本ページはプロモーションが含まれています
社会人の英語やり直しは何から?現在地の確認から始める4ステップ
社会人の英語やり直しで最初にやることは、参考書を買うことではありません。今の自分がどこにいるかを確認することです。ここを飛ばすと、教材が難しすぎて開かなくなるか、簡単すぎて手応えがないまま終わります。
学生時代から何年も離れていると、書店の棚を見ても選ぶ基準がありません。忙しくて時間も取れません。この記事では、その状態から抜け出すための順番を、現在地の確認→目的の決定→時間の確保→教材の決定という4ステップに整理します。読み終わる頃には、今日やる最初の30分の中身が決まります。
先に結論|やり直しの第一歩は教材選びではなく現在地の確認
英語のやり直しが止まる原因は、意志の弱さではなく順番の間違いです。多くの人は教材選びから入りますが、教材は「現在地」と「目的」が決まって初めて一意に決まります。決める順番は次のとおりです。
- 現在地を測る(30分。中学英語がどこまで残っているかを確認する)
- 目的を1つに決める(スコアか、話すことか、読み書きか)
- 週の学習時間を先に確保する(教材より先に予定表を押さえる)
- タイプ別に教材を1つだけ決める(最初は1冊で十分)
この順で決めると、迷いの原因だった「文法が先か、リスニングが先か」という問いにも自動的に答えが出ます。目的が違えば正解も違うからです。
【ステップ1】現在地を測る|30分でできる棚卸し
やり直しの現在地は、感覚ではなく外の物差しに当てて言葉にします。ここが曖昧なままだと、教材のレベル選びも目標設定も根拠を持てません。
公的な物差しで現在地を言葉にする
英語力を測る公的な指標には、次のようなものがあります。いずれも団体の公式情報で目安が公開されています。
| 指標 | 公表されている目安 | 現在地の確認での使い方 |
|---|---|---|
| 実用英語技能検定(英検) | 3級は中学卒業程度、準2級は高校中級程度、2級は高校卒業程度 | 自分が最後に理解できていた学年の目安に置き換えやすい |
| TOEIC Listening & Reading | 公開テストの平均スコアはトータル598.1点(受験者14,415人) | 会社の要件スコアと平均との距離を測れる |
| CEFR | 文部科学省の英語教育実施状況調査でも英語力の把握に使われている区分 | 検定の種類が違っても同じ物差しで比べられる |
出典と取得日は記事末尾に記載しています。ここで大事なのは正確なスコアを出すことではなく、自分の現在地を人に説明できる言葉にすることです。
やり直し開始チェックシート
次の5問に、そのまま答えてみてください。所要時間は30分ほどです。
| # | 確認すること | 判定の基準 |
|---|---|---|
| 1 | 中学レベルの英文を、辞書なしで意味が取れるか | 主語と動詞をすぐ見つけられるか |
| 2 | 過去形・現在完了・受け身の違いを説明できるか | 例文を1つずつ作れるか |
| 3 | 中学で習う基本単語を見て意味が浮かぶか | 目安として8割ほど分かるか |
| 4 | ゆっくりした英語の音声を聞いて、単語の切れ目が分かるか | 知っている単語が音として聞き取れるか |
| 5 | 短い自己紹介を英語で口に出せるか | 詰まらずに3文ほど言えるか |
判定は次のとおりです。
- 1〜3のどれかで詰まる → タイプA(土台づくりから始める)
- 1〜3は通るが4か5で詰まる → タイプB(語彙とスコアで力をつける)
- 1〜4は通るが5だけ詰まる → タイプC(話す練習に踏み出す)
背伸びをして上のタイプを選ぶと、そこで止まります。詰まった問いの1つ下から始めるほうが、遠回りに見えて手戻りが少なくなります。
【ステップ2】目的を1つに決めて学習の順番を選ぶ
「リスニングと文法はどちらが先か」という問いに、万人共通の答えはありません。目的によって順番が変わるからです。目的を1つに絞ると、やることと、後回しにしてよいことが同時に決まります。
