四谷大塚の合格実績の推移はどう読む?2026年確定数と年度比較の注意点

20260712_四谷大塚合格実績推移 塾・予備校の合格実績

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四谷大塚の合格実績の推移はどう読む?2026年確定数と年度比較の注意点

中学受験の塾選びで、多くのご家庭が最初に目を通すのが合格実績です。なかでも四谷大塚は、予習シリーズを軸にした教材とテストのネットワークで全国に広がる老舗で、毎年の実績が話題になります。

ただ、「去年より増えた/減った」を単純に比べても、実はあまり多くのことは分かりません。合格実績の数字は、塾の側の事情だけでなく、学校が出した合格者の数や在籍する生徒の数、数えている範囲、さらには業界の集計ルールによっても動くからです。

この記事では、四谷大塚が公式に発表している2026年の最終確定数を出発点に、公式データ全584校の全体量、学校側が公表している合格者数の年度変化、運営会社の決算説明会資料の記述、全国学習塾協会の集計基準の改定といった一次情報を並べて、「推移をどう読めばいいか」を保護者の目線で整理します。数字はすべて公式発表で確認できたものだけを扱います。

先に結論:四谷大塚の合格実績の推移は4つの物差しで読む

最初に、この記事の結論をまとめておきます。

  • 公式の実績ページに載っているのは最新年度(2026年)の数字です。年度をまたいで比べたい場合は、各年の発表を自分で記録しておく必要があります
  • 前年との差を見るときは、塾の数字だけでなく、次の4つを横に置きます
    1. 学校側の合格者数(学校が何人に合格を出したか)
    2. 塾の母集団(在籍生徒数の増減)
    3. 集計範囲(直営校舎だけか、提携塾まで含むか)
    4. 集計基準(業界の基準が2024年7月に改定されている)
  • 数字の増減そのものから「指導力が上がった/下がった」とは言えません。変化の理由を切り分けられるだけの情報が公表されているかを先に確認するのが、推移を読むときの基本姿勢です

以下、それぞれの根拠を順に見ていきます。

そもそも四谷大塚の合格実績は「2列」で発表される

四谷大塚の公式ページでは、合格者数が四谷大塚ネットワークと四谷大塚直営という2つの列で並記されています。これが、他塾の実績や過去の数字と単純に比べにくい最大のポイントです。

  • 四谷大塚直営:四谷大塚が直接運営する校舎の実績と一般に解されます
  • 四谷大塚ネットワーク:直営校舎に加え、全国の提携塾(YTnet 会員塾など)を含む広域集計と一般に解されます

実績ページ本文に明記されているのは、集計の締切日(2026年3月31日)と、学校ごとに2つの列があることです。各列の正式な定義や対象範囲を説明する文章はページ上に書かれていないため、上記はあくまで一般的な理解として受け取ってください。数字の大小を語る前に、どちらの列の数字を見ているのかを意識するだけで、印象はずいぶん変わります。

この2列の数字の違いについては、四谷大塚2026年の合格実績まとめ「直営」と「ネットワーク」の読み方でさらに詳しく解説しています。

2026年(最新確定数)の主要校合格実績

四谷大塚の公式ページには、2026年入試について2026年3月31日(火)締切の最終確定数として、100校の合格者数が掲載されています。以下は、そのうち主要校を抜き出したものです。

学校 直営(名) ネットワーク(名)
開成中 57 134
麻布中 7 77
武蔵中 9 50
桜蔭中 32 86
女子学院中 29 109
雙葉中 5 46
駒場東邦中 14 53
筑波大学附属駒場中(筑駒) 20 33
渋谷教育学園幕張中(渋幕) 95 215
渋谷教育学園渋谷中(渋渋) 40 91
灘中 17 41
豊島岡女子学園中 43 136
海城中 53 147
栄光学園中 10 49
聖光学院中 30 77
早稲田中 40 200

