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大学受験の夏休み、英単語は何語覚える?学習指導要領から逆算する目安
夏休みのうちに英単語を固めたいけれど、いったい何語覚えればいいのか分からない。そう迷って手が止まってしまう受験生は少なくありません。単語帳を何冊も買っては途中でやめてしまい、どれくらいやれば安心なのか分からないまま夏が終わる、というのはよくある失敗パターンです。
この記事では、文部科学省の学習指導要領に書かれている語数と、大学入試センターが公表している共通テストの出題範囲から、何語を目安にするかを逆算する方法を整理します。そのうえで、夏休み約40日の配分例、覚え方の型、夏休み明けの確認方法までをまとめました。結論は、夏休みの前に語数の目安と1冊を決め、進め方を固定してから回し始めることです。
先に結論|語数は公式の範囲から逆算し、1冊を回しきる
インターネット上には志望校別の必要語数がさまざまに書かれていますが、志望校ごとの必要語数を定めた公的な資料はありません。そこでこの記事では、次の順で目安を決めることを勧めます。
- 学習指導要領に書かれた語数で、高校までに扱う語の量をつかむ
- 共通テストの出題範囲と、志望校の個別試験の出題範囲を確認する
- その範囲をカバーする単語帳を1冊に決め、夏休みに何周回すかを計算する
数字そのものを暗記するより、自分の試験範囲に対して単語帳のどこまでを夏に仕上げるかを決めることが、計画を崩さないための近道です。
学習指導要領の語数から逆算する
小学校・中学校・高等学校の学習指導要領には、外国語(英語)で扱う語の数が示されています。高校の英語コミュニケーションの各科目は、前の段階までに学習した語に新しい語を加える形で書かれています。
| 段階 | 新しく扱う語(語程度) |
|---|---|
| 小学校(外国語) | 600〜700 |
| 中学校(外国語) | 1600〜1800 |
| 高校 英語コミュニケーションⅠ | 400〜600 |
| 高校 英語コミュニケーションⅡ | 700〜950 |
| 高校 英語コミュニケーションⅢ | 700〜950 |
これを足し合わせると、次のようになります。
| 範囲 | 累計(語程度) |
|---|---|
| 英語コミュニケーションⅡまで | 3300〜4050 |
| 英語コミュニケーションⅢまで | 4000〜5000 |
ここで注意したいのは、この数字は学校で扱う語の目安であって、入試で出る語の数を定めたものではないことです。また、中学までに学ぶ語は受験生の多くがすでに知っています。夏休みに新しく覚える量を考えるときは、累計から自分がすでに使える語を引いて考えると、現実的な量が見えてきます。
共通テストと個別試験で見る範囲
大学入試センターが公表している出題方法等によると、共通テストの英語は英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと論理・表現Ⅰが出題範囲です。問題作成方針では、問題のテキストや使用する語彙を、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の概ねA1〜B1レベルを目安に設定するとしています。
| 共通テスト英語 | 試験時間(分) | 配点(点) |
|---|---|---|
| リーディング | 80 | 100 |
| リスニング(解答時間) | 30 | 100 |
リスニングは機器の確認時間を含めた試験時間が60分で、そのうち解答は30分です。つまり、共通テストに向けた語彙は、学習指導要領の表でいえば英語コミュニケーションⅡまでの範囲が中心になります。
一方、国公立の2次試験や私立大学の個別試験は、大学ごとに出題範囲が決まっています。英語コミュニケーションⅢや論理・表現Ⅱまで範囲に含めているかどうかは、志望校の募集要項や入試ガイドで確かめてください。範囲が広い大学を受けるなら、英語コミュニケーションⅢまでの累計を意識した計画が必要になります。
志望校レベル別の目安の立て方
具体的な語数を一律に決めるのではなく、どの範囲までを夏に仕上げるかで目安を立てます。
| 志望の中心 | 基準にする範囲 | 夏休み中の到達ライン |
|---|---|---|
| 共通テスト中心・中堅私大 | 英語コミュニケーションⅡまで | 標準レベルの1冊を最後まで一巡し、基本語を即答できる |
| 難関国公立・難関私大 | 英語コミュニケーションⅢまで+熟語 | 標準レベルの1冊を複数周し、熟語や多義語にも手をつける |
| 最難関・医学部 | Ⅲまでの範囲を前提に、上位レベルの語 | 標準の1冊を固めたうえで、上位の1冊に入る準備をする |
英検の級も、レベルを確かめる目安になります。英検の公式サイトでは、2級を高校卒業程度、準1級を大学中級程度としています。単語帳に書かれた対応レベルと照らし合わせると、いまの自分に合う段階を選びやすくなります。