| 目的 | 最初にやること | 次にやること | 当面は後回しでよいこと |
|---|---|---|---|
| 昇進や異動の要件スコアを取る | 頻出語彙の暗記 | 問題形式に慣れる演習 | 発音の作り込み |
| 海外出張や来客に対応して話す | 短い自己紹介と定型フレーズの音読 | ゆっくりした音声の聞き取り | 難しい文法用語 |
| 英文メールや資料を読み書きする | 中学英文法の再確認 | 業務で使う語彙の収集 | 会話のスピード対応 |
| 学び直しそのものを楽しみたい | 中学英語のドリルを1冊 | 興味のある分野の易しい多読 | 試験対策 |
決め方のコツは、期限のあるものを優先することです。半年後に要件スコアが必要なら語彙が先、来月に来客対応があるならフレーズの音読が先になります。期限が何もなければ、いちばん飽きにくい目的を選んでかまいません。
なお、中学英語からの戻り方をもう少し具体的に知りたい場合は、中学生の夏休みに英語をやり直す方法で扱っているつまずきの戻り方が、大人の学び直しにもそのまま使えます。
【ステップ3】週の学習時間を先に確保する
教材を買う前に、予定表のほうを先に押さえます。時間が確保できていない状態で教材だけ増やすと、積読が増えて挫折感だけが残ります。
15分ブロックを平日に5枠つくる
まとまった時間を待つ計画は崩れます。通勤の電車、昼休みの後半、帰宅後の入浴前など、毎日必ず訪れる行動に紐づけて15分を置くと習慣になります。行動とセットで決めるのがコツで、電車に乗ったら単語、という形にします。
週の合計から逆算する
1日あたりの分数が小さく見えても、合計にすると意味のある量になります。
| 1日あたりの学習(分) | 平日5日の週合計(時間) | 4週間の合計(時間) |
|---|---|---|
| 15 | 1.25 | 5 |
| 25 | 約2.1 | 約8.3 |
| 40 | 約3.3 | 約13.3 |
先に確保できる合計時間が見えると、選ぶ教材の厚みも決まります。月に5時間しか取れないのに分厚い問題集を選べば、終わらないのは当然です。通勤時間を使う具体的な進め方は、TOEICリスニングを通勤中に伸ばす教材と勉強法も参考になります。
忙しい週の最低ラインを決めておく
繁忙期に完全に止めると、再開のハードルが跳ね上がります。最低ラインを1日5分と決めておくと、途切れずに戻れます。単語を10個見るだけ、前日の音読を1回するだけでかまいません。ゼロの日を作らないことが、再開コストを下げます。
【ステップ4】タイプ別に最初の教材を1つだけ決める
ここまで決まって、ようやく教材です。最初は1冊に絞ります。複数を並行すると、どれも中途半端になります。
タイプA|中学英語の土台を戻す
文法と基本単語を薄く広く思い出すところから始めます。くもん出版の大人の学び直しシリーズは、1回分が短く区切られ、問題を解きながら記憶を呼び戻す構成です。まずは文法から取り組みます。
文法の感覚が戻ってきたら、日常でよく使う語彙も同じシリーズで補強できます。文法と単語をセットで戻しておくと、次の語彙学習が滑らかになります。
この段階では完璧に覚え直す必要はありません。そういえばこうだった、と思い出せれば十分です。
タイプB|語彙とスコアで力をつける
単語学習は成果が数字で見えやすく、忙しい社会人でも手応えを保ちやすい分野です。TOEIC向けの定番として広く使われているのが、TEX加藤さんの出る単特急 金のフレーズです。TOEICに出た単語を頻出順に収録し、600点レベルから990点レベルまでを1冊でカバーします。
覚え方のコツは、一度で完璧を狙わないことです。覚えられなかった単語だけを繰り返し、何周もするほうが定着します。単語帳の次に何をそろえるかは、TOEIC初心者の参考書は何を買う?最初にそろえる3冊の選び方で具体的に比較しています。
タイプC|話す練習に踏み出す
読める・書けるのに話せないという壁は、インプット不足ではなく口を動かした量の不足で起きます。独学で伸ばしにくい領域でもあるため、体系的に組まれた英会話教材を検討するのも一つの方法です。1日15分×30日という短い単位で設計された教材もあります。価格や返品条件、学習の進め方は公式ページで確認したうえで、自分の生活に合うかを判断してください。