(※四谷大塚公式ページ掲載の主要校を抜粋。数字は2026年最終確定数)

同じ学校でも直営とネットワークで人数が大きく異なるのが分かります。たとえば早稲田中は直営40名に対しネットワーク200名。ネットワークが提携塾を含む広域の合計である以上、当然といえば当然ですが、「四谷大塚は早稲田中に200名合格」と紹介されているのを見たときは、それが広域集計側の数字である可能性を頭に入れておくとよいでしょう。

【独自】2026年を基準年として記録する:公式データ全584校の全体量

推移を読むには、まず比べる元になる年の全体像を押さえておく必要があります。四谷大塚の実績ページには、上の100校の表とは別に、全国の学校を地域や男女別で絞り込める検索機能があり、その元データとして 584校分の合格者数が公開されています(2026年3月31日締切の最終確定数)。

この584校分を、本記事で足し上げた結果が以下です。一人の生徒が複数の学校に合格すればそれぞれに数えられるため、合計は延べの人数であり、生徒の実人数ではない点に注意してください。

男子校・女子校・共学校別の合計

区分 学校数(校) ネットワーク合計(名) 直営合計(名)
男子校 63 5075 1124
女子校 112 5932 1513
共学校 409 21133 4345
合計 584 32140 6982

ネットワークの合計に対して、直営の合計はおよそ2割強(本記事の計算で約21.7%)です。また、584校のうち209校は直営の合格者が0名で、ネットワーク側だけに合格者がいる学校です。全国の提携塾まで含めた集計であることが、学校数の広がりからも読み取れます。

都県別に見ると埼玉県の比重が大きい

学校の所在地(都道府県)で分けると、次のようになります。

所在地 学校数(校) ネットワーク合計(名) 直営合計(名)
東京都 184 11356 2765
埼玉県 34 9410 2001
千葉県 25 2770 776
神奈川県 55 2535 747
その他の道府県 286 6069 693

埼玉県は学校数では34校ですが、ネットワーク合計は9,410名と東京都に迫ります。1校あたりの合格者数が大きい学校が埼玉県に集まっているためです。逆に、首都圏の1都3県以外の学校は286校と数は多いものの、直営の合格者は合計693名にとどまり、ネットワーク側(提携塾)の比重が大きいことが分かります。

推移を読むうえでの意味は明快です。合計の数字は、どの地域の、どの学校の合格者が増減したかで大きく動くということです。合計が前年より増えていても、その増分が一部の学校に集中している可能性があります。

合格者数が多い学校の顔ぶれ

ネットワークの合格者数が多い順に並べると、上位は次のとおりです。

学校 所在地 ネットワーク(名) 直営(名)
栄東 埼玉県 1671 506
開智所沢 埼玉県 1400 266
開智 埼玉県 1388 140
埼玉栄 埼玉県 1109 300
大宮開成 埼玉県 684 179
宮崎日本大学 宮崎県 603 155
淑徳与野 埼玉県 534 129
佐久長聖 長野県 497 130
東邦大付属東邦 千葉県 399 122
市川 千葉県 389 125

上位10校のうち6校が埼玉県の学校で、栄東1校だけでネットワーク合計の約5%(本記事の計算)を占めます。こうした学校の合格者数が1年で数百名単位で動けば、それだけで「全体の合格者数が増えた/減った」という印象が変わります。合計の推移を見るときは、上位校の動きを分けて見ることが欠かせません。

100校の一覧は全体の約半分

ページ上部に掲載されている100校の表だけを足すと、ネットワーク15,117名、直営3,744名です。584校全体に対して、ネットワークでは約47%、直営では約54%にあたります(いずれも本記事の計算)。

つまり、100校の表だけで作った推移は全体の半分程度しか映さないということです。翌年以降に比べるときは、100校の表に載る学校の顔ぶれが入れ替わる可能性も含めて、同じ範囲で比べているかを確認してください。