なぜ夏休みが英単語の勝負どころなのか
英単語は、英語の読解・文法・英作文すべての土台です。単語が分からなければ長文はただの記号の並びになり、いくら読解の手順を学んでも得点に結びつきにくくなります。
学期中は授業や部活で忙しく、単語だけにまとまった時間を割くのは難しいものです。夏休みは自分のペースで学習時間を組める数少ない期間です。ここで1冊を仕上げておくと、秋以降の長文演習や過去問対策に時間を回せます。新しい参考書に手を広げるより、単語という土台を固めきることに時間を使いましょう。
受験学年より前から準備しておきたい方は、高2の夏休みに参考書で英語と国語を固める進め方もあわせてご覧ください。
夏休み40日の配分例|週単位で回す
夏休みを約40日、6週間弱と考えた配分例です。科目全体の時間配分は大学受験の夏休みの勉強計画で整理しているので、ここでは英単語に絞ります。
| 週 | やること | 1日の中身 |
|---|---|---|
| 1〜4週目 | 夏に仕上げる範囲の1周目 | 新しい範囲+前日分+1週間前の分 |
| 5週目 | 2周目を速く回す | 1周目で間違えた語を中心に、範囲全体を見直す |
| 6週目 | 総復習と確認テスト | 抜き取りテストで残った語を洗い出す |
各週に1日は予備日を入れておき、遅れたらそこで取り戻します。予備日まで新しい範囲で埋めると、1日崩れただけで計画全体がずれてしまうためです。
1日の新しい範囲は、次の式で決めます。
1日の新出語数=夏に仕上げる範囲の語数÷1周目に使う日数
たとえば仕上げる範囲を1,200語とし、1〜4週目から予備日を除いた24日で1周目を終えるなら、1日の新出は50語です。これに前日分と1週間前の分の見直しを加えるため、1日に目を通す語は新出の数倍になります。1周目は意味を思い出せない語があっても先に進み、2周目以降で定着させる前提で組むと、計画が止まりにくくなります。
覚え方の型|音声・例文・テストを1セットにする
単語帳を眺めるだけでは、覚えたつもりで終わりがちです。毎日の流れを次の3つで固定すると、やることに迷いません。
音声で発音と意味を結びつける
単語帳の音声を聞き、発音しながら意味を確認します。リスニングでは聞いた瞬間に意味が浮かぶ必要があるため、つづりだけで覚えた語は試験で使いにくくなります。音声を聞ける形式で選ぶなら、単語帳は電子版と紙どっちがいいかも参考にしてください。
例文で使い方を確認する
意味が似ている語や、複数の意味を持つ語は、例文の中で確認します。どの前置詞と一緒に使うか、どんな場面で出るかが分かると、長文の中で出会ったときに意味を取り違えにくくなります。
自分でテストして覚えたかを判定する
最後に、日本語の意味を隠して英語を見たときに、すぐに意味が言えるかを確かめます。言えなかった語には印を付け、翌日と1週間後の見直しで重点的に扱います。英作文がある大学を受ける人は、日本語から英語が出てくるかも一部の語で確かめておくと安心です。
それでも覚えた実感が持てないときは、英単語を回転と想起で定着させる方法を読んで、覚え方そのものを見直してみてください。
単語帳は1冊に決める|レベル別の選び方
いちばん大切なのは、単語帳を1冊に絞ることです。複数の単語帳を並行すると、どれも中途半端になりやすくなります。代表的な単語帳の構成の違いはターゲット1900とシステム英単語の比較、レベル別の選び方は大学受験の英単語帳の選び方で詳しく整理しています。
基礎から固めたい人は、収録語数を抑えた英単語ターゲット1400から始め、上位版に進む流れも作れます。
共通テストから難関大まで幅広く対応したい人には、よく出る順に並んだ英単語ターゲット1900が、夏に一気に回す1冊として使いやすい構成です。例文の中で覚えたい人は、後で紹介する例文型の単語帳と比べてから選ぶと、途中で替えたくなる失敗を防げます。
最難関大や医学部を狙う人が、標準レベルを終えた後に取り組む上位の1冊の候補になるのが鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁です。単語をイメージやグループでまとめて覚える構成です。標準レベルの語に抜けが多い段階では、先に標準の1冊を固めるほうが回しやすくなります。
単語を1つずつ覚えるのが苦手な人は、例文の中で単語と熟語をまとめて覚えるDUOセレクト 厳選英単語・熟語1600という選択肢もあります。
国語で古文を使う人は、古文単語帳についても同じように1冊を決めておくと計画が立てやすくなります。収録語数と覚え方のタイプから選ぶ方法は、古文単語帳はどれを選ぶ?収録語数と覚え方タイプ別の選び方で紹介しています。
夏休み明けの確認方法
夏の成果は、2学期が始まる前に確かめておきます。感覚ではなく、テストの結果で次の計画を決めるためです。
| 確認すること | やり方 | 結果を受けた次の一手 |
|---|---|---|
| 範囲の定着 | 仕上げた範囲から無作為に語を選び、意味を即答できるか試す | 答えられなかった語の多い区間を、秋の最初の2週間で回し直す |
