reading 296)、学生の平均は592点でした。
いきなり大きな目標を掲げるより、まず平均帯を通過点として置くほうが、スキマ学習では続きます。1回の受験で決めようとせず、次の回も見据えて積み上げるほうが、社会人の生活には合っています。600点台から先の進め方はTOEIC 600点から700点に上げる方法|次に埋める4つの穴を参考にしてください。
続ける仕組み
スキマ学習を続けるには、意志より仕組みです。
- 時間を固定する:「通勤したら」「昼食後は」など、既存の行動に紐づける
- 教材を1つに絞る:あれこれ手を出さず、スキマ用の教材を1冊決める
- 記録して可視化:やった日をカレンダーに印。積み上がりが見えると続く
- ハードルを下げる:「1問だけ」でもOK。ゼロの日を作らない
特に「既存の行動に紐づける」のが効果的。「電車に乗ったらアプリを開く」のように、すでにある習慣にくっつけると、やるかどうか迷わずに済みます。
崩れたときの戻し方
社会人の学習は、繁忙期や体調で必ず一度は崩れます。崩れる前提で、戻し方を決めておくのが続けるコツです。
- 1日空いたら:翌日に取り返そうとしない。いつもの枠で1問だけ再開する
- 1週間空いたら:教材を最初のページに戻さない。止まった場所から再開する
- 1か月空いたら:計画を作り直す前に、まず模試を1回解く。空白の間に落ちた部分が見えて、次の1週間が決まる
いちばん危険なのは、空いたぶんを取り返そうとして無理な計画を組み直すことです。取り返す計画はまた崩れ、今度は再開できなくなります。
スキマ時間には、英語に触れる手段を用意しておくと学習が回ります。スマホ1つでできるオンライン英会話なら、短い時間でも英語を使う練習ができ、インプットに偏りがちな社会人の学習を補えます。資料請求は無料なので、選択肢として見ておくとよいでしょう。
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スキマで解ける教材
社会人のスキマ学習には、短い時間で1問完結する教材が向いています。持ち運びやすく、電車内でも開けるサイズだと続きます。次の教材は、1駅(数分)で1題を解ける構成で、通勤時間の学習にぴったりです。
読解より先に文法を固めたい人や、より短い時間で1問を回したい人は、同じシリーズの文法編のほうがスキマに収まります。1問あたりの所要時間が短いほど、細切れの時間でも発動しやすいという基準で選んでください。
試験日が近く、1か月で組み立て直したい場合はTOEIC 1ヶ月の勉強スケジュール|試験日逆算の週割りもあわせてどうぞ。
筆者の判断基準
社会人の学習相談で筆者がまず確認するのは、通勤時間があるかどうかです。
公的統計でも、通勤している人には1日1時間前後の枠があり、在宅勤務中心の人にはそれがありません。ここが違えば、勧める設計はまったく別になります。「朝活」「通勤リスニング」といった一般的な助言が効かない人は、たいてい前提が違うだけです。
もうひとつの基準は、ゼロの日が週に何日あるかです。学習時間の合計より、この数字のほうが継続を予測します。ゼロの日が週3日以上なら、1回の量を減らしてでも毎日触れる形に組み替えます。1問でもゼロではない——この線引きが、社会人の学習ではいちばん効きます。
必要な学習時間を「何時間で何点」と数字で断定するのは避けています。公的に確認できる根拠がなく、前提も人によって違いすぎるからです。代わりに、ゼロの日の数と、模試の回数を進捗の指標にすることをおすすめしています。
よくある質問
1日どれくらいやれば間に合いますか?
時間の長さより「毎日続くこと」が大切です。スキマの合計で1日30分〜1時間を目安に、続けられる範囲から始めましょう。目標スコアまでの必要時間を数字で断定する情報もありますが、前提が人によって違いすぎるため、ゼロの日を作らないことを最優先にするほうが現実的です。
疲れて帰宅後にできません。
帰宅後に頼らず、通勤や昼休みなど「疲れる前のスキマ」に学習を寄せましょう。在宅勤務中心の場合は、終業「後」ではなく終業「直後」に15分を置くのが有効です。帰宅後は前日の軽い復習だけ、と割り切るのも手です。
週末にまとめてやるのはダメですか?
週末の模試は有効ですが、平日ゼロだと記憶が定着しません。平日はスキマで少しでも触れ、週末に模試でまとめる、の組み合わせが理想です。不規則な働き方の場合は、曜日ではなく「移動を始めたら」「食事を終えたら」と行動に紐づけると発動しやすくなります。
まとめ:スキマの合計で勉強時間を作る
社会人がTOEICの勉強時間を作るコツは、まとまった時間を待つのではなく、1日のスキマに「やること」を割り当てて積み上げることです。
公的統計では、通勤している人の通勤・通学時間は1日1時間7分、在宅勤務中心の人は4分。まず自分の働き方タイプ(通勤あり/在宅中心/不規則)を決めて、スキマの置き場所を変えるのが出発点です。既存の行動に紐づけて固定し、記録で可視化し、崩れたら止まった場所から再開する。スキマの合計が、確かな学習量になります。
参照した公式情報(取得日 2026-08-30)
- 総務省統計局 令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果(結果の要約。通勤・通学時間、テレワークの有無による違い): https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/pdf/youyakua.pdf
- IIBC TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026(2025年度 受験者数と平均スコア・社会人/学生別): https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/program-data-analysis-2026.pdf


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