推移を読むときに気をつけたい5つの視点

ここからが本題の「推移」です。過去年との比較を正しく行うために、最低限おさえておきたい視点を5つ挙げます。

1. 学校側の合格者数そのものが毎年動く

見落とされがちなのが、学校が出す合格者の数自体が毎年変わるという点です。塾の合格者数は、学校が出した合格者の一部を数えたものですから、学校側の数字が増えれば塾の数字も増えやすく、減れば減りやすくなります。

開成中学校は、公式サイトで過去5年間の中学入試状況を公表しています(2026年4月6日現在の表)。

年度 受験者(名) 合格者(名) 入学者(名)
2022 1050 416 305
2023 1193 419 307
2024 1190 424 303
2025 1146 431 304
2026 1175 442 300

入学者はほぼ300名前後で変わらない一方、合格者は416名から442名へと5年で26名増えています。同じ定員の学校でも、合格を出す人数は年によって違うわけです。なお2026年の開成について、四谷大塚ネットワークの合格者は134名ですから、学校の合格者442名を分母に置くと約3割にあたります(本記事の計算)。

複数回の入試を行う学校では、変化はもっと大きくなります。渋谷教育学園幕張中学校が公表している入試結果データは次のとおりです(各年2月3日現在)。

年度 一次入試の合格者(名) 帰国生入試の合格者(名) 二次入試の合格者(名) 総計(名)
2024 665 34 68 767
2025 736 35 47 818
2026 649 34 70 753

一次入試の合格者は2025年に736名まで増え、2026年は649名に減っています。学校全体で1年に80名以上の幅があるのですから、ある塾の渋幕の合格者数が前年から増減していても、それは学校側の合格者数の変化をそのまま映しているだけかもしれません。塾の数字の前年比を見るときは、同じ学校の公式の入試結果を横に置くのが第一歩です。

2. 延べ人数か、実人数か

合格実績には延べ合格者数と実合格者数という考え方があります。一人の生徒が複数校に合格した場合、合格をそれぞれ1件として足すと延べになり、生徒の数で数えると実人数になります。

先ほどの渋幕のように、一つの学校が一次・二次・帰国生など複数回の入試を行う場合、同じ学校の中でも合格の機会が複数あります。四谷大塚の実績ページには、重複合格や複数回入試の数え方についての注記は掲載されていません。塾や年によって数え方が違えば、推移も当然変わりますから、同じ数え方で比べているかを確かめられない限り、前年との差は目安として受け取るのが安全です。

3. 母集団(在籍生徒数)の変化

在籍生徒数が増えれば合格者数も増えやすく、減れば減りやすくなります。合格者数の増減だけを見て判断するのは早計です。

四谷大塚の生徒数そのものは実績ページには出ていませんが、運営会社である株式会社ナガセの決算説明会資料に、直営部門の在籍についての記述があります。

  • 2025年5月13日の資料(2025年3月期)では、2026年3月期の計画について四谷大塚(直営校)の生徒在籍数減少を勘案したと書かれています
  • 2026年5月15日の資料(2026年3月期)では、四谷大塚(直営部門)は、教務指導の強化を通じた退会の抑制により、在籍の減少幅が着実に縮小したと書かれています

資料に具体的な在籍数は示されていませんが、少なくとも直営の在籍が増え続けている状況ではないことが、公式の説明から読み取れます。直営の列の合格者数を年ごとに比べるときは、分母にあたる在籍の動きも同時に変化していることを前提にしてください。在籍が減っている中で合格者数が横ばいなら、それ自体が一つの情報になります。

4. 集計範囲:直営とネットワーク、提携塾の増減

ネットワーク側の数字は、直営校舎に加えて全国の提携塾の生徒を含む集計です。提携塾の数が増えれば、指導の中身が変わらなくても合計は増えます。前年より数字が伸びていても、それが指導の成果なのか、集計対象の広がりなのかは、公表されている情報だけでは切り分けられません。