21,450円 (税込・2026-09-07時点)
★4.24(レビュー34件)|英会話教材の英会話上達研究会
いきなり高額な教材に進む必要はありません。ステップ1・2で土台と語彙を固め、もっと話せるようになりたいと感じてから検討しても遅くはありません。
やり直しが続かない3つの理由と回避策
挫折には共通のパターンがあります。4ステップのどこを飛ばすと起きるかで整理します。
| 挫折の理由 | 飛ばした工程 | 回避策 |
|---|---|---|
| 目的が曖昧なまま始める | ステップ2 | 目的を1つに絞り、期限のあるものを優先する |
| いきなり難しい教材から入る | ステップ1 | チェックシートで詰まった問いの1つ下から始める |
| まとまった時間を確保しようとする | ステップ3 | 15分ブロックを平日に5枠置き、最低ラインを決める |
つまり、続かないのは根性の問題ではなく、決める順番の問題です。
筆者の判断基準
本記事で教材と進め方を選ぶ際に置いた基準は次の4点です。
- 現在地の確認を教材選びより前に置く: 上位の解説記事の多くは文法→単語→アウトプットという順番だけを示しますが、どのレベルから入るかで挫折率が変わるため、判定手順を先に置いています
- 目的が1つに絞れているか: 複数の目的を同時に追うと教材も分散します。期限のある目的を優先する形にしました
- 時間の総量が先に決まっているか: 教材の厚みは確保できる合計時間から逆算します。月に確保できる時間を超える教材は、内容が良くても最初の1冊には向きません
- 公的な指標で説明できるか: 現在地と目標は、英検の級の目安やCEFRの区分など、第三者が公表している物差しに当てて言葉にします
参考書そのものの比較は本記事の範囲外とし、TOEIC向けの具体的な選び分けは専用の記事に譲っています。
よくある質問
中学英語からやり直すのは遠回りではありませんか
目的が読み書きやスコアであれば、遠回りにはなりません。文の構造が曖昧なままだと、単語を増やしても意味が取れないためです。ただしチェックシートの1〜3が通るなら、中学英語のドリルは飛ばして語彙から入って差し支えありません。
リスニングと文法は、どちらを先にやるべきですか
目的で変わります。話すこと・聞くことが目的なら、音声の聞き取りとフレーズの音読を先に置き、文法は分からなかった箇所を後から埋めます。スコアや読み書きが目的なら、文法と語彙が先です。両方を同時に完璧にしようとすると、どちらも中途半端になります。
1日15分でも意味はありますか
平日5日で週に1.25時間、4週間で5時間になります。まとまった時間が取れない社会人にとっては、この積み上げが現実的な選択肢です。重要なのは1回の長さより、ゼロの日を作らないことです。
参照した公式情報(取得日)
- 実用英語技能検定 各級の目安(日本英語検定協会) — 取得日 2026-09-07
- TOEIC Listening & Reading Test 公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧(IIBC) — 取得日 2026-09-07
- 令和6年度 英語教育実施状況調査の結果について(文部科学省) — 取得日 2026-09-07
まとめ|今日の30分は現在地の確認に使う
社会人の英語やり直しは、何から始めるかを教材から考えると迷います。順番はこうです。
- ステップ1: チェックシート5問で現在地を測り、タイプA・B・Cを決める
- ステップ2: 目的を1つに絞り、期限のあるものから順番を決める
- ステップ3: 15分ブロックを平日に5枠、忙しい週の最低ラインも決める
- ステップ4: タイプに合う教材を1冊だけ選ぶ
今日やることは、教材を買いに行くことではなく、チェックシートの5問に答えることです。現在地が言葉になれば、次に開く1冊は自然と決まります。


コメント