| 長文での理解 | 解き終えた長文で、知らなかった語に印を付ける | 単語帳に載っている語なら見直し、載っていない語は別の単語ノートにまとめる |
| 次の段階に進めるか | 範囲の大半を即答できるかを見る | 進めるなら熟語や上位の範囲へ、まだなら同じ1冊を続ける |
抜き取りテストは、区間ごとに同じ数の語を選ぶと、どの区間が弱いかが分かりやすくなります。
夏に崩れやすいパターンと立て直し
| 崩れ方 | 起きやすい理由 | 立て直しの一手 |
|---|---|---|
| 途中で単語帳を替えたくなる | 1周目で覚えていない語が多く、合わないと感じる | 1周目は覚えきれないのが前提と考え、2周目まで同じ1冊を続ける |
| 1周目に時間をかけすぎる | 1語ずつ完璧にしようとする | 1日の新出語数を守り、思い出せない語は印だけ付けて進む |
| 夏の後半に勉強時間が減る | 疲れや誘惑で予定が崩れる | 予備日で遅れを戻す。スマホが原因ならスマホをやめて勉強する方法の仕組みを使う |
| 英語全体の点数が上がらない | 単語以外に文法や読解の積み残しがある | 間違いの原因を分けて戻る地点を決める。大学受験の苦手科目の克服方法を参照 |
筆者の判断基準
この記事の内容は、次の基準で組み立てています。
- 語数は公式に書かれた数値だけを使う:段階別の語数は文部科学省の学習指導要領から、共通テストの出題範囲と語彙の目安は大学入試センターの公表資料から引いています。志望校別の必要語数は公的な資料がないため、具体的な数では示していません。
- 範囲で考える:語数を目標にするのではなく、自分の試験範囲に対して単語帳のどこまでを仕上げるかで計画を立てる方法をとっています。
- 1冊を回しきることを優先する:複数の単語帳に手を広げるより、1冊を繰り返して定着させることを基本にしています。
- 確認はテストで行う:夏休み明けに抜き取りテストで弱い区間を見つけ、秋の計画に反映させる手順を勧めています。
- 効果を断定しない:この進め方で必ず成績が上がると言い切る書き方はしていません。計画を立てるための整理の方法として使ってください。
よくある質問
夏休みだけで英単語を全部覚えきれますか?
1冊を完璧にすることを夏だけの目標にする必要はありません。夏休み中に仕上げる範囲を決めて数周回し、見れば意味が浮かぶ状態を作ることを目指しましょう。秋以降も毎日の見直しを続けることで、夏に覚えた語が定着していきます。
高2の夏休みからでも、同じ考え方で進めていいですか?
考え方は同じです。高2の場合は、学校の授業で扱う範囲と並行しながら、英語コミュニケーションⅡまでの範囲を先に固めると、高3の夏に上位の範囲へ進む時間を作れます。1日の新出語数は、部活などの予定に合わせて少なめに設定しても構いません。
単語だけやっていれば長文も読めるようになりますか?
単語は土台ですが、それだけで長文が読めるようになるわけではありません。文法の理解や、文の構造をつかむ練習も必要です。夏に単語を固めておくと、秋からの長文演習で知らない語に止まる回数が減り、読解の練習そのものに時間を使えるようになります。
参照した公式情報(取得日)
- 文部科学省 高等学校学習指導要領 平成30年告示(PDF)(取得日 2026-10-03)
- 文部科学省 中学校学習指導要領 平成29年告示(PDF)(取得日 2026-10-03)
- 文部科学省 小学校学習指導要領 平成29年告示(PDF)(取得日 2026-10-03)
- 大学入試センター 令和9年度 大学入学共通テスト問題作成方針(PDF)(取得日 2026-10-03)
- 大学入試センター 令和9年度 大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等(PDF)(取得日 2026-10-03)
- 日本英語検定協会 英検 各級の目安(取得日 2026-10-03)
入試の出題範囲や試験時間は年度ごとに変わることがあります。受験する年度の公式発表と、志望校の募集要項で必ず確認してください。
まとめ|範囲を決めて、1冊を回しきる
大学受験の夏休みに覚える英単語の量は、志望校別の数字を探すより、公式の範囲から逆算するほうが迷いません。
- 学習指導要領の語数は、英語コミュニケーションⅡまでの累計で3300〜4050語程度、Ⅲまでで4000〜5000語程度
- 共通テストの英語は英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと論理・表現Ⅰが出題範囲
- 個別試験の範囲は、志望校の募集要項で確認する
- 夏に仕上げる範囲を決め、1日の新出語数を計算して週単位で回す
- 音声・例文・テストを毎日の型にする
- 夏休み明けに抜き取りテストで弱い区間を確かめる
まずは1冊と夏に仕上げる範囲を決めて、今日から回し始めましょう。


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