推移を見る目的が「通わせる予定の教室の力を知りたい」なのであれば、ネットワークの合計よりも、直営の列や、その教室自身が公表している実績の方が目的に近い数字です。

5. 業界の集計基準が2024年7月に変わった

年度をまたいで比べるときに、もう一つ知っておきたいのが業界団体の集計基準の改定です。公益社団法人全国学習塾協会は、合格実績としてカウントする生徒の条件を定めた自主基準を、2024年7月1日に次のように変更しています。

項目 変更前 変更後
在籍の条件 受験直前の6か月のうち、継続的に3か月を超えて在籍し、通常の学習指導を受けた者 受験直前の6か月のいずれかに在籍がある者
受講の条件 受講時間数が30時間を超える場合 同期間に受講契約に基づく30時間以上の受講、または継続して3か月以上の受講の実態がある者

あわせて、体験授業や模試受験のみの生徒はカウントしないこと、実績が事業主体の全部なのか、提携塾の全体または一部なのかといった範囲を明示すること、グループ内の複数の塾で要件を満たした同じ生徒を重複して数えないこと、なども定められています。

この基準は協会が定める自主基準で、どの塾がどの基準で集計しているかは塾ごとに確認が必要です。ただ、業界全体の数え方の目安が2024年7月を境に変わっている以上、2024年以前と2025年以降の実績を並べるときは、同じ条件で数えた数字かどうかを意識しておく価値があります。

この基準の項目は、どの塾の実績ページを見るときにも使える確認リストになります。

  • どの範囲の合計か:自社の全校舎か、一部の教室か、提携塾を含むか
  • 誰を数えたか:在籍や受講の条件、講習会だけの生徒を含むかどうか
  • いつ時点の数字か:速報か確定数か、締切日はいつか

四谷大塚の実績ページで読み取れるのは、このうち範囲(直営とネットワークの2列)と時点(3月31日締切の最終確定数)です。残りの項目を知りたい場合は、説明会などで直接確認するのが確実です。

過年度と比べるための推移表の作り方

四谷大塚の公式の実績ページは、年度を示すURLではなく、最新年度の内容が掲載される形式です。年度をまたいだ推移を正確に追いたい場合は、発表のたびに自分で記録を残すのが確実な方法になります。

手順は次の4つです。

  1. 確定数の日付を控える:2026年は3月31日締切の最終確定数でした。速報段階の数字と確定数を混ぜると、推移がぶれます
  2. 志望校ごとに2列とも記録する:直営とネットワークの両方を控えます。片方しか記録しないと、翌年に列の扱いが変わったときに比べられなくなります
  3. 同じ学校の公式の入試結果を横に置く:学校側の合格者数(複数回入試なら回ごと)を同じ行に書きます
  4. 気づいたことをメモ欄に残す:掲載校数、ページの注記、入試日程の変更など、数字以外の変化を書き添えます

記録用の表は、たとえば次のような形です。2026年の開成を例に入れています。

年度 確定数の締切日 学校 直営(名) ネットワーク(名) 学校側の合格者(名) メモ
2026 3月31日 開成 57 134 442 100校一覧+全584校データ
2027 – 開成 – – – 翌年の発表時に記入

この形で2〜3年分たまれば、塾の数字の変化が学校側の変化と連動しているのか、それとも塾の側だけが動いているのかを、自分の目で確かめられるようになります。

記録した表の読み方の例

たとえば翌年、ある学校で直営の合格者数が前年より増えていたとします。このとき、次の順で確認すると、数字の意味を取り違えにくくなります。

  1. 学校側の合格者数も増えていないか:学校が合格を出す人数が同じくらい増えていれば、塾の数字の増加はその範囲で説明がつきます
  2. ネットワーク側も同じ方向に動いたか:直営だけが増えてネットワークは横ばい、といった動きなら、直営の側に何らかの変化があったと考える材料になります
  3. ページの注記や締切日が同じか:確定数の締切日や掲載の形式が変わっていれば、同じ条件の比較とは言えません

1の確認がどれほど効くかは、豊島岡女子学園中学校が公表している過去3か年の入学試験結果(2026年4月6日現在)を見るとよく分かります。4教科入試の回ごとの合格者数は次のとおりです。

年度 1回の合格者(名) 2回の合格者(名) 3回の合格者(名) 3回の合計(名)
2024 389 68 74 531
2025 390 73 77 540
2026 238 121 111 470

(3回の合計は本記事の計算。2025年度と2026年度は、このほかに算数・英語の方式の合格者がいます)

2026年度は、1回の合格者が前年の390名から238名へと152名減り、2回と3回はそれぞれ増えています。同じ学校でも、どの回で何人が合格したかの配分が1年でここまで変わるわけです。さらにこの表には、繰上げ合格者の欄が別に設けられています(2026年度の1回は13名)。塾の合格者数が前年から減っていたとしても、学校側の合格者の総数と回ごとの配分、繰上げ合格の扱いを確かめないまま、塾の側の変化と結論づけることはできません。

この3点を確かめても、増えた理由そのものは公表情報からは分かりません。それでも、学校側の事情で説明できる増減とそうでない増減を分けておくだけで、説明会で何を質問すればよいかがはっきりします。

まとめサイトの過年度データを使うときの確認点

検索すると、過去数年分の四谷大塚の合格者数を一覧にしたまとめ記事や口コミサイトが見つかります。参考にする場合は、次の点を確認してください。

  • どの時点の数字か:速報値か確定値か、何月何日時点か
  • どちらの列か:直営なのか、ネットワークなのか、あるいは合計しか載っていない年のものか
  • 出典が示されているか:公式ページのどの年度の発表から引いたかが書かれているか

これらが確認できない数字は、推移の目安にとどめ、学校選びや塾選びの決め手にはしないのが安全です。

校舎・教室単位の実績を確かめるには

公式の実績ページで分かるのは、直営全体とネットワーク全体の数字です。実際に通う校舎や教室でどのくらいの合格者が出ているかは、この表からは読み取れません。

通塾を検討している校舎があるなら、説明会や入塾相談で次のように尋ねてみると、推移を読むための材料が集まります。

  • その校舎(教室)の生徒の、志望校別の合格者数は公表しているか
  • 直営校舎なのか、提携塾なのか(提携塾なら、その塾自身の実績の公表方法)
  • 在籍している学年ごとの生徒数の目安
  • 志望校別の対策講座を受けられる校舎・時期

提携塾に通う場合は、四谷大塚の実績ではなく、その塾自身が公表している実績を見るのが筋です。ネットワークの合計は、特定の教室の数字ではないからです。

他塾の推移と並べるときの注意

他塾の実績と年ごとの伸びを比べたくなることもあるでしょう。ただし、塾ごとに集計範囲や公表形式が違うため、伸び率どうしを比べることにはあまり意味がありません。一方の塾は提携塾を含む合計、もう一方は自社校舎だけ、ということは珍しくないからです。

他塾の数字と並べたときにどこが噛み合わないのかは、SAPIXと四谷大塚の合格実績を集計方法の違いから読み解いた記事で具体例とともに確認できます。同じ関東系の大手と並べて考えたい場合は、日能研と四谷大塚の合格実績を正しく比べるための読み方もあわせてご覧ください。

学校の定員と2塾の公表値を突き合わせる方法は四谷大塚と早稲田アカデミーの2026年合格実績の比較で、延べ人数の考え方はTOMASの合格実績と延べ人数の読み方で詳しく扱っています。

筆者の判断基準

公式に公表されている情報から、推移について何が言えて、何が言えないかを整理すると、次のようになります。

知りたいこと 使う数字 判断の目安
塾全体の規模が変わったか ネットワークの合計(同じ範囲で比べる) 上位校の増減と提携塾の増減が混ざるため、合計の差は参考程度
直営校舎の結果が変わったか 直営の列を志望校ごとに 同じ学校の公式の合格者数と並べ、学校側の変化で説明できる分を差し引いて見る
志望校で一定の合格者が出ているか 志望校の行だけ 年ごとの小さな増減より、毎年一定数の合格者がいるかを見る
通う教室の力を知りたい 実績ページの数字では分からない 校舎・教室に直接確認する

筆者としては、数字の増減から塾の良し悪しを判断することはおすすめしません。推移から読み取れるのは「志望校で毎年一定数の合格者を出している塾かどうか」までで、それ以上は、カリキュラム、テストの受け方、家庭の生活リズムとの相性など、別の軸で判断することになります。

よくある質問

四谷大塚の過去の合格実績は公式で見られますか

2026年9月26日時点で、公式の実績ページに掲載されているのは2026年入試の最終確定数です。年度をまたいで比べたい場合は、発表のたびに記録を残すか、塾の説明会で過去の実績について尋ねるのが確実です。

前年より合格者数が増えたら、指導力が上がったと考えてよいですか

そうとは限りません。学校側の合格者数の増減、在籍生徒数の変化、提携塾を含む集計範囲の変化、業界の集計基準の改定など、指導の中身以外の要因でも合格者数は動きます。公表されている情報だけでは、どの要因による変化かを切り分けられないため、増減は目安として受け取ってください。

推移を見るなら、直営とネットワークのどちらを使えばよいですか

目的によって変わります。四谷大塚の直営校舎に通う予定なら直営の列、塾全体の規模感を知りたいならネットワークの列です。どちらを使う場合も、毎年同じ列を同じ範囲で比べることが前提になります。

数字より先に「わが子との相性」を

合格実績は塾の一つの姿を映しますが、集計の前提が違えば横並び比較は簡単ではありません。大切なのは、実績の大きさそのものより、カリキュラムやテキストがお子さんに合うかです。

四谷大塚の学習の中心にあるのが、中学受験の定番教材である予習シリーズです。通塾していないご家庭でも、市販の準拠ドリルで学習リズムやレベル感を体験できます。低学年のうちから漢字や計算の土台づくりに取り組んでおくと、本格的な受験学習への移行がスムーズです。

計算力は算数のすべての土台になります。毎日少しずつ手を動かす習慣づくりに、計算のリーダードリルも取り入れやすい一冊です。

いずれも低学年向けの内容なので、高学年のお子さんには学年に合った教材を選んでください。こうした市販教材で予習シリーズの進め方の感覚をつかんでから、体験授業や説明会に足を運ぶと、塾選びの解像度がぐっと上がります。

参照した公式情報(取得日)

本記事の数字は、次の一次情報に基づきます。取得日は各項目に記載しています。

割合の数字(約21.7%、約47%など)は、上記の公表値をもとに本記事で計算したものです。

まとめ

  • 四谷大塚の合格実績は直営とネットワークの2列で発表され、公式ページに載っているのは最新年度(2026年は3月31日締切の最終確定数)です
  • 公式データ全584校の合計は、ネットワーク32,140名・直営6,982名の延べ人数で、埼玉県の上位校の比重が大きく、100校の表は全体の約半分です
  • 推移を読むときは、学校側の合格者数、在籍生徒数、集計範囲、業界の集計基準(2024年7月改定)の4つを横に置きます
  • 過年度と比べるなら、確定数の日付・2列・学校側の合格者数を毎年同じ形で記録するのが確実です

数字はあくまで塾選びの入り口です。実績の読み方を知ったうえで、お子さんに合う学びの環境を選んでいきましょう。


※合格実績は各塾の公式発表等に基づきます(集計方法により重複を含む場合があります)。本記事の四谷大塚の数字は四谷大塚 2026年中学入試合格者実績(2026年最終確定数)を出典としています